職場いじめに気づいたら最初にすべきこと

2026年6月20日

親から厳しく育てられた人や、自分を責めるクセがある人は、職場で不当な扱いを受けても、「相手がおかしい」より先に、「自分に原因があるのではないか」と考えがちです。

そのため、問題に気づくのが遅れたり、必要以上に我慢してしまったりします。

私自身もそうでした。

 

この記事を読んでいるあなたは、今どんな状況にいますか?  

 

私は、ある職場で、「いじめ」のターゲットになったことがあります。

なかなかにハードで、もう二度と味わいたくない体験でしたが、そこから学んだことがありました。

今回は、私が職場で「いじめ」に気づいたとき、最初に行ったことや心構えについて、お伝えします。    

 

「いじめ」の状況を把握する

 

 

私は、小さい頃から母に叱られ続けたため、「自分はダメな人間だ」という自責が強く、それに加えて、人とはちょっと違う特性(発達凸凹)も持っていました。

いずれも、「いじめ」のターゲットになりやすい特徴だと言われています。

 

ですが、たまたま、小中高・大学時代、民間企業で働いていた時期も、「いじめ」のターゲットになることはありませんでした。

ところが、心理カウンセリング業界で働くようになったとき、生まれて初めて、「いじめ」のターゲットになったのです!  

 

もし、職場で「いじめ」のターゲットになった場合、あなたならどうしますか?  

 

自分を責めるクセが判断を遅らせた

私の場合、入職してから数ヶ月が経った頃、「もしかしたら、これは、いじめ?」と感じるような出来事が起こり始めました。

ですが、「私の仕事ぶりが悪いから、周りの人たちがあきれているだけ」と思い、仕事を頑張って周りから認めてもらおうと奮起するばかりでした。

今から振り返ると、「私が悪い」と自分を責めてしまうクセが、判断を遅らせていたのです。

 

それに、発達凸凹があるため、入職して数ヶ月程度では、新しい環境になじめず、ぎくしゃくした態度を取っている自分にも気づいていました。

そのため、私が頑張れば、何とかなると思ってしまったのです。

 

しかし、その後の数ヶ月間、我慢を重ねるうちに、どんどん状況が悪くなっていきました。

自分を責めてしまいがちな私でも、「いじめられている」と感じるほどに。

 

もし、早めに動いていたら、苦しい期間は短くなっていたかもしれません。

ですが、自分を責めるクセが身についていた私には、早期発見・早期解決は至難の業。

そこで、遅ればせながら、「いじめ」の状況を客観的に把握してみることにしたのです。

 

「いじめ」の状況を把握する

私が勤務していたのは、心理カウンセリング業務に携わる、とある相談機関。

心理カウンセラーである職員が、20人ほど所属しているところでした。

 

「いじめられている」と思うようになってから、半年ほどの間、職場いじめの状況を観察した結果、以下のようなパターンがあることが分かってきたのです。

 

「いじめ」の程度

  • 会議の場で、私だけ、特定の人たちから、しんらつなダメ出しをされる。
  • 一緒に仕事をすると、特定の人たちから、いかに仕事ができていないかを、指摘され続ける。
  • 特定の人たちから、私の欠点を大声で言われ、それを聞いた周りの人が笑う。
  • 複数名で、私のほうをチラチラ見ながら、ひそひそ話をしては、クスクス笑う。
  • 私のデスク横の壁に、私への誹謗中傷を書いた紙をはられる。

 

1つ1つは、小さなことですが、毎日、そして、毎回だと、さすがにこたえます。  

 

「いじめ」に関わる人間

  • 首謀者:「いじめ」を先導するのは、2人。
  • 私より先に入職した人たちは、「いじめ」を先導する2人を、先輩として立てている。
  • 首謀者の2人は、職場の責任者(直属の上司)やベテランの職員と仲が良い。
  • 観衆:「いじめ」を先導する2人と親しい人たちは、一緒に「いじめ」に加わる。
  • 傍観者:それ以外の人たちは、「いじめ」を見て見ぬふりをする。
  • 私と同時期に入職した2人と、首謀者と仲の悪い人だけは、「いじめ」に関わっていない。

