指先をなでるだけで気持ちが整う方法|仕事中でもこっそりできる「指いい子」のやり方
。仕事中に、ふとネガティブな気持ちがわき上がってくる。
気持ちの切り替えが難しく、心が乱れたまま、仕事を続けている。
そんな経験はありませんか。
それは、あなたの心が弱いからではありません。
ネガティブな気持ちは、誰にでも、さまざまな場面でわいてくるものです。
私自身、職場で、ネガティブな気持ちがわいたとき、机の下でこっそりできる方法に助けられてきました。
それが、精神科医の神田橋條治先生が開発した「指いい子」です。
今回は、指先をなでるだけで気持ちが整う「指いい子」のやり方と、実践して感じたことについて、お伝えします。
「指いい子」のやり方とポイント
指先をなでるだけで、気持ちが整う方法。
それは、精神科医の神田橋條治先生が発案した「指いい子」です。
この記事で紹介する「指いい子」のやり方は、神田橋先生に長年教えを受けていた臨床心理士(公認心理師)の方から伺った方法。
神田橋先生オリジナルの方法に、アレンジが加えられています。
やり方について説明しますが、動画で確認したい方は、「神田橋條治が教える心身養生のための経絡・ツボ療法」(神田橋、2020)に掲載されたQRコードから、先生ご自身による解説動画をご覧いただけます。
ちなみに、動画でご覧いただけるのは、オリジナルの方法です。
「指いい子」のやり方
ステップ①:指を包み込むようにふれる
片手の5本の指で、もう片方の手の指先(第1関節までの部分)を包むようにふれる。
つかむのではなく、「包み込むように、優しくふれる」のがポイント。
ステップ②:フタを開ける方向に指先を回転させる
ふれている側の手首を、ビンのフタ(ペットボトルのキャップ)を開ける方向に回転させる。
指をつかんでねじるのではなく、5本の指で、もう片方の手の指先を、優しくなでるように回す。
指先にキャップがかぶさっていて、それを回すようなイメージ。
親指から順に、1本の指につき、10回ずつ回す。
片手の指を、親指から順番に小指まで回し終えたら、次は、もう片方の手の指にも、同じようにおこなう。
ステップ③:フタを閉める方向に指先を回転させる
今度は、5本の指でふれている側の手首を、ビンのフタ(ペットボトルのキャップ)を、閉める方向に回転させる。
回し方は、先ほどと同じように、優しくなでるように。
親指から順に、1本の指につき、10回ずつ回す。
片手の指を、親指から順番に小指まで回し終えたら、次は、もう片方の手の指にも、同じようにおこなう。
「指いい子」をおこなう際のポイント
ポイント①:指先をなでるとき
指先を回すほうの手は、ひじから先の力を抜く。
そして、「いい子。いい子」と心の中でつぶやきながら回す。
ポイント②:回す回数
慣れてくると、回す回数が10回より少なくても、「もう充分」と感じることがある。
同じように、10回回しても「足りない」と感じるときは、「もう充分」と感じるまで回す。
そのとき、そのときで、「もう充分」と感じるだけ、回す。
ポイント③:回す方向が分からなくなりそうな場合
ペットボトルのキャップに、開ける方向の矢印を描いて、準備しておく。
ペットボトルのキャップを、指先にはめ、回す方向を確認してから、実際に回す。
神田橋先生オリジナルの「指いい子」
神田橋先生が発案したオリジナルの「指いい子」は、もっと感覚的なものです。
開く方向、閉める方向に指先をなでてみて、「軽やか・なめらか」と感じるほうに回します。
神田橋先生によると、「軽やか・なめらか」と感じるのは、対象の生体(指)が、それを求めているからだそうです。
なめらかだったのに、「抵抗」が出てきたと感じたら、終了のタイミングとのことでした。
試してみるとしても、無理のない範囲でおこない、不安なときは、医師や専門家に相談することをおすすめします。
神田橋條治先生が開発した「指いい子」
神田橋先生が大切に思うこと
「指いい子」を開発した神田橋條治先生は、長年、精神科医療に携わってきた大御所。
精神科での治療が、薬物の投与に偏りがちな現状を、「医療の囚人を作る営みになっている」と憂えていらっしゃいます。
そして、身体がもつ「自然治癒力」に関心を向け、東洋医学の知見を取り入れた、独自の「心身養生の方法」を編み出してきました。
医療の専門家ではない素人でも、「自助」をおこなえることを、目標にしているそうです。
精神医学会では、神田橋先生の取り組みを「根拠のあるデータ(エビデンス)に基づいた治療ではない」と批判する声もあるそうですが――。
神田橋先生の常識にとらわれない自由な発想、そして、患者に寄り添う気持ちに、感銘を受ける人は少なくありません。
私も、その一人です。
「指いい子」とは
神田橋先生は、「経絡 ※1 」の考えをもとに、「指いい子」を発案したそうです。
