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一緒にいるとつらくなる配偶者とほどよく暮らす「3つのお願い」

2025年6月2日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

「自分を生きる」ために、努力を重ねていきます。

その過程で、夫と一緒に居るとつらくなる現状を、何とかせねばと思い立ち。

夫に対して「3つのお願い」を提示することで、夫とほどよく暮らすようになりました。

 

夫と一緒に居るとつらくなる

 

夫と一緒に暮らしていると、正直、つらくなります。

 

たしかに、結婚して10年ほどの間は、経済的に困窮する怖れを感じ続けていました。

夫は、欲しいものがガマンできずに、散財する。

その一方、夫が自分の考えに固執することで、無職、低所得の契約社員といった状態が続く。

 

私は、息子がいるため、泣き暮らしている訳にはいきません。

家事、育児、仕事で身を粉にしながらも、本格的に自己探究を始めることにしました。

私自身が「自分は要らない人間だ」と思い込んでいるために、知らず知らずのうちに、夫のわがままを許しているに違いないと思ったからです。

 

自己探究が進んでいくと、夫に対して、「嫌なことはイヤ!」とハッキリ言えるようになりました。

そして、経済的な問題にもメスを入れることができ、経済的な不安は解消していったのです。

 

「これで、ひと安心」と思ったものの。

夫と一緒に居ると、やっぱりつらくなります。

 

夫に、私を傷つけようという悪意は、全くありません。

頭では分かっているのに、夫の些細な言動が、私の心を削っていくのです。

 

あまりにもつらくて、小学校高学年になった息子に、「夫と別に暮らしたい」とこぼした時のこと。

息子は、ぽつりと答えたのです。

 

お母さんは一人でも大丈夫だけど、お父さんは一人では生きていけないと思う。

 

息子の優しい思いに、ぐっときました。

夫は、頑固で融通がきかないけれど、寂しがり屋。

 

ここは、私が踏ん張らないといけない。

 

息子に迷惑がかからない程度に、夫とほどよく暮らすため対策を探ることにしました。

 

ガマンがならないことを3つに絞る

 

何事にも「傾向と対策」があります。

夫とほどよく暮らすための「対策」を探るべく。

まず、私が夫に抱く不満の「傾向」を見い出すことにしました。

 

夫に対する不満は、無限に出てきます。

とりあえず、一部だけをあげてみても……。

  • 家事や育児に協力してくれない。
  • ずっと一人でしゃべっている。
  • 私の話を聞いてくれない。
  • 趣味や考えを押しつけてくる。
  • 自分のペースを貫く。
  • 声が大きい。
  • 口調が強い。
  • ひたすら自分を正当化する。
  • 面倒なことはすぐ私に頼んでくる。
  • 欲しいものがあると家のお金で買ってほしいと無心してくる。

 

とはいえ、全ての不満を解消するのは、どだい無理な話です。

私だって、「あなたの全てを直してほしい」と言われたら、げんなりして、何もやる気がなくなります。

そこで、夫に対する不満を「3つ」に絞ることにしました。

 

「どうしてもガマンがならず、つらくなってしまうこと」を、じ~っくり、じ~っくりと突き詰めていき。

以下の「3つ」に絞り込みました。

 

①夫から一方通行のおしゃべり:夫が自分のしたい話を長々と続ける。

②夫の意見を押しつける:政治家や著名人などを批判する。戦争や災害について善悪を語る。

③夫の反論:夫に対する苦情や思いを伝えると、夫が激しく反論してくる。

 

ガマンがならないことの背景にあるものを見つける

 

どうしてもガマンがならないことを「3つ」に絞り込んでから。

なぜ、そんなにガマンがならないのか、私自身の「傾向」を探ることにしました。

そして、ガマンがならないことの背景にあるものを見つけることができたのです。

 

母との関係が、夫との関係に影響している。

 

母とのコミュニケーションは、常に一方通行。

母が言いたいことを、母が言いたいタイミングで、一方的に話してきます。

父や父の親族に対する愚痴、近所の人や仕事で関わる人の悪口、母の趣味に関する話。

私が話をすると、「今日は疲れているから」と、母はプイと向こうへ行ってしまう。

 

夫が一方的におしゃべりをしてくると。

母には自分の話を聞いてもらえず、聞くばかりだったころの寂しさがよみがえるのです。

 

