ツライ思いを溶かす「ハコミセラピー」の魅力 ノンバイオレンス
カウンセリングやセラピーを受けたのに、かえって傷ついた。
良くなるために必要なのかもしれないけど、嫌な感じがする。
そんな経験をしたことはありませんか。
嫌な思いをするのは、あなたの受けとめ方が過敏すぎるからではありません。
心理療法(カウンセリング、セラピー)の世界にも、気づかれにくい形の「暴力」があるのです。
私自身、生きづらさを何とかしたくて、心理療法を受けた際に、傷つく体験を重ねてきました。
ですが、その後、「ハコミセラピー」に出合って「ノンバイオレンス(非暴力)」を知り、目からウロコが落ちるような感じがしたのです。
今回は、苦しい思いを抱えて、もがいていた私を救ってくれた、「ハコミセラピー」の魅力についてお伝えします。
心理療法で嫌な思いをするのは
嫌な思いをするのは私のせい?
心理療法の世界にも「バイオレンス(暴力)」がある。
そんな風に言われたら、ビックリするのではないでしょうか。
一般社会だったら、様々な名称のハラスメントがあり、「バイオレンス」が横行していると分かるけれど――。
悩みがある人が訪れる場所で「バイオレンス」だなんて、あり得ないって、思いますよね。
実は、自己探究オタクの私。
生きづらさを何とかしたくて、様々な心理療法にチャレンジしてきたのですが、その中で何とも言えない体験をしています。
- 心理療法を受けて2年が経ったころ、「あなたは病理が深い」と打ち切られる。
- カウンセラーの提案がピンとこず、モヤモヤが残る。
- カウンセラーの提案を実践したら、具合が悪くなった。
- カウンセラーから、はれものにさわるような扱いを受け、悲しくなる。
- カウンセラーが何の意見も言ってくれず、手ごたえがなくてガッカリする。
私の場合、傷つく体験をしても、「私がダメな人間だから、こうなってしまった」と自分を責めて、おしまい。
「バイオレンス」について考えたことなど、ありませんでした。
心理療法の世界にもある「バイオレンス」
自己探究オタクの私は、悪戦苦闘、試行錯誤の末に、「ハコミセラピー」に出合います。
そこで、「ノンバイオレンス※」についての説明を受けたときに、衝撃を受けました。
私が心理療法で体験してきたことは、「バイオレンス」だったかもしれないと気づいたからです。
※「ノンバイオレンス」とは、「非暴力」、つまり、「人の心を脅かさない」ということ。
クライエント(相談者)のために、良かれと思ってしていることだとしても――。
カウンセラーの提案や態度に、クライエントが苦しさを感じるなら、それは「バイオレンス」。
カウンセラーから何もしてもらえないと、クライエントが感じるなら、それは「放置」という意味で、「バイオレンス」。
つまり、クライエントが心理カウンセラーとの関わりで、ネガティブな感じを受けたのであれば、それは「バイオレンス」だということ。
心理療法が、いかに繊細なものであるかを痛感しました。
暴力や暴言など、分かりやすい形での「バイオレンス」ではないとしても――。
心理療法の世界にも「バイオレンス」があるのです。
「ハコミセラピー」は「ノンバイオレンス」

「ハコミセラピー」とは
いったい「ハコミセラピー」って何?
そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「ハコミセラピー」は、1980年前後、アメリカのセラピストである「ロン・クルツ博士」が作り出した心理療法です。
東洋と西洋の英知を統合させたもので、心と身体の両方に働きかけます。
そして、「マインドフルネス(瞑想状態)」を、最初に取り入れた心理療法です。
「ハコミセラピー」には、次のようなものが取り入れられています。
- 仏教
- タオイズム(老荘思想、道教)
- 様々な種類のカウンセリング理論
- ヒプノセラピー(催眠療法)
- ボディワーク(身体への働きかけ)
そして、「ハコミ」という謎の言葉。
これは、アメリカ先住民、ホピ・インディアンの言葉で、「あなたは何者か」という意味です。
新しく作り出したセラピーに、名前をつけたいと考えていた、ロン・クルツ博士。
勉強会をおこなっていたとき、メンバーのひとりが、「ハコミ」という言葉を口にしたのを聞いて――。
「それだ!!」とひらめいたんですって。
「ハコミセラピー」とは――。
自分自身が何者であるかを見いだすセラピー。
このセラピーの本質をズバリと表現している、絶妙なネーミングです。
「ノンバイオレンス」の背景にある「タオイズム」
「ハコミセラピー」の理論的背景の1つにあるのが、「タオイズム(老荘思想。道教)」。
この「タオイズム」が、「ノンバイオレンス」というあり方を支えているのです。
「タオイズム」の考えは、水にたとえると分かりやすくなります。
- 水が、高いところから、低いところへ流れるように、すべての物事は、なるようになっていく。
- 水は、四角形のいれものに入ると四角くなり、円形のいれものにいれると円くなるように、その場、その場で、最適な形になる。
つまり、「全てのものには、なるようになっていく力があるので、あるがままを受け入れ、見守る」という考え方です。
そんな「タオイズム」の考えを取り入れた「ハコミセラピー」には、価値観の押しつけがありません。
人の考えや思いに対して、ジャッジ(判断)をしないのです。
その人にとって、そのときに必要なことが起きているから、あるがままに受け入れていこう。
その人を信じて、その人に寄り添っていけば、その人にとって必要なことが起き、その人の癒しにつながる。
「ハコミセラピー」の底辺には、そんな考えが流れています。
驚いてしまうほど、クライエント中心の考え方。
ですから、相手の考えを無視して、セラピーを進めることはありません。
相手の存在を、とことん尊重しているからこそ、「ノンバイオレンス」が実践できるのです。
「ノンバイオレンス」を作り出す「ラビング・プレゼンス」
「ハコミセラピー」が「ノンバイオレンス」であるのは、「ラビング・プレゼンス」の手法によるところも大きいです。
「ラビング・プレゼンス」は、英語で「Loving Presence」と書きます。
直訳すれば、「存在を愛する」ということ。
目の前にいる相手の存在から、愛を受け取り、味わう。
それが、「ラビング・プレゼンス」です。
「ハコミセラピー」を行う際、心理セラピストは、クライエント(相談者)に対して、「ラビング・プレゼンス」を行います。
クライエントを「問題のある人」と見るのではなく、「愛のある存在。問題を解決する力がある存在」として見るのです。
「ハコミセラピー」の手法のうち、一番大切で、基本となる手法が、「ラビング・プレゼンス」。
参加者同士で、何度も何度も「ラビング・プレゼンス」の実践をおこなってるんですよ。
「ハコミセラピー」が「ノンバイオレンス」を実践できているのは、「ラビング・プレゼンス」という手法を取り入れているから。
相手からの愛を受け取りながら、相手と接していたら、「バイオレンス」が起きるはずがありません。
※「ラビング・プレゼンス」については、もっと詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
「ハコミセラピー」にあふれる「ノンバイオレンス」
「ハコミセラピー」は、いたるところに、「ノンバイオレンス」があふれています。
私が「ノンバイオレンス」だと感じたことを書き出してみました。
「ノンバイオレンス」について説明がなされる

※「日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク」のホームページより引用
私が学んでいる「ハコミセラピー」は、「日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク(JHEN)」が主催するもの。
グループワークをおこなうものとして、2つのコースがあります。
