無理なく無意識にアクセスする「ハコミセラピー」の魅力 マインドフルネス
生きづらさに苦しみ、心軽やかな日々を送ることを切望していた私。
願いをかなえるべく、自己探究オタクとなった私が行きついたのが、「ハコミセラピー」でした。
今回は、「ハコミセラピー」の魅力に、「マインドフルネス」がひと役かっていることについて、お伝えします。
「ハコミセラピー」の3つの特徴
「ハコミセラピー」は、1980年前後、アメリカの心理セラピストである「ロン・クルツ博士」が作り出した心理療法です。
東洋と西洋の英知を統合させた心理療法で、身体と心の両方に働きかけます。
「ハコミセラピー」は、トラウマを始めとする、心に傷をもつ人にも効果があり、実際、私も救われました。
クライエント(相談者)のペースを重んじるので、無意識の深いところに手が届き、癒しにつながるのです。
「ハコミセラピー」には、他の心理療法にはない、いくつかの特徴があります。
ノンバイオレンス
全てのものには、なるようになっていく力があるので、あるがままを受け入れ、見守る。
「ハコミセラピー」は、そんな「タオイズム(老荘思想、道教)」の考え方を取り入れています。
そのため、「ハコミセラピー」には、価値観の押しつけがありません。
人の考えや思いに対して、ジャッジ(判断)をしない。
ジャッジをしないって、簡単なようでいて、とても難しいことです。
多くの人が、反射的に「良い」「悪い」って、ジャッジしちゃいますからね。
だからこそ、何を言ってもジャッジされない環境では、安心して、心を開くことができます。
「ハコミセラピー」には、相手の心を脅かすことがない、「ノンバイオレンス(非暴力)」の精神が、底辺に流れているのです。
※「ハコミセラピー」の「ノンバイオレンス」について、詳しくは、こちら。
ラビング・プレゼンス
「ラビング・プレゼンス」は、英語で「Loving Presence」と書きます。
直訳すれば、「存在を愛する」。
分かりやすく言えば、「目の前にいる相手の存在から、愛を受け取り、味わう」ということ。
「ハコミセラピー」のセラピストは、「ラビング・プレゼンス」をおこないながら、個人セッション(心理セラピー)を行います。
クライエントを問題のある人と見るのではなく、愛に満ち、事をなす力のある人として見るのです。
「ハコミセラピー」が「ノンバイオレンス」を実践できているのは、「ラビング・プレゼンス」という手法を取り入れているから。
相手からの愛を受け取りながら、相手と接していたら、「バイオレンス」が起きるはずがありません。
※「ラビング・プレゼンス」を日常生活で使うと、人と関わるのが楽になります。詳しくは、こちら。
マインドフルネス
今回、詳しくお伝えしたいのが、「マインドフルネス」。
「ハコミセラピー」は、「マインドフルネス(瞑想状態)」を、最初に取り入れた心理療法だと言われています。
「マインドフルネス」は、仏教で修行の一環として使われていた瞑想が、西洋にわたって普及し、時を経て日本に逆輸入されたもの。
簡単に言えば、「今、この瞬間」に起きていることに、意識を向けていくことです。
ゆっくり深呼吸をしながら、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けると。
身体の感覚や周囲の音、自分の頭に浮かぶ考え、わいてくる感情などを、客観的に眺める感じになります。
すると、ジャッジを含めた自分の考え、感情に振り回されることがなくなり、心が静かになるのです。
「ハコミセラピー」の個人セッションでは、「マインドフルネス」を用いるのですが、一般的な「マインドフルネス」と決定的に違うところがあります。
「マインドフルネス」の状態になるときに、セラピストが寄り添ってくれること。
一般的な「マインドフルネス」は、基本的に自分一人でおこないます。
集団でおこなうとしても、各々、自分に起きていることに意識を向けていくだけです。
一方、「ハコミセラピー」のマインドフルネスは、セラピストが一緒に寄り添ってくれます。
しかも、「ラビング・プレゼンス」をしながら、「ノンバイオレンス」の姿勢で、クライエントに起きていることを見守ってくれ、分かってくれるんですから。
クライエントは、安心して、心を開くことができます。
安心できる状況で、「マインドフルネス」の状態になると。
無意識にあるものにアクセスしやすくなる。
無意識に押し込められていた、思い、考え、感情、記憶といったものが、自然と立ち現れてくる。