 

20人ほどいる職員のうち、「いじめ」に関わる人間が、「首謀者」「観衆」「傍観者」に分かれていました。

そして、「首謀者」が、職場内で力をもっていることも、浮き彫りになっていきます。

一方、ごく少数ではあっても、「いじめ」に関わりのない人もいました。  

 

「いじめ」を他者に確認してみる

「いじめ」の状況を客観的に把握していくうちに、私の中にある「じっくり考える力」が活性化していきました。

そして、「私の仕事ぶりが悪いとしても、発達凸凹があるにしても、周囲の関わりは度が過ぎている」と思うようになっていったのです。

 

私の認識が間違っているのか、確認してみたい。  

 

そう思った私は、「いじめ」には関わっていないと思われた同期の2人に、話をしてみようと考えました。

とはいえ、「あなたの考えすぎじゃない」と言われて、おしまいだったら、どうしよう。

「いじめ」を受けているだけでもツライのに、誰にも分かってもらえない状況が加わったら、ツラすぎる。  

 

不安でいっぱいだったのですが、同期の2人なら話せる気がしました。

今振り返ると、そのとき働いていたのは、私の「じっくり考える力」だったのだと思います。

 

2人とも、私が受けていた被害のすべては、知らなかったそうです。

しかし、「いじめ」を先導する2人(首謀者)の言動には、疑問を感じており、「職場の雰囲気が悪い」と思っていたとのこと。

私の話を聞いて、「あの人たちなら、やりかねない」と言ってくれたのです。

 

2人が私に同意し、味方になってくれたことで、「私の認識が大きくずれている訳ではない」と安心しました。

 

職場に味方がいなかったら

私の場合は、同期の2人がいたため、自分らしく頑張るための足がかりができました。

けれど、誰も味方になってくれない職場だったら……。

そう考えるだけで、ゾッとします。  

 

もし、職場内に味方がいなかったとしたら、「いじめの記録」をつけることをオススメします。

 

「いじめの記録」には、

  • いつ(日時)
  • どこで(場所)
  • だれに(加害者)
  • 何をされたか(加害者の行動)
  • 周りで見ていた人がいたか(傍観者の有無)

など、詳細に記載していくと良いでしょう。  

 

心理カウンセラーとして「いじめ」の相談を受ける際は、「いじめの記録」を取ることを勧めることがあります。

相談者は「いじめの記録」を取るうちに、感情に飲み込まれそうな状態が落ち着いていき、混乱した頭が少しずつ整理されていく様子が見られました。

事実を書き出すことは助けになるのです。

 

記録を重ねていくと、「いじめ」の傾向やパターンが見えてくる。

書くことで、自分に起きていることを客観的に見れるようになる。  

 

また、書き記した記録は、場合によっては、裁判を起こす際の「証拠」になります。

いずれにしても、「いじめ」の状況を客観的に把握していくことが、「いじめ」に対処する最初の一手です。

 

「いじめ」の解決に向けて:他力か自力か

 

 

「いじめ」の解決に向けて、「他者の力を借りる」「自力で頑張る」というアプローチがあります。

どちらのアプローチをとるか、自分の考えを定めていきます。  

 

「他者の力を借りる」場合に、頼りになりそうなところは――。

①職場内のサポート:職場の上司、職場のハラスメント相談窓口など。

②職場外の専門機関:警察、労働局、弁護士、相談機関など。

③医療機関:心身の不調が「いじめ」によるものだという、診断書を書いてもらう。  

 

解決に向けて動いていく際、私の場合は、「じっくり考える力」「遂行する力」が働きます。

同期2人が味方になってくれたことで安心し、自分の力を発揮しやすくなったのです。

 