各々のコースに、10人~15人のメンバーが参加し、「ハコミセラピー」の手法を使って、学びを深めていくのです。
- Beingコース(自分らしく在ることを体験する)
- Skillトレーニングコース(技術や技法を学ぶ)
「Beingコース」の初回では、「ノンバイオレンス」について、しっかりと説明がなされます。
- クライエント役の人の意思を尊重する。
- ワークをする時は、相手の希望を尊重し、その都度、確認や同意をとる。
- 相手に対して、決めつけるような発言、批判をしない。
そして、グループに参加する人たちの言動が「バイオレンス」だと感じられた場合の対応についても、話があります。
- 相手から傷つけられたと思うときは、「私は、〇〇と言われて傷ついた」と、アサーティブに話をしてほしい。
- 相手に言いづらい場合は、運営者に相談してほしい。
私はこれまで、心理療法のグループワークに、いくつも参加してきました。
しかし、「ノンバイオレンス」について、これほどまでに丁寧な説明を受けたことがありません。
参加者全員が受容される
私が、実際に「Beingコース」に参加して、「ノンバイオレンス」を実感するようになったのは、自分の感想などをシェアするときでした。
私がシェアをするようになったきっかけは、阿部優美さん(JHENの運営者の1人)から言われた、ひと言。
せっかくだから、自分の感想や体験をシェアするときに、思ったことをみんなの前で伝えてみるといいよ。
ハコミの良さを実感するには、飛び込んで、泳いでみたほうがいいから。
「お金を払ってる分、元を取らなきゃ」と思った私。
シェアの時間には、勇気をふりしぼって、自分の体験をみんなの前で話すように努めました。
- ほかの人には知られたくない、自分自身のネガティブな体験や感情。
- 高野雅司さん、阿部優美さん(JHENの運営者たち)に対する、批判的な意見(文句、苦情)。
すると、本当に、「ノンバイオレンス」で受容される体験を重ねることになったのです。
運営者が受容してくれる
どんなことを話しても、グループをリードする高野雅司さん、阿部優美さん(JHENの運営者たち)は、「話してくれてありがとう」と言います。
私が、二人に対して、批判的な意見を言ったときですら、そうなのです。
しかも、謝ってもらったことすらあります。
「嫌なことを言った記憶はないんだけど、傷つけてしまって、ごめんなさい」って。
別な心理療法の研修会では、参加者からの批判的な意見を受けて、あからさまに腹を立てた運営者を見たことがあります。
ところが、「ハコミセラピー」を運営する二人には、上から目線とか、偉ぶった様子がありません。
これは、私にとって、かなり衝撃的な体験でした。
参加メンバーが受容してくれる
運営者だけではありません。
グループに参加するメンバーも、同じです。
私が、言うこと、やること、なすこと、すべてを――。
「そうなんだね」と、そのままに受け入れてくれます。
他の場所だったら、眉をひそめられるような私の言動を、面白がってくれたり。
しんどくて固まっていたら、何も言わずに、お茶を持ってきてくれたり。
他の心理療法のグループや勉強会において、私は他の参加者から煙たがれることが多く、しんどくても頑張って参加していたのです。
ところが、そのままの私でも受け入れられる体験をして、ひと皮むけるような思いがしました。
他のメンバーも受容されていく
「ハコミセラピー」の場で受容されるのは、私だけではありません。
私以外の参加者の言動も、すべて受け入れられていくのです。
- グループワークの最中に横になり、グーグー寝ていても、OK。
- 「ハコミなんて、意味がない。二度と来ない!」と宣言しながら、次の機会にやってきた参加者が、「よく来たね」と歓迎される。
グループに参加している私も、そのほかのメンバーも、受け入れられていくという体験を経て、私は実感するようになりました。
私は、私のままで、この場にいてもいいんだ。
「ノンバイオレンス」で満たされた空間にいると、私の存在そのものが受け入れられていくのを体感します。
すると、安心して、自分の心を開くことができるようになっていったのです。
セラピストからジャッジされない
私自身、「ハコミセラピー」の個人セッションを受けて、いたく感銘を受けたのが――。
ジャッジされないこと。
「ハコミセラピー」ではない別の心理療法で、「自分が求めるもの」を探っていったときのこと。
私は、私を疎外するような人たちに対して、「皆殺し」という考えが浮かびました。
すると、話を聞いていた心理カウンセラーは、驚いたのでしょうね。
私をはれものにさわるように扱い出したのです。
心理療法では「受容」が大切にされています。
「受容」とは、カウンセラーがクライエントのことを、そのままに受け入れる、ということです。