「指いい子」をおこなうことで、経絡治療のような効果が得られることがあり、日々続けると、「感知」の修練にもなる、ともおっしゃっています。
神田橋先生オリジナルの「指いい子」は、先述したように、自分の感覚を確かめながら、回す方向、終えるタイミングを判断するというやり方でおこなわれます。
たしかに、感知する能力を高めるトレーニングになるかもしれません。
それから、「指いい子」を日常的に自分の両手の指でおこなうと、自分の健康法にもなるそうです。
また、アレンジした方法を提案している方によると、「指先を開いて解放し、閉じておさめるため、日中、活動しているときでも取り組みやすい」とのことでした。
私も、アレンジされた「指いい子」を、自分の健康法として取り入れています。
※1:「経絡(けいらく)」とは、東洋医学で、生きるために必要な血や気の通り道として考えられたもののことです。
「指いい子」を実践して感じたこと
「指いい子」は取り組みやすい
どこでも取り組める
身体を大きく動かさないので、目立たず、どこでも取り組めます。
私も、職場では、休憩時間、会議、研修会のときなどに、机の下で、こっそりやっています。
電車で移動しているときでも、OKです。
所要時間が短い
短時間で終えることができる。
指先を開く方向になでる、閉じる方向になでる、をひと通りやり終えても、せいぜい3~4分。
隙間時間に取り組めます。
手順が決まっているため、取り組みやすい
アレンジされた「指いい子」だと、やり方が決まっているので、私のような鈍感なタイプでも取り組みやすい。
オリジナルの「指いい子」だと、回す方向や終えるタイミングを、自分で感知して決めていかなければいけないので、私にはハードルが高いのですが――。
手順が決まっていると、取り組みやすくなります。
「指いい子」の効果を感じるところ
私の場合、「指いい子」をひと通りおこなうと、気持ちがす~っと穏やかになり、整う感じがします。
なでている指の温かさを感じると、ほっこりして、安心感も得られます。
私の母は、最期に、私をけなす言葉を遺して亡くなりました。
そのため、しばらくの間、精神的に不安定な日々を送っていたのです。
仕事中も、母の言葉が、ふとよみがえり、悲しみと不安で、いたたまれなくなってしまうことがありました。
そんなとき、仕事の合間に、せっせと「指いい子」に取り組んでいました。
会議中、電車の中でも取り組めるので、ネガティブな感情がわいたときの応急処置として取り入れやすい方法です。
「指いい子」の効果が感じられないところ
「指いい子」は、ネガティブな感情がわいたときの応急処置として、取り入れやすい方法です。
ですが、トラウマの治療の代わりにはなりません。
私の場合、弟と比較され、母から否定的な言葉を浴びて育ったためか、心に痛みを抱えて生きてきました。
そのせいか、幼少期の体験と似たような状況で、ネガティブな感情が激しくわき出てくることがあります。
そんなとき、「指いい子」をおこなった直後は、少しだけ気持ちが穏やかになるのですが――。
しばらく経つと、ネガティブな感情が再燃してしまうのです。
しかし、ネガティブな感情で心が削られることを防ぐことにつながるので、心の基盤づくりには向いていると感じています。
もし、効果が感じられないとしても、あなたのやり方や、あなた自身に問題があるわけではありません。
そうなるだけの何かがあるのです。
※フラッシュバックがつらい方に向けた、別の方法を知りたい方は、こちらもどうぞ。
※足の指でおこなう「足の5本指いい子」について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
とはいえ、セルフケアだけでは、手に負えない苦しさもあります。
ご自身の状態によっては、医療機関や、専門家と一緒に取り組むほうが、安全で、確実なこともあります。
仕事中も、ネガティブな気持ちと戦っているあなたへ
仕事中は、平静を装って、気持ちを押し込める。
一人になると、どっと疲れが出る。
それは、あなたが、それだけ、自分の気持ちを守ろうと頑張ってきたからかもしれません。
まずは、話してみるだけで構いません。
仕事中も、気持ちを立て直そうと、ずっと工夫してきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
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「もう少し読んでから考えたい」という方は、こちらもご覧ください。
※身体に感謝する儀式について、知りたい方へ。
※愛着の傷つきをやわらげるセルフケアについて、知りたい方へ。
【参考文献】 「指いい子」や神田橋條治先生が発案された方法について、理解を深めたい方は、ご参照ください。
- 神田橋條治(2020)神田橋條治が教える心身養生のための経絡・ツボ療法 創元社