まず、私への誹謗中傷が書かれた用紙を持参し、職場の直属の上司に相談しました。

すると、「それは、つらかったね」と、共感してくれたものの。

「やった人たちも、悪い人じゃない。良いところを見てあげて」と言われて……。

「いじめ」を先導する2人と直属の上司は、とても親しい関係にあり、ここからの解決は望めない、と判断しました。  

 

「いじめ」などに関するハラスメント相談窓口は、勤めている職場には、ありませんでした。

また、私の被害の状況から見て、外部の専門機関に相談しても、対応してもらえないレベル。

心身に大きな不調が出ている訳でもないので、医療機関を受診しても診断書は出ないだろう。  

 

そう判断した私は、「自力で頑張る」というアプローチをとることに決めました。

 

ですが、被害の状況がはなはだしい場合心身に不調が出ている場合は、職場外の専門機関へ相談することを検討してください。  

 

自力で頑張るための心構え

 

 

「自力で頑張る」というアプローチをとるにあたって、私は、次のような心構えを定めました。

自分の心を支え、自分らしく力を発揮するために、決めたことです

 

ただ、今になって振り返ると、私が踏ん張れたのは、単に根性があったからではありません。

私の中には、「物事をじっくり考える力」もあれば、「周りに認められたい」と願う部分もありました。

発達凸凹があるとしても、私の中にある様々な部分が、それぞれの力を発揮して、私を守ろうとしていたのだと思います。

 

自力で「いじめ」に対処する心構えについては、私が勝手に決めたことですので、万人に通用するものではありませんが、ひとつの意見としてご参照ください。  

 

「いじめ」から学べることがある

心理カウンセリング業務では、「いじめ」を受けて傷つき、不登校になった子どもたち、うつ病を患う社会人の相談を受けることがあります。

自分自身の「いじめ」体験から、「いじめ」のメカニズム、被害者の心境、対処法を知って、「今後の仕事に役立てる」と決めました。

 

もしかしたら、勝手な意味づけかもしれません。

ですが、自分の行動に「意味」をもたせ、「目的」をもつことは、心の支えとなりました。

 

「いじめ」を先導する人たちより先に職場を辞めない

ほとんど、意地に近いのですが、「いじめ」がなくなるまで、「ねばり強く頑張ろう」という誓い。

「いじめ」を先導する人たちより先に、職場を辞めない、と誓ったことも、心の支えとなりました。  

 

ただし、「逃げるが勝ち」という場合もあります。

私は、同期の2人が私の味方になってくれたため、安心し、自分の強みを活かせたところがあります。

安心できない状況では、強みを活かしようがありません。 

 

「味方がいない」「心身の不調がひどい」というときは、自分を守るために外部の相談機関(専門家)に相談し、場合によっては、受ける必要のない攻撃から離れる選択をするほうが得策です

 

   

 

私なりに「いじめ」に対処したことについて書いてきました。

とはいえ、正直なところ、被害者が一人で頑張ることは、筋違いだと思います。

 

本来であれば、「いじめ」の加害者こそが、心理プログラムを受け、更生することが必要です。  

ですが、残念なことに、今の日本の社会は、そこまで成熟していません。

 

それに、職場いじめで傷つくと、多くの人は「なぜ自分ばかり」「自分に原因があるのでは」と考え始めます。

しかし、「いじめ」の被害にあうのは、実際には、あなたの性格が悪いからでも、能力が低いからでも、発達凸凹のせいでもありません。

 

それに、職場いじめで苦しくなるのは、今起きている出来事だけが原因ではありません。

過去に傷ついた経験や、自分を責めるクセが刺激されることで、苦しさが何倍にも大きくなることがあります。

 

だからこそ、「何が起きているのか」を整理することが大切なのです。

体験セッションでは、あなたの心に起きていることを一緒に整理するところから始めていきます。

 

 
 

  ※私なりにいじめに対応し、いじめを回避したことについては、こちら。

 

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