心理療法で嫌な体験を思い出したくない|思い出さなくても心がほどけていく方法

2026年10月30日

嫌な体験を思い出したくないから、心理療法は抵抗がある。

過去のことをあれこれ聞かれたら、つらくなってしまう。

そんな風に思うことはありませんか。

 

あなたがそう思うのは、自然なことです。

つらい思いにふれないようにして、日々を送ることは、生きる知恵ではないかと思います。

 

私も、過去のつらい体験を話すことで、苦しい思いをしたことがありました。

そんな私が、「ハコミセラピー ※1 」に出会い、嫌な体験を思い出さなくても、心がほどけていく体験をしたのです。

 

今回は、心理カウンセラーでもある私自身の体験をもとに、「嫌な体験を思い出さなくても、心を癒す方法」についてお伝えします。

 

※1:「ハコミセラピー」とは、マインドフルネスを使って、心と身体の両方に働きかける心理療法です。

 

嫌な体験を思い出したくない理由

 

心理カウンセリングというと――。

過去のトラウマに向き合う。

嫌な体験を思い出して乗り越える。

というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

 

たしかに、つらい体験を思い出し、それを丁寧に解きほぐすことが、癒しや成長につながる場合もあります。

でも、それをおこなうには、負担が大きすぎることがあるのです。

  • 心身ともに疲れているとき
  • 今の生活がすでにいっぱいいっぱいのとき
  • 心の準備ができていないとき

私もこれまでに、いくつもの心理療法を受けてきました。

そんな私ですら、「また、あの感情に触れるのか」と思って、身構えることがあります。

  • 自分の嫌な面を突きつけられ、自分を責めたくなる。
  • 幼いころのやりきれない思いがよみがえって、つらくなる。

そうしたことと向き合うことが、私の心をほぐしていくために大切だと分かっています。

ですが、「もう勘弁してほしい」と思い、苦しくなってしまうことが、何度もありました。

つらい過去に触れたくない。

思い出すだけで、しんどくなる。

 

あなたの心が、自分を守ろうとしているのかもしれません。

思い出さなくても癒される心理療法とは

 

そんな私が出合ったのが、「ハコミセラピー」という心理療法です。

過去にあった嫌なことを、無理に思い出さなくても、心理療法が進むことがあります。

「今この瞬間」に起きていることに気づきながら、自然に心を解きほぐしていくのです。

私がハコミセラピーを学んでいる「日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク(JHEN)」。

 

※「ハコミセラピー」について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

ここでは、自己理解を深めるためのグループワークがおこなわれています。

十数名の参加者が、マインドフルネスを使いながら、自分自身の内側に起きる変化を細やかに実感していくのです。

その中で私が体験した、興味深いワークがあります。

「自分の名前を呼んでもらう」という、とてもシンプルな体験です。

「なおちゃん」と呼ばれたとき、心がほどけていった

 

そのときの私は、仕事の疲れがたまっていて、身も心もヘトヘトでした。

寝転んだまま、幼いころの呼び名である「なおちゃん」と呼んでもらうことにしました。

マインドフルネスの状態になり、優しい声で「なおちゃん」と呼ばれた瞬間――。

胸の奥がふっと温かくなりました。

まるで、生まれたばかりの赤ちゃんに戻ったような感覚。

優しいお母さんに寝かしつけられているような、ふんわりとした安心感に包まれました。

私は、参加メンバーに、「なおちゃん、かわいい」と言いながら、頭をなで、お腹をポンポンとたたいてもらうようリクエストしました。

すると、私の母が新生児の私を可愛がっている光景が浮かんできたのです。

涙が自然とこぼれてきます。

そのとき、「母の愛情は、本当にあったんだ。こんなに分かりやすい形で」と、実感しました。

以前に、ハコミセラピーの個人セッションで知った、母の激しい愛情とは違った質のもの。

母がかつて「ナオミも、小さいころは、本当にかわいかったのよ」と言っていた言葉を、皮肉ではなく、真実として受け取れたような感じでした。

実は、私は、物心がついたころから、出来の良い弟と比較され、母に叱られることがよくありました。

そのため、「私はダメな子なんだ」と感じて育ったのです。

ですが、あのワークを通して――。

私は、歓迎されて、生まれてきた。

という感覚が、全身に広がったのです。

※母の激しい愛情に気づいた体験について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

無意識が導く、やさしい癒し

 

そのワークのあと、私の中で、小さな変化が起きました。

気持ちが沈んだり、凹んだりしても、復活が少し速くなったのです。

 

以前だったら、私の大切な人が他の人を慕っている様子を見ると、「やっぱり私は選ばれないんだ」と思い、しばらく落ち込んでいました。

ですが、その思いを引きずる時間が短くなったのです。

生後から1年ほどの期間に、母から無条件の愛を注がれていたという実感が、私の心を支えてくれたとも言えます。

ハコミセラピーでは、意識ではなく、「無意識の力」も重んじています。

マインドフルネスを用いて、無意識に優しくアクセスすると、必要な癒しが自然に自然に起きてくることがあるのです。

つらい思いを蒸し返さなくても、心地よい感覚を味わうだけで、深いレベルで心が整うことがあります。

もちろん、過去の体験を丁寧に感じきることが必要なときもあるでしょう。

でもそれは、「頑張って掘り起こす」のではなく、心の準備ができたタイミングで、自然に起こってくるものだと思います。

心理カウンセリングでは、「嫌な体験を思い出さなければ、癒されない」と思い込む必要はありません。

あなたの無意識を主役にすると、あなたに必要なことを、あなたにちょうどいいペースで教えてくれるのです。

 

とはいえ、一人では、手に負えない苦しさもあります。

ご自身の状態によっては、医療機関や、専門家と一緒に取り組むほうが、安全で、確実なこともあります。

 

嫌な体験を思い出すことが不安なあなたへ

やわらげたい気持ちと、ふれたくない気持ちの間で、立ち止まってしまう。

それは、あなたが、つらい思いにふれないようにして、日々の生活を切り盛りしてきた証かもしれません。

 

まずは、話してみるだけで構いません。

苦しみやつらさを抱えながら、ずっと踏ん張ってきた。

それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。

「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。

 

私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、嫌な体験を無理に思い出さなくても、「今この瞬間」に起きていることを大切にしながら、つらさを抱えている心の部分(パーツ)に、あなたのペースで、一緒にに寄り添っていきます。

 

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