相手にネガティブな感情を抱くことの根底にあるもの
母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。
「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。
自己探究が進んで、このところ、生きるのが随分と楽になってきたのに、新しく採用されたスタッフに引け目を感じ、元気がなくなるという出来事が起こりました。
自己探究オタクの私が、相手に対してネガティブな感情を抱くことの根底にあるものを探っていきます。
職場の同僚に引け目を感じる
このところ、元気がなくなってきました。
思い当たることと言えば、職場で、新しいスタッフを雇ってもらったこと。
私は、スクールカウンセラーとして働いているのですが、勤務校では長年、私一人だけの雇用が続いていました。
ですが、私と相性の合わない生徒に対して、ずっと申し訳ない気持ちがありまして。
今年度から、スクールカウンセラーをもう一人雇ってもらうことにしたのです。
「私とはタイプの違う人を雇ってほしい」という私の願いを汲み取っていただいたお陰でしょう。
新しく雇ってもらったスクールカウンセラーのAさん。
女性らしく、やわらかで、繊細な雰囲気をまとっているのに、頭の回転が速く、見るからに知的なタイプ。
Aさんは、短期間のうちに、教職員からも、生徒からも信頼を得るようになり、私は、ひと安心。
だったのですが。
Aさんの働きぶりを知るにつれ、引け目を感じ、元気がなくなってしまったのです。
自分が望んで、新しい人を雇ってもらったのに、それで凹んでいるなんて、どうなのよ!
自己探究オタクの私は、元気がなくなる原因は自分にあると考え、自己探究してみることにしました。
引け目を感じることの根底にあったもの
自己探究のツールは、「ハコミセラピー」。
「ハコミセラピー」とは、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかけるセラピーです。
「マインドフルネス」とは、ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくこと。
「マインドフルネス」の状態になると、顕在化した意識が静かになっていき、無意識(潜在意識)にあるものが立ち現れてきます。
そのため、言葉を交わす心理療法より、無意識の深いところに手が届き、問題解決の糸口が見えてきたり、自分が本当に求めているものが何であるかが分かってきたりするのです。
早速、「ハコミセラピー」の個人セッションで、ここ最近の元気のなさを取り上げてみました。
私がクライエントとなり、セラピストの誘導のもと、「マインドフルネス」の状態になります。
そして、職場の状況を思い出すと、Aさんと私の姿が浮かび上がってきました。
能力にあふれ、仕事ができ、温和な人柄で、早々に周囲から信頼されるAさん。
仕事はいつも綱渡りで、要領が悪く、ムダに個性が強くて、ちょっと残念な私。
あら、このコントラストには、馴染みがある。
母に言われた通りに行動でき、頭がよく、性格もよく、周囲の人からも信頼されていた私の弟。
母に言われたことがうまくできず、頭が悪く、性格も微妙で、よく母から怒られていた私。
母が、弟のことを褒め、私のことは罵倒する、幼いころの悲しい思い出がよみがえってくると。
私の心の中にいる、幼い子ども(傷ついた子ども、インナーチャイルドとも言われる)が、泣きじゃくる感じになりました。
私は、生まれながらの不良品。
母に嫌な思いをさせるぐらいなら、生まれてこなければ良かった。
私が、生まれる前に、ちゃんと頑張らなかったから、不良品になって生まれてしまった。
生まれる前に、もっと頑張れば良かった。
私の中にいる幼い子どもが、「私はやっぱり要らない子」と信じ込んでおり、「良い子じゃなければ、母に嫌われる」と恐怖しているとばかり思っていたのですが。
その根底に「生まれてこなければ良かった」という、深い悲しみがあったことに、初めて気づきました。
私自身の謎が解き明かされ、自己探究オタクの私は、ホクホクしました。
ネガティブな感情を抱くのは
同僚が優秀で、引け目を感じてしまうというのは、どの職場でも起こり得る出来事です。
ですが、自信をなくす、落ち込みを引きずる、相手をねたましく思うなど、ネガティブな感情が強めに出るとき。
過去の体験が影響しています。
ツライ思いをした、幼いころの体験です。
相手に強く引け目を感じてしまう私の場合、母が私と弟との間で、対応の格差を作っていました。
私ほどではなくても、自分以外の兄弟姉妹のほうが可愛がられていたと感じている人もいるかもね。
幼いころの体験によって生じた強い感情が解消されていないと。
現実で体験している状況に、過去の自分、つまり、幼いころの自分が反応して、ネガティブな感情が強く出てしまうのです。
相手に対してネガティブな感情がわき出てきたときには。
過去に同じような体験がなかったか、静かに思い出してみましょう。
そして、幼いころの自分が、どんな思いを抱いていたか、ゆっくり感じてみるのです。
私自身、新しく採用されたスタッフに引け目を感じ、元気がなくなった根底に。
- 母が、弟だけを褒め、私のことは罵倒し続けていた、幼いころの体験。
- どうしようもない悲しみ。
- 「生まれてこなければ良かった」という信じ込み。
そんなものがあることに気づきました。
幼いころの体験、幼い自分が思っていたこと、感じていたことが分かってきたら。
ネガティブな感情を抱いている自分にとって、必要な対応をしていきましょう。
自分にとって必要な対応を行っていく
ネガティブな感情を抱いている自分にとって、必要な対応とは。
心の中にいる傷ついた子どもに、優しい言葉をかけてあげること。
現実の出来事に対して強めの反応が出てしまうのは、幼いころ、つらい体験をしたときのやるせない思いに、十分に寄り添ってもらえなかったからなのです。
私なんぞは、寄り添ってもらえないどころか、誰にも言えず、一人でガマンせざるを得ない環境で育っています。
まあ、状況によっては、感情を表に出すことが、命取りなることもありますからね。
誰にも寄り添ってもらえなかった強い感情は、行き場を失い、解消されないまま、残ってしまいます。
そして、心の中にいる傷ついた子どもと一緒に、強い感情は、何十年も存在し続けてしまうのです。
なので、心の中にいる傷ついた子どもが動揺しているときは、優しい言葉をかけ、気持ちに共感してあげましょう。
たとえ、大人になった自分からの声かけであっても、傷ついた子どもは、誰かに共感してもらえると、安心します。
安心すると、行き場を失っていた感情は、解消されて静かになり、握りしめていた信じ込みも緩んでいくんですよ。
私の場合、心の中にいる傷ついた子どもに、こんな声かけをしてみました
ママに嫌なことを言われると、生まれてこなければ良かったと思うぐらい、つらくなるんだね。
ママのことが大好きなんだね。
だから、生まれる前に頑張らなかった自分が悪いって、思っているんだね。
そう思っても、もう、取り返しがつかないから、悲しくなるよね。
私の心の中にいる傷ついた子どもは、自分の気持ちを分かってもらったと感じたようで、静かになっていきました。
相手に対してネガティブな感情を強く抱いてしまうことの根底には、以下のものがひそんでいます。
①幼いころにつらい思いをした体験
②行き場を失った強い感情
③自分を傷つけるような自分自身の信じ込み
1つ1つに気づいていき、必要な対応をしていくと、心が晴れていきますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※「生まれてこなければ良かった」という思いに、別のアプローチをしたことについては、こちら。