母は、自分の考えを私に押しつけるところがありました。

私の好みには合わず、周囲から浮いてしまうような洋服や小物を与える。

母の周囲にいる、ありとあらゆる人たちの「悪いところ」をあげつらい、母の「善悪」の価値観を声高に語る。

私が自分の意見を言うと、母が正しく、私が間違っていると、私を罵倒する。

 

夫が、政治家や著名人の批判を行い、善悪について語ると。

母に自分の価値観を否定され、母の価値観に従わざるを得なかったころの苦しさがよみがえるのです。

 

母は、決して謝らない人でした。

常に、自分が正しいということを主張し、トラブルがあっても、全て相手のせいにする。

母が不快な思いをするのも、全て周囲のせい。

私が失敗するのも、そのせいで母が嫌な思いをするのも、全て私が悪いだと、私を罵倒する。

 

夫が、私の言動にカチンときて、反論してくると。

母が全てを私のせいにして、私を罵倒してきたころの悲しさがよみがえるのです。

 

私が、どうしてもガマンがならない夫の言動は、夫の問題ではありませんでした。

 

夫の言動を通して、過去のつらい思いがよみがえるために、苦しくなってしまうという、私自身の問題だったのです。

 

夫の特性も把握しておく

 

今度は、なぜ、夫が私の嫌がる言動をとってしまうのか。

夫の「傾向」を探ることにしました。

 

そして、「夫が、発達凸凹の特性を持っているからだ」ということに気づきました。

「発達凸凹」とは、発達障害の診断はつかないまでも、発達障害の特性を有していることを言います。

 

夫には、以下のような特性があるのではないかと。

  • 特定のこだわりがあり、臨機応変に対応することが難しい。
  • 相手の気持ちを察することが難しい。
  • 優先順位をつけて物事を考え、話すことが難しい。

 

夫は、私と関わる場合、「自分の気持ちを分かってほしい」という思い(こだわり)がハンパなく強いのです。

そのため、一方的に話しかけてくるし、自分の意見を押しつけてくるし、反論もはなはだしい。

しかも、私の気持ちを察することが苦手なので、コミュニケーションは、常に一方通行になりがち。

 

そのうえ、夫は、優先順位をつけて話をすることが苦手。

話はあちこちにそれ、細かい説明が多く、大筋で何を言いたいのか、伝わってこない。

ひたすらに話が長く、私が途中で「何が言いたい?」と尋ねると、「最後まで聞いていれば分かる」の一点張り。

そして、「家ではリラックスしてるんだから、どう話を展開するかなんて、気を遣いたくないだろう」とのこと。

 

ですが、息子が成長するにつれ、夫の特性が浮き彫りになってきました。

だって、息子とのコミュニケーションで、つらい思いをすることはないんですもの。

 

さて、私がどうしてもガマンならず、つらくなってしまう、夫の「3つ」の言動。

①夫から一方通行のおしゃべり

②夫の意見を押しつける

③夫の反論

 

夫の特性を考えると、「無意識のうちにやってしまっている」としか思えない。

「○○するのは、やめて」と言われても、難しいだろうなあ。

とはいえ、夫の言動が変わらないと、私がつらすぎる。

 

そこで、夫とほどよく暮らすために、具体的な「3つのお願い」を考えました。

 

※発達凸凹(発達障害)のある配偶者と暮らす大変さや工夫については、こちら。


「3つのお願い」の提示と実践

 

「3つのお願い」を提示する前に

「3つのお願い」を提示する前に、夫に私の気持ちを話しました。

 

夫の言動のうち、どうしてもガマンならず、つらくなってしまうことがある。

それは、夫のせいと言うより、私自身、母との関係で傷ついたことが影響している。

夫の言動をきっかけに、母との関わりの中でつらかった思いがよみがえってしまう。

自己探究を通して、私自身の課題を解決していきたい。

でも、すぐに解決することは難しいので、夫にも協力してほしい。

夫が協力してくれると、夫への信頼が高まり、夫への不満がやわらいでいくかもしれない。

 

夫は、根は良い人なので、こころよく協力に応じてくれました。

そして、私から具体的な「3つのお願い」を提示し、実践していったのです。

 

1つめのお願い

私が「話しかけるのをやめてください」と言ったら、話しかけるのをやめてほしい。

これは、夫からの一方通行のおしゃべりに対するお願いです。

 

