誰にも癒してもらえないと感じる自己否定が強いあなたへ|癒しは自分で自分に与えるもの

2026年8月8日

「誰かに癒してほしい」

そう願いながら、どれだけ優しい言葉をかけてもらっても、心の奥が満たされない。

そんな感覚を抱いたことはありませんか。

 

そう感じてしまうのは、あなたの受け止め方がおかしいからではありません。

本当の意味で「癒される」という体験を、まだ、知らないだけなのです。

 

母から否定的な言葉をかけられて育ち、強い自己否定を抱えて生きてきた私。

そんな私でも、「自分は要らない人間だ」という信じ込みが緩んでいくと、「癒しは自分で自分に与えるもの」と実感するようになりました。

 

今回は、「癒し」について、私の体験を交えてお伝えします。

 

苦しみもがく日々

 

私は、幼いころから、母に否定的な言葉をかけられて育ちました。

 

失敗すると、なじられる。

母の思い通りにならないと、罵倒される。

何をやっても、弟と比べられ、母の気が済むまで、ダメ出しされる。

 

中学生の終わりごろには、「私はダメ人間。この世に要らない存在」と感じるようになっていました。

 

大学合格を機に一人暮らしを始めたので、「もうこれで、母から否定されなくて済む」と思ったのですが――。

今度は、私が、自分自身に否定的な言葉を投げかけるようになったのです。

 

社会人になると、自分を責める内なる声が、恐ろしいほどに大きくなっていきました。

いやはや、ツラいの、なんの。

 

うまくいかないことがあると、「無能な人間は、何をやってもダメ!」

人と関わると、「お前みたいなダメ人間は、人からことごとく嫌われる!」

 

自分自身からは、どうあがいても、逃れることができません。

剣で切り裂かれるような言葉に、心がズタズタに傷ついていきます。

地獄の業火で焼かれるような苦しみの中で、もがくことしかできないのです。

 

この苦しい状況から逃れたい。

心穏やかで健やかな日々を味わってみたい。

 

そう思って、大学に入り直し、心理学を基礎から学びました。

知識を得たうえで、様々な心理療法を実際に体験していきます。

少しずつ気持ちが楽になっていったものの――。

 

「心穏やかで健やかな日々」は、なかなか訪れませんでした。

 

※何かあるたびに自分を責めてしまう根本原因について、もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

「ハコミセラピー」との出合い

 

「心穏やかで健やかな日々」を、こんなにも切望しているのに、得られない!

 

何ともやりきれない思いをしている時に出会ったのが、「ハコミセラピー」

2015年の夏でした。

 

「ハコミセラピー」は、身体に働きかける心理療法です。

「ハコミセラピー」では、今ここの自分に起きていることに意識を向けるという「マインドフルネス」の状態を活用しています。

 

「マインドフルネス」の状態を続けていると、あれこれ考える意識(顕在意識)がトーンダウン。

普段の生活では表に出てこない「無意識の中にあるもの」が、自然と浮上してくる。

 

最終的には、心の内側にいる幼い子ども(インナーチャイルドとも呼ばれる)が、姿を現します。

私の場合、母との関係で傷つき、「ママに嫌われたら生きていけない」「やっぱり私は要らない子」と信じ込んでいる子どもです。

この幼いころに形作られた考え方のパターンを「ビリーフ」と言います。

 

「ハコミセラピー」の個人セッションでは、インナーチャイルドに「(その子が)必要としているもの」を与えていきます。

実は、「ビリーフ」を作ったのは幼い子どもなので、「自分に必要なもの」で満たされると、その子が満足して緩み、「ビリーフ」も緩んでいくのです。

 

私の心の内側にいる幼い子どもも、「自分に必要なもの」を得るというプロセスを重ねるうちに――、

「自分は要らない人間だ」というビリーフが緩んでいきました。

 

「自分に必要なもの」が移り変わっていく

 

現在まで、「ハコミセラピー」を10年ほど学び、たくさんの個人セッションを受けてきました。

改めて振り返ると、「自分に必要なもの」が移り変わっているのです。

 

大きく分けると、以下の3つの時期に分けることができます。

 

ひたすらに滋養をもらう時期

対人恐怖や自己否定が強かった時期。

私の中の幼い子ども(なおちゃん)は、セラピストから優しく接してもらうのが常でした。

  • 「そのままのあなたでいいんだよ」と、言ってもらう。
  • 膝枕をしてもらい、「なおちゃんは、ママの宝物よ」と言って、頭をなでてもらう。
  • 「そのままのなおちゃんが、大好きよ」と、言葉をかけてもらう。

 

「ハコミセラピー」には、「ナリッシュメント(子ども時代に満たされなかった体験を与える)」という方法があり、それにあたります。

この時期、私の中の幼い子どもにとって必要なものは、他者からの優しい思いやり、つまり、心の滋養でした。

他の人から与えてもらった滋養によって、心が緩み、ほっこりする感じを、じっくり味わったのです。

 

母の実像に気づき、母の愛に気づく時期

そのうち、ハコミセラピーの個人セッションで、滋養となる言葉をかけてもらっても――。

「本当のママがしてくれないと、イヤ!」と、私の中の幼い子どもが、駄々をこねるようになりました。

 

「本当のママ」とは、私が3~4歳のころの母。

「そんなの無理でしょ!」と理性は考えます。

でも、私の中の幼い子どもは、納得してくれないのです。

 

