ささいなことで気持ちが沈んでしまうあなたへ|根底にある「切なる願い」に気づくとやわらいでいく
ささいなことなのに、気持ちがどんどん沈んでいく。
何とかしようとするけれど、なかなか前向きな気持ちになれない。
そんな自分にモヤモヤしたことはありませんか。
そうなってしまうのは、あなたが繊細すぎるからでも、大げさだからでもありません。
心の奥底にある「何か」が動いているからなのです。
私自身も、何かあると、すぐに気持ちが沈んでしまうところがありました。
しかも、気持ちが沈むと、まるでネガティブの沼に沈んでいくように、どんどん落ち込んでしまうのです。
ですが、何が起きているかを探ってみたところ、自分を責め、落ち込みを深めるというメカニズムに気づき、その対処法が見えてきました。
今回は、気持ちが沈みがちだった私が、自己探究の過程で見つけた、ネガティブな気持ちをやわらげる方法についてお伝えします。
ささいなことでネガティブな気持ちになる
ほんのささいなことなのに、気持ちが沈み、苦しくなってしまう。
あなたにも思い当たる節はありませんか。
私には、馴染みのパターンです。
先日も、私の発言が、相手を怒らせてしまうことがありました。
とはいえ、相手は、ちょっと表情をくもらせただけ。
私を責めるような言動は一切ありませんでした。
でも、私は「私が言ったことで、相手を不快にさせた」という考えが頭の中をめぐり、一気に落ち込みました。
すぐさま謝罪し、相手にそれ以上の不快な思いをさせないために、その場は笑顔でとりつくろいましたが――。
家に帰る道すがら、どんどん気持ちがふさいでいきます。
ですが、私の一部が、ちょっと違ったことを考えていることに気づきました。
うまくいかないときこそ、自分を知る最大のチャンス!
そんな自分自身の声に励まされ、自分に起きていることを探ってみることにしたのです。
ネガティブな気持ちが生じるメカニズム
落ち着ける場所で、静かな時間をもち――、
ささいなことで気持ちが沈むときに何が起きているのか、確かめてみることにしました。
まず、相手の表情がくもった場面を思い出してみると、悲しい気持ちがじわっとにじんできました。
その悲しみをじっと感じていると、私の内側から、こんな声が聞こえてきます。
相手を傷つけてしまったのが、悲しい。
これは、私の心の中にいる、傷つきやすい「内なる子ども(きいちゃん)」の声。
すると、「きいちゃん」を鼓舞するように、私の内側から厳しい声が飛んできます。
配慮がないから、相手を傷つけるんだ。
使う言葉に細心の注意を払えないなんて、バカがすること。
これは、私の心の中にいる存在(パーツ)、「なおなお」の声。
「なおなお」は、悲しんでいる「きいちゃん」を何とか立て直そうとして、一喝しているのです。
ところが、厳しい言葉で一喝された「きいちゃん」は、くよくよと弱音をはきます。
やっぱり、私はダメな子なんだ。
何をやっても、うまくいかない。
「なおなお」の一喝は功を奏さず、「きいちゃん」は自己否定の沼に沈み、どんどん気がふさいでいくのです。
これが、私が苦しくなるパターンだ。
私のパーツが、良かれと思ってしていることが、最終的に自分で自分の首を絞めることになっている。
そのことを改めて認識しました。
※私が自分の心の内面をキャラクター化して自己理解をはかっていることについては、もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。
私と母の関係が影響している
うまくいかないことがあると、嘆き悲しむ「きいちゃん」。
嘆き悲しむ「きいちゃん」を鼓舞しようとして、厳しい言葉で一喝する「なおなお」。
この構図は、私と母の関係に当てはまります。
おかしなことばかりする幼い私を、一喝し、鼓舞することで、ちゃんとした子に育てようとした母。
母は、子どもを叱りつけ、厳しい言葉を投げかけること以外に、子育ての方法を知らなかったとも言えます。
また、母自身、生い立ちの中で、苦しい思いを重ねてきたようです。
そのため、自分に自信がもてず、子どもをちゃんと育てることで、自分が良い母親であることを示し、自信を取り戻そうとしたのかもしれません。
母は、「自分の娘をちゃんとした子に育て上げたい」という切なる願いを抱いていた。
だからからこそ、おかしなことばかりする幼い私に、腹が立った。
幼い私にも、「ママにほめられるような良い子になりたい」という切なる願いがあった。
だからこそ、母に叱られると、悲しくなった。
「切なる願い」があるからこそ、願いがかなわなかったときに、ネガティブな気持ちが生まれる。
だったら、その「切なる願い」に焦点をあてれば、ネガティブな気持ちがやわらぐのではないか。
そんな考えが浮かんだので、さらなる自己探究を試みることにしました。
ネガティブな気持ちを生み出す「切なる願い」―その見つけ方と対処法
「切なる願い」を見つけ出すポイント
ネガティブな気持ちを生み出す「切なる願い」が明らかになれば、対処法が見えてくるはず。
私は、そもそも、どのような「切なる願い」をもっているのか。
そう思った私は、ネガティブな気持ちになっているとき、私の心の中にある「内なる子ども」に注目してみることにしました。
ネガティブな気持ちは、「インナーチャイルド」とも言われる、この「内なる子ども」から生じているからです。
まず、相手を怒らせたことで悲しんでいる「きいちゃん(私の中の内なる子ども)」の思いをピックアップしてみました。
大切な人から嫌われたくない。
大切な人には不快な思いをさせたくない。
次は、その思いを「切なる願い」に変換していきます。
ポイントは、「内なる子ども」が抱いている思いを「裏返しにすること」。
