手強い自責の念の正体は幼児的万能感の成れの果て【私が自分を生きるまで㉑】

2025年10月31日

手強い自責の念に苦しめられ、正体も分からず、打つ手なし。

そんな風に思うことはありませんか?

私自身も、自責の念に苦しめられてきた一人です。  

 

私の心を削ってきた自責の念が、簡単なタッピングで消え去り、「もう、これで解放された!」と思ったのも、束の間。

タッピングでは対処できない自責の念が、ふつふつとわき出してきたのです。

今回は、私自身の体験をもとに、自責の念の正体に気づいたことについて、お伝えします。

 

自力では太刀打ちできない自責の念が現れた

 

 

仕事で大きなミスをしでかして以来、気分の落ち込みが続きました。

 

スクールカウンセラーとして働いている勤務校でのこと。

とはいえ、関係する先生方も、管理職も、私を責めるどころか、気遣ってくれ、事態は収束しました。

 

それなのに、いたたまれない気持ちが続き、仕事をすることがツラくてたまらないのです。  

自分の内側で起きていることに意識を向けると、自分を責める声が聞こえてきます。  

 

能力のない人間は、どんなに努力をしても使えない。

この世に要らないクズ人間。  

 

これまでの経験で、自責の念が、フラッシュバック、つまり、母の思考の再体験だと分かっていたため、フラッシュバックを消すタッピングを行いました。

でも、消えない!

毎日、毎日、タッピングを続けても、自責の念が消えません。  

 

失敗したことに傷ついている自分自身、つまり、「内なる子ども(インナーチャイルド)」をケアしても、効果なし。

せっかく「内なる子ども」のケアをしても、自分を責める内なる声にさらされると、あっという間にボロボロになってしまうのです。  

 

もはや、打つ手なし。  

 

自力では太刀打ちできない自責の念が、じわじわと自分自身を削っていき、セルフケアを行う気力すら失せていきます。

免疫力が低下したためか、息子から感染した風邪をこじらせ、咳がとまらなくなりました。  

 

ですが、私の中で屈せずに持ちこたえている部分が、「このままではイヤだ」と声をあげます。

フラッシュバック(母の思考の再体験)ではない、「自分を責める内なる声」の正体を見極め、対応を考えていかなければなりません。

 

※フラッシュバック(親などの思考の再体験)として現れる自責の念を消すための方法は、こちら。

  ※「内なる子ども」を自分でケアする方法は、こちら。

 

自責の念は「内なる子ども」の声だった

 

 

私は、ハコミ公認トレーナーである阿部優美さんの個人セッションを受けることにしました。  

個人セッションは、「ハコミセラピー」の手法を用いて行われます。

ちなみに、「ハコミセラピー」とは、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかけるセラピーです。  

 

私は、仕事でミスをしたこと、その後、自責の念にさいなまれて自力では太刀打ちできないこと、次第に生きる意欲が失われてきたこと、などを話します。  

 

すると、優美さんは、「今、自分に起きていることを感じてみて」。  

私は、ゆっくりと深呼吸をしながら、目をつぶり、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けていくという、「マインドフルネス」の状態になります。

 

マインドフルネスの状態になると、身体のあちこちから、自分を責める声が飛んでくるのが感じられました。

自分を責める声に耳を傾けてみると。

 

研修会やワークショップに出まくって、25年近く心理カウンセラーとしてのスキルアップに励んできたのに!

ここにきて仕事でミスをするなんて、生まれつき能力がないことの証!

ダイヤモンドの原石は磨けば光り輝くけど、河原の石ころは磨いても光らない!

河原の石ころ風情が、専門家ヅラして働くこと自体、あり得ない!  

 

優美さんは、「あなたが、その声の持ち主になりきって、思いのたけを言ってみて」と声をかけ、私の背後から私の両腕を支えます。

私の中で、急にスイッチが入り、両手をバタバタさせながら、自分自身を罵倒する言葉を叫び始めました。  

 

長年鍛錬を積んでも、使いものにならないようなポンコツは要らない!!

こんな使えないヤツは、死に絶えればいい!!

世界中のみんなが私を許しても、私が私を絶対に許さない!!  

 

どうやら、子どものような存在です。

たぶん、小学校3~4年生、8~9歳ぐらいの感じ。

私の「内なる子ども」、インナーチャイルドとも言えます。  

 

怒れる「内なる子ども」が思いのたけを存分に発散し、少しクールダウンしたとき。

優美さんが、「ねえ、あなたが望んでいることは何かな?」と声をかけました。

すると、怒れる「内なる子ども」が答えます。  

 

ひとかどの人間になってほしい。

この世に爪痕(つめあと)を残したい。

生きた証を示したい。  

 

優美さんが、「あなたは、自分に一流の人間になってほしいのね。でも、ダメ出しばかりすると、元気がなくなって、一流の人間になるための力が発揮できなくなっちゃう気がするんだけど」と声をかけると。

怒れる「内なる子ども」は、ぐうの音も出ない感じになり、黙ってしまいました。  

 

自責の念は幼児的万能感の成れの果て

 

 

手強い自責の念は、一流でありたいという「内なる子ども」の思い。

フラッシュバック(母の思考の再体験)だけでなく、別のところにも、自責の念のモトがあったのです。

 

自分はスゴイ人になれる。  

 

そんな思いは、幼い子どもなら誰でも抱くものです。

視野が狭く、経験の浅い子どもならではの「万能感」から生まれたもの。

「幼児的万能感」とも言われます。  

 

ですが、多くの人たちは、成長とともに視野が広がり、自分の身の丈を知っていきます。

そのことにガッカリしながらも、「スゴイ人ではない自分」という現実を受け入れていくのです。  

 

ところが、私のように、母から愛され、受け入れられたという体験に乏しい場合。  

「母から認められたい。母に愛されたい」という執着が、

「自分はスゴイ人になれる」という幼児的万能感と結びつき、

「スゴイ人になれば、母から認められる」という考えに固まってしまいます。

 

そして、私の場合、「母から認められなければ、死んでしまう」という考え(コア・ビリーフ)が根源にあるため。

「スゴイ人になれない自分」を受け入れることが難しくなってしまう。

 

だからこそ、「スゴイ人になれない自分」を目の当たりにすると、ガッカリして、腹が立って、自分自身を罵倒せずにはいられないのです。  

幼児的万能感をこじらせてしまったとも言えます。

 

そのことに気づいてから、自責の念への対処に精力を傾けていったところ。

今では、すっかり「内なる子ども」と仲良くなりました。

自分を責めることも減り、心軽やかな日々を送っています。

自分を知れば知るほど、生きやすくなるのです。

 

※自責の念への対処法については、こちら。

 

   

 

親子関係で心に傷を抱えてしまった場合、幼児的自己万能感をこじらせ、手強い自責の念になることがあります。

こうした場合、「一流になりたい内なる子ども」を消そうとすればするほど、パワーアップし、手に負えなくなるのですが。

「内なる子ども」の願いを理解し、その思いに寄り添っていくと、自分を責める思いがトーンダウンしていきます。

 

そうは言っても、一人で取り組むのは、本当に骨が折れるんですよね……。

自責の念に悪戦苦闘しながら、「内なる子ども」と良好な関係を築けるようになった私が、「個別セッション」を提供しています。

あなたが、あなた自身の「内なる子ども」と仲良くなるお手伝いをさせてください。

 


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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