ですが、カウンセラーも、一人の人間。
自分の価値観に合わない人間を、心の底から受け入れるのは難しいのです。
ところが、「ハコミセラピー」のセラピストは違います。
あくまでも、クライエント・ファースト。
私から出てきたものを、「ハコミセラピー」でジャッジされることはありません。
「ハコミセラピー」の個人セッションで、私が「皆殺し」と言ったら、セラピストは――。
「じゃあ、思いっきり、『皆殺し』を体験してみましょう」ですって。
イメージの中で、思いっきり「皆殺し」を体験して、怒りをはき出したら――。
その裏にある、悲しみや傷つきといった、私の本当の思いがあふれてきたのです。
「ノンバイオレンス」に満たされた環境にいるうちに、私のツライ思いは溶かされていきました。
他の心理療法では、決して手が届かなかった部分も、ほどけていったのです。
「バイオレンス」を感じるときに気をつけたいこと
「ハコミセラピー」でも「バイオレンス」を感じるとき
私が体験したさまざまな心理療法の中でも、ダントツに「ノンバイオレンス」である「ハコミセラピー」。
そんな「ハコミセラピー」でも、「バイオレンス(暴力)」を感じることがあります。
たとえば、
- グループワークに参加している人が、他の参加者が傷つくようなことを言ったり、やったりする。
- 悪気があってしていることではないと分かっても、他の参加者の言動に傷ついてしまう。
- グループワークの運営者の言動に不満を覚える。
実際、私自身、別の参加者の言動に傷つくことがあり、運営者の二人に相談したことがあります。
二人は、私の話に耳を傾けてくれたうえ、でき得る範囲で対応してくれ、とても助かりました。
ただし、気をつけなければいけないことがあります。
「バイオレンス」と感じるか否かは、その人の体験が大きく影響します。
幼いころから傷つけられた体験が多い人ほど、ささいなことで「バイオレンス」を感じてしまうのです。
私が「バイオレンス」を感じた体験から思ったこと
私が、ある参加者の言動にバイオレンスを感じたとき、その人は、厳しい声で相手に意見することをくり返していました。
ですが、ふと、「あの人、私の母に似ている」と思うようになったのです。
私自身、幼いころから、母にののしられて育ってきたという過去があります。
そのため、母と同じような言動をする人を見ると、拒否感や嫌悪感を感じるのです。
私は、運営者の二人に相談したとき、次のように伝えました。
- あの参加者の言動がバイオレンスであるなら、対応してほしい。
- でも、私がバイオレンスを感じるのは、私の生い立ちが影響しているかもしれない。
- その場合、自己探究の材料にしていきたい。
二人は「そう考えるほど、成長したんだね」とほほ笑んでくれ、実際、私自身がより楽に生きるためのきっかけにもなったのです。
相手の言動に「バイオレンス」を感じるときは――。
相手のせいにして、おしまいにするのではなく、自分の過去や生い立ちが反映している可能性も探ってみる。
そこに、成長の材料がある。
ただし、こうした自分自身のパターンに気づき、向き合っていくプロセスは、環境が整っているだけでは十分ではありません。
安心できる関係の中で、専門家と一緒にひも解いていくことで、初めて見えてくるものもあります。
私が、自分自身と向き合えるようになったのも、「ハコミセラピー」の専門家や仲間たちのサポートがあったお陰です。
一人で頑張らなくても大丈夫
心理療法(カウンセリング、セラピー)を受けても、かえって傷ついてしまった経験があるかもしれません。
「もう、誰にも頼りたくない」と感じることもあるはずです。
安心して心を開ける関係の中でこそ、本当の癒しが生まれます。
私自身も、「ノンバイオレンス」な環境に出会えたことで、ようやく心を開けるようになりました。
そして、私自身も、「ノンバイオレンス」を実践できるよう、自己研鑽に励んでいます。
完璧を目指すことはできませんが、私自身の日々の積み重ねが、あなたに届くことを願っています。
まずは、話してみるだけで構いません。
長い間、一人で抱えてきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」でも、ハコミセラピーで学んだ「ノンバイオレンス」「ラビング・プレゼンス」の精神を大切にしながら、あなたに寄り添っていきます。
👇 まずは体験セッションから(初回限定・50分・2,500円)
「もう少し読んでから考えたい」という方は、こちらもご覧ください。
※「マインドフルネス」を用いたハコミセラピーの醍醐味について、もっと詳しく知りたい方へ。
※「癒しは自分で自分に与えるもの」という考え方について、もっと知りたい方へ。
