すると、ハコミセラピーの個人セッションで、様々なイメージが展開し、母の実像に気づかされることになりました。

  • 真っ暗な海の中で、なおちゃんは、母が迎えに来るのをずっと待っているが、母は来ない。
  • 母が、狂気じみた怖れにつきまとわれ、妖怪のような風貌で、呪いの言葉を吐き散らしている。
  • 母なりに、なおちゃんを愛していたが、母には相手を思いやるゆとりがないため、母の愛は、なおちゃんには爆撃としか感じられなかった。

 

この時期、私にとって必要なものは、母の実像に気づくこと。

イメージの中で、母の真の姿を目の当たりにして、やるせないほどの悲しみを味わいました。

 

ですが、悲しみを感じきった後に、不器用な母の愛情が感じられるようになり、感謝の思いが生じてきたのです。

そうした体験を重ねるうちに、母に対する過剰な期待が徐々になくなっていきました。

 

自分で自分の世話をする時期

ここ数年は、日常生活の中で、私が私の中にいる幼い子どもなどに、優しい言葉をかけることができるようになっています。

  • 思い通りにいかなくて気落ちしているなおちゃんに、「うまくいかなくて、悲しいね」と声をかけ、慰める。
  • なおちゃんに、「本当によくやっているよ」「あなたのお陰で何とかなっているよ」と声をかけ、ねぎらう。
  • 自分の心の内側にいる存在(パーツ)たちの働きに対して、「ありがとう」と感謝を伝える。

 

これまで、ハコミセラピーのセラピストから与えてもらった滋養によって、私の心が育っていき、自分で自分の世話ができるようになったとも言えます。

 

そのせいか、ここ最近、ハコミセラピーの個人セッションを行うと、「あなたなら大丈夫。何とかなる」など、私自身を励ましてもらう言葉がピッタリ!

日常生活で思い通りにいかないことがあって、ちょっとしょんぼりしているところに、エネルギーを補充してもらうような感じです。

 

自分で自分を受け入れ、自分の世話ができるようになって、ようやく自分を責めることが減ってきました。

自責の念がわいてきても、客観的に眺めながら対処し、ツライ思いを早めに断ち切ることができています。

ここにきてようやく、「心穏やかで健やかな日々」を感じることが増えてきたのです。

 

ただし、こうした変化のプロセスや期間は、人によって大きく異なります。

どの段階にいるのか、そして、今の自分に何が必要なのかを、自分だけで見極めるのは、簡単なことではないかもしれません。

 

「癒し」は自分で自分に与えるもの

 

自己否定の強い私が、「心穏やかで健やかな日々」を過ごせるようになって気づいたのは、

「癒し」は、人から与えられるものではない

ということ。

 

多くの場合、カウンセリングやセラピーなどで、肯定してもらうこと、優しい言葉をかけてもらうことを、「癒し」ととらえてしまいがちです。

でも、それは違います。

 

人から受け入れてもらい、優しく接してもらうことで、自分を肯定する部分に、栄養を与えてもらっているだけ。

 

その栄養は、他者(カウンセラーやセラピスト)が必要だと考える栄養ではありません。

私たち(クライエント)が必要だと感じる栄養です。

 

栄養を与えてもらうと、自分を肯定する部分が育っていき、現実に向き合うことができます。

 

厳しい現実に向き合い、それを受け入れることができるまで、自分を肯定する部分が育っていくと――。

最終的に、自分自身を受け入れ、自分で自分の世話をすることができるようになります。

 

つまり、自分自身を受け入れ、自分自身の世話をする行為が、「癒し」なのです。

 

自己否定の強い人は、周りの人が何をしようと、何を言おうと、それだけで癒されることはありません。

逆に、「癒し」を与えてくれると感じる人に依存し、その人なしでは生きていけなくなる可能性もあります。

本当の「癒し」は、心の滋養を十分に受け取って成長した自分が、自分自身を受け入れる準備が整ってから始まるのです。

 

だれも他者を癒すことはできません。

―ロン・クルツ(著)、高尾威廣・岡健治・高野雅司(訳)(1996)「ハコミセラピー ‐カウンセリングの基礎から上級まで‐」星和書房より引用

「ハコミセラピー」の創始者、ロン・クルツさんの著書に書かれている言葉です。

 

今の私は、その言葉に「その通り!」と賛同するばかり。

自分を癒すことができるのは、自分自身だと痛感しているからです。

 

一人で頑張らなくても大丈夫

「癒し」を求めて、色々な言葉をかけてもらっても、なぜか満たされない。

そんなもどかしさを感じることもあるはずです。

 

私のように自己否定が激しいタイプは、自分自身を受け入れるほどに心が成長するまで、結構な時間がかかります。

焦らず、ゆっくりで大丈夫です。

自分に必要なものを見つけていくプロセスは、一人で抱え込まなくてもいいのです。

 

まずは、話してみるだけで構いません。

長い間、一人で抱えてきた。

それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。

「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。

 

私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、あなたが今、本当に必要としているものに、一緒に耳を傾けていきます。

 

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「もう少し読んでから考えたい」という方は、こちらもご覧ください。

 

※「ハコミセラピー」について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

※「ビリーフは変えなくていい、緩めるだけでいい」という考え方について、もっと詳しく知りたい方へ。

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