このお願いを発動するのは、私が夫の話を聞く気になれないとき。

  • 仕事から帰って疲れて果てている。
  • 出かける準備をしている。
  • 集中が必要な作業をしている。

 

夫がベラベラ話しかけてきて、苦しくなってきたときに。

夫の前に手をかざし、「今は話を聞くゆとりがありません。話しかけるのをやめてください」と伝えます。

夫は急に話を引っ込めることが難しいので、「しばらく話しかけないでください」と、事前に予告するという方法を使うことも。

 

何十回とくり返すうちに、手をかざすだけで、夫はハッとして、黙るようになりました。

夫からの一方通行のおしゃべりが、私のタイミングでコントロールできるようになると、安心感が広がります。

ゆとりのあるときには、夫の話を聞くことができるようになってきました。

 

2つめのお願い

私が「その話を聞くとつらくなる」と言ったら、その話題を話すのをやめてほしい。

これは、夫が自分の意見を押しつけてくることに対するお願いです。

 

政治家や著名人の悪口、戦争や犯罪にまつわる善悪などについて、夫が熱く語り出したとき。

夫の前に手をかざして、「その話を聞くと苦しくなる。その話題はやめてほしい」と伝えます。

 

夫は、自分の思いに共感してほしいだけなので、話をとめられると憤慨するし、しょんぼりすることも。

とはいえ、夫は気持ちがたかぶると、声が大きくなり、口調が強くなるので、圧の強かった母の面影が重なり、私は苦しくなります。

何十回と私の思いを説明し、お願いをくり返すうちに、夫の方から、そうした話題を避けるようになってきました。

 

すると、夫に対する私の警戒心が減っていくではありませんか。

ですが、夫は、どうしても、その話題を口にしたいのでしょうね。

私が別の部屋にいるときに、息子に対して声高に持論をくりひろげています。

 

3つめのお願い

私が怒ったり、悲しくなったりしたら、言い訳をせずに、「ごめんね」と言ってほしい。

これは、夫が反論することに対するお願いです。

 

私が夫に苦情や気持ちを伝えたときに、夫が反論を始めたら、このお願いを発動します。

夫は、私に責められたと感じ、自分に悪気はないということを力説しているだけ、ということは、頭では分かっているのですが。

夫は気持ちがたかぶると、声が大きくなり、口調が強くなるので、私を頭ごなしにやりこめようとしているとしか、受け取れないのです。

 

夫にお願いをしても、夫が反論を続けるときは、奥の手のひと言。

 

自分の正しさを大切にしたいのなら、ひたすらに、言い訳を続ければいい。

私との関係を大切にしたいのなら、言い訳は終わりにしてほしい。

どちらを選ぶかは、あなた次第。

 

夫は、泣く泣く、反論を引っ込め、去っていきます。

ですが、夫が反論をやめると、私の怒りや悲しみは、すっと引いていくのです。

そのお陰で、夫とのケンカが激減しています。

 

「3つのお願い」を実践してみて

「3つのお願い」をすることで、夫に、かなりの無理を強いていることは分かっています。

発達凸凹の特性のために、無意識にしていることを、やめるようお願いしている訳ですから。

 

ですが、ガマンならないことをガマンし続けていると、私の心が削れ、夫と暮らすことが困難になります。

ほどよく暮らすためには、妥協策を見い出さなければなりません。

 

私たちの場合、試行錯誤を重ねてはいますが、夫が「3つのお願い」に協力してくれるお陰で、私の中に、夫に対する信頼が生まれてきました。

一緒のお出かけも、以前ほど苦になりません。

夫と一緒にお出かけする際は、「私に協力してくれている、日頃の感謝の気持ちをこめて、話を聞くよ~」と、恩着せがましく言ってますけどね。

夫とは、ほどよく暮らすことができています。

 

 

配偶者に対して、ガマンできないほどの不満がある場合、親との関係が影響しています。

そんなときは、まず、ガマンできないほどの不満を「3つ」にしぼる。

次に、親との関係が、「3つ」の不満に、どのように影響しているかを考える。

最後に、具体的な「3つのお願い」を考え、試行錯誤をくり返しながら、実践する。

私が考え出した、ほどよく暮らすための工夫です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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