大切な人から嫌われたくない。
⇒ 大切な人から好かれたい。
大切な人に不快な思いをさせたくない。
⇒ 大切な人には笑顔でいてほしい 。
「きいちゃん」の「切なる願い」が明らかになりました。
ネガティブな気持ちへの対処法
「内なる子ども」の「切なる願い」がかなわなかったときに、ネガティブな気持ちが生まれる。
そのことをなぞるような優しい声かけをしていけば、「内なる子ども」は「分かってもらえた」と安心し、気持ちがやわらぐはず。
そう考えた私。
「きいちゃん」の「切なる願い」、そして、「ネガティブな気持ち」に触れながら、優しく声をかけていきます。
「きいちゃん」の姿をイメージし、大人の私が声をかけていく感じです。
大切な人から好かれたいと願っているんだね(切なる願い)。
それなのに、嫌われたかもって思うから、怖くなるよね(ネガティブな気持ち)。
それに、大切な人には笑顔でいてほしいと願っているんだね(切なる願い)。
それなのに、怒らせたって思うから、悲しくなるよね(ネガティブな気持ち)。
そんな風に声をかけていくと――。
「きいちゃん」の悲しみが、スーッとほどけていきます。
すると、「なおなお」も安心するのか、憤りもやわらいでいくのです。
ネガティブな気持ちを生み出すのは、「内なる子ども」の「切なる願い」。
「切なる願い」を明らかにして、優しい言葉をかけていけば、気持ちがやわらぐ。
ネガティブな気持ちへの対処法が見えてきました。
ですが、トラウマ体験がある人は、もうひと手間、必要となります。
ただし、その「もうひと手間」を自分だけで行うのは、簡単ではないことがあるのです。
トラウマの根が深い場合、専門家と一緒に取り組むことで、初めて見えてくるものもあります。
トラウマ体験から生じた「切なる願い」に触れていく
根本的な「切なる願い」を明らかにする
私が「私は要らない人間だ」と信じ込んでいるように、自分をかなり否定的にとらえている場合。
そこには、親など大切な人との間で、トラウマを体験している可能性があります。
ネガティブな気持ちに対処するには、「もうひと手間」が必要です。
つまり、「内なる子ども」が抱いている、根本的な「切なる願い」を明らかにする必要があります。
しかし、無理やり探らなくても大丈夫。
「内なる子ども」に優しい言葉をかけ、寄り添っていくと――、
まるで本音をポツリとこぼすように、根底にある「切なる願い」が出てくるのです。
私の場合も、私の内なる子ども「きいちゃん」に寄り添っていくと、本音がこぼれてきました。
ママに大好きって言われたい。
一緒にいるときは、ママに笑顔でいてほしい。
もし、根底にある「切なる願い」がすぐに出てこなくても、心配することはありません。
ネガティブな気持ちをたどって見つけた「切なる願い」の主語を、自分にとって一番かけがえのない人に替えてみるという方法があります。
たとえば、私の場合。
「大切な人」から好かれたい。
⇒ 「ママ」から好かれたい。
根底にある「切なる願い」を見つけたら、静かに唱えてみて、心に響くようなら、それで合っています。
内なる子どもが「切なる願い」に執着する理由
根底にある「切なる願い」は、幼いころに「得たくても得られなかった体験」から生じています。
私の母は、様々な事情が重なってのことでしょうが、私に厳しく接していたうえ、いつもつらそうな表情をしていました。
そのため、幼い私は、母に好かれたい、母の笑顔が見たいという「切なる願い」を胸に秘めるようになったのです。
幼いころに「得たくても得られなかった体験(Missing experience)」があるからこそ、内なる子どもは「切なる願い」に執着してしまう。
だから、実生活において、「切なる願い」がかなわない体験をすると、根底から揺さぶられ、ネガティブな気持ちが激しく噴き出す。
「得たくても得られなかった体験」を与える
ネガティブな気持ちが出てきた際に、自分に優しい言葉をかけても、すぐに同じようなことをくり返してしまう場合。
根底にある「切なる願い」に寄り添う必要があります。
方法は、ネガティブな気持ちが出てきたときと同じです。
内なる子どもの本音、根底にある「切なる願い」が見えてきたら、それを使って、内なる子どもに声をかけていきます。
たとえば、私の場合。
ママに大好きって言われたいんだね。
一緒にいるときは、ママに笑顔でいてほしいんだね。
ママのことが大好きなんだね。
そんな風に、内なる子どもに、心の中で声をかけていくと――。
ネガティブな気持ちは、さらにほどけていき、穏やかになりました。
「切なる願い」がかなわなくても、「切なる願い」があると分かってもらえるだけで、内なる子どもが安心するのです。
※「癒しは自分で自分に与えるもの」という考え方について、もっと詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
一人で頑張らなくても大丈夫
ささいなことで気持ちが沈み、なかなか立ち直れない。
そんな自分に、もどかしさを感じることもあるはずです。
根底にある「切なる願い」に気づくことで、気持ちがやわらぐこともあります。
ですが、トラウマの根が深い場合、その「願い」を自分だけで見つけ出すのは、簡単なことではありません。
心の中の様々なパーツが、「内なる子ども」をガードして、そばに近寄らせてもらえないからです。
まずは、話してみるだけで構いません。
長い間、一人で抱えてきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
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