それだけでなく、クライエントのペースで、無意識の中から、必要なものが立ち現れてくる。
「マインドフルネス」を使って、「ハコミセラピー」の個人セッションを行うと。
無理のない、自然な形で、自分への気づきが深まり、自分の中から答えが生まれてくるんです。
※「マインドフルネス」を日常生活で使う工夫については、こちら。
「マインドフルネス」で無理なく無意識にアクセスする
「マインドフルネス」を使って心理療法を行う「ハコミセラピー」。
今ひとつイメージできない、あなたのために。
私が、最近、クライエントとして受けた「ハコミセラピー」の個人セッションを、例としてあげてみました。
個人セッションで取り上げることを決める
「ハコミセラピー」の個人セッションでは、最初に、個人セッションで取り上げることを決めます。
具体的には、クライエントが、自分が解決したいと思っていることなどを話します。
私は、自分の悩みごとを話しました。
- スクールカウンセラーとして働いているが、新しく採用されたもう一人のスクールカウンセラーに引け目を感じてしまう。
- 引け目を感じる根本にあるものを探りながら、自分らしく働いていくためのヒントを見つけたい。
「マインドフルネス」で感じると自分の内側で展開していく
個人セッションで取り上げることを決めたら。
クライエントは、悩んでいることを思い浮かべたときに、自分の身体に起きてくる感覚を、「マインドフルネス」の状態になって、感じていきます。
セラピストに寄り添ってもらいながら、「今、この瞬間」の自分に起きていることを、「マインドフルネス」の状態のまま、ただただ、じ〜っと感じていると。
次々と、新たな展開が起きてくるのです。
私の場合は、こんな感じで展開しました。
- 胸が苦しく、のどが詰まるような感じがする。
- 悲しい思いがあふれてきて、涙がこぼれてくる。
- 幼い頃、私の弟と比較され、母から罵倒されたことが思い出される。
- どんなに頑張っても、母からは弟ばかりが褒められ、私はダメな子、生まれながらの不良品だと思っている。
- 私が、生まれる前にちゃんと準備をしなかったから、不良品になってしまったと感じている。
- じゃあ、弟の遺伝子をもった女の子(私)が生まれたら、どうなるだろう。
身体の感覚を感じていると、感情が感じられ、記憶がよみがえり、幼いころの考え、新しいアイディアが浮かぶ。
「マインドフルネス」の状態のまま、個人セッションを行っていくと、こうしたことが自然に生じていくのです。
※私が個人セッションで体験したことについて、詳しくは、こちら。
ここちよい体験を「マインドフルネス」で味わう
「ハコミセラピー」では、個人セッションの最後に、クライエントが必要としているものを得る体験をしてもらいます。
必要としているものは、クライエントによって違うため、セラピストが押しつけることはありません。
一緒に、クライエントにとってここちよい体験を探していきます。
たとえば、
- セラピストに背中をさすってもらう、抱きしめてもらう。
- セラピストに、安心するような言葉をかけてもらう。
- イメージの中で、やってみたいことをやってみる。
- やりたかったけど、やれなかったことを、個人セッションの場でやってみる:踊る、歌う、など。
私の場合は、セラピストに、自分がかけてほしい言葉を言ってもらいました。
- セラピストに、「あなたが悪いんじゃないよ。そのままのあなたでいいんだよ」と言葉をかけてもらう。
- 安心感が全身に広がり、身体にしみていく感じを「マインドフルネス」で味わう。
- イメージの中で、私の心の中にいる幼い子ども(インナーチャイルド)が、その言葉を聞き、安心する様子を眺める。
「マインドフルネス」の状態で、自分が必要としている、ここちよい体験をすると。
無意識の奥底まで、その体験がしみていき、深い気づきや、深い癒しにつながります。
「マインドフルネス」は、無理なく、無意識にアクセスし、気づきや体験を深めるためにも、素晴らしいツールなんです。
今回は、「ハコミセラピー」の魅力に、「マインドフルネス」がひと役かっていることについて、お伝えしました。
「マインドフルネス」の状態だと、無理なく、無意識にアクセスし、気づきや体験を深めることができます。
自分のペースで、自分に気づいていきたいあなたに、「ハコミセラピー」はおススメですよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。