自己否定が強い私がよもや自分をチヤホヤするようになるとは

2025年10月31日

自己否定が強い私は、自分に肯定的な言葉をかけることなど、できませんでした。

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきたからです。

ところが、「一人ぼっちな私」との対話を経て、自然発生的に「自分をチヤホヤする」方法にたどりつきました。  

自分でも驚いてしまった体験について、お伝えします。

 

「居場所がない」と感じる「一人ぼっちな私」

 

 

居場所が用意されていても、けがれた存在である私には、その場にいる資格がない。  

 

「居場所がない」と感じるのは、私が、そう思い込んでいたからでした。

自己否定が強い私ならではの思い込みです。  

 

そして、「居場所がない」という感覚を探っていくと。

ふと、高校生のころの思い出がよみがえってきました。

母が、朝寝坊をくり返す私に腹を立て、私を怒鳴りつけた、という場面。  

 

ナオミの弟(1歳年下)は、ちゃんと早起きするのに、ナオミは朝寝坊ばかり。

ナオミの妹(9歳年下)だって、ナオミほど、ぐうたらじゃない。

ナオミの弟や妹は、ちゃんと結婚するだろうけど、ナオミみたいにぐうたらな人間は、結婚できるはずがない。

ナオミは、誰からも相手にされずに、孤独死するのよ。  

 

母は、私の将来を心配し、私を鼓舞したかったのでしょう。

ですが、幼いころから、出来の良い弟と比較され、ダメ出しばかりを受けてきた私は、「やっぱり、私はダメな人間なんだな」と思うばかり。  

高校生のころに感じた悲しい気持ちが胸に広がります。  

 

家にも、学校にも、私の居場所はない。

の世にポツンと一人ぼっち。  

 

おやおや、この「一人ぼっち」な感じは、幼いころから馴染みがある感覚なのですね。

「居場所がない」と感じることの根底に、「一人ぼっち」な感覚があることに気づきました。  

 

※「居場所がない」と感じるのは、自分の思い込みであったに気づいたことについては、こちら。

 

「一人ぼっち」だった「内なる子ども」の願い

 

 

「一人ぼっち」な感覚を抱いている存在に話を聞いてみよう。  

 

私は、私の心の中にいる存在を「7人のキャラクター」として認識しており、自己理解とセルフケアに役立てています。

実は、ひとり一人が何歳ぐらいか、どんな性格や役割があるかに思いをはせながら、ビジュアル化し、名前をつけているのです。

なので、「一人ぼっち」を感じている心の中のキャラクターと、話をしてみようと思い立ったのです。  

 

「一人ぼっち」という感覚をじっくり感じていくと。

私の中にいる、傷ついた子ども(内なる子ども=インナーチャイルド)から発せられているみたい。

この3~4歳ぐらいの女の子に、私は「きいちゃん」と名前をつけています。

その「きいちゃん」と対話をしてみることにしました。  

対話をするときは、ゆっくりと深呼吸をしながら、目をつぶり、今自分に起きていることに意識を向ける「マインドフルネス」の状態になります。

そして、「一人ぼっち」で悲しんでいる「きいちゃん」の存在に意識を向け、声をかけていくのです。  

 

きいちゃん、一人ぼっちな感じがしているんだね。

一人ぼっちは、寂しいし、悲しいよね。

きいちゃんは、一人で頑張ってきたんだね。  

 

そんな風に声をかけていくと、「きいちゃん」の悲しみが増幅し、胸が苦しくなります。

でも、「きいちゃん」の気持ちに共感していくうちに、悲しみがおさまっていき、落ち着いていきました。  

 

すると、「きいちゃん」が、自分の願いをポツリとつぶやきます。  

 

みんなにチヤホヤしてほしい。  

 

「みんな」と言ってはいますが、「きいちゃん」が一番チヤホヤしてもらいたい人は、私の母。

母に認められ、可愛がられ、愛されたかったのです。

とはいえ、その願いがかなうことがなかったから、チヤホヤしてもらいたい対象が「みんな」に移っていったのだなあ。  

 

いずれにしても、「きいちゃん」、つまり、私の「内なる子ども」の願いが分かりました。

 

  ※心の内面をキャラクター化して考えていることについては、こちら。

 

自分で自分をチヤホヤしてみる

 

 

とりあえず、「きいちゃん」の願いをかなえてあげよう。  

 

そう思い、「きいちゃん」をチヤホヤしてみることにしました。  

 

結局は、自分で自分をチヤホヤするんですから、大人からみれば、謙虚さに欠けた、バカげた方法。

でも、子どもの願いをないがしろにするのは、何だか、忍びないではありませんか。

とりあえず、「内なる子ども」を別人格のように扱い、チヤホヤしてみることにしたのです。  

 

私は、またもや、「マインドフルネス」の状態になって、「きいちゃん」のビジュアルを思い描き、声をかけていきます。

具体的には、私がその日にした仕事や家事を取り上げ、「よくやったね。偉いよ」などと、褒めちぎるのです。  

 

チヤホヤされて満足した「きいちゃん」が、喜んでホクホクした感じになると、面白いことが起きました。  

 

私の心の中にいる、他のキャラクターたちも。

「私もチヤホヤして」「僕もチヤホヤしてほしい」と、次々と現れてきたのです。  

  • 天真爛漫な3~4歳の女の子、「なおちゃん」
  • 集めた知識や情報をもとに考えを練る10歳の男の子、「なおぞう君」
  • 敵を警戒し、闘い、任務を遂行する11~12歳の少年兵、「ソルジャーなお」
  • ご縁や偶然の必然を大切にする年齢性別不詳な存在、「なおさん」
  • 常識や節度を重んじて苦言を呈する成人女性、「タカハシさん」
  • 私が失敗すると容赦ないダメ出しをくり出す8~9歳の女の子、「なおなお」。  

 

ひとり一人を褒めちぎり、チヤホヤすると、全員がホクホクと喜んでいるのが伝わってきます。  

すると、私自身の心も満たされていき、「一人ぼっち」な感じがやわらいでいきました。

「居場所がない」という感覚も薄くなっていき、「私が居場所だと思えば、そこが居場所」なんて、図々しい考えも広がっていきます。  

 

自分で自分をチヤホヤすることで。

「一人ぼっち」「居場所がない」という感覚がやわらぎ、気分が楽になりました。  

 

自分をチヤホヤすることの意義とコツ

 

自分をチヤホヤすることの意義

「自分をチヤホヤする」ことは、「自分で自分を承認する」ということ。

つまり、自分自身を認め、受け入れることができれば、「一人ぼっち」の感覚がやわらぐのです。  

 

裏を返せば、自分が自分自身を承認できないから、「一人ぼっち」になってしまう。

そして、「一人ぼっち」の感じを解消しようとして、周りの人たちの承認を渇望する。

 

でも、自分が思い描くような承認が得られないから。

「一人ぼっち」の感じが強くなり、さらに周りの人たちの承認を渇望する。

そんなネガティブスパイラルにはまっていく。  

 

まるで、自分で自分の首を絞めているみたい。  

 

多くの人は、幼少期に、親などの身近な大人から承認されるという体験を重ねて、自分自身を承認する感覚を育てていきます。

私は、「母から承認されなかった」という感覚が強すぎて、自分を認め、受け入れる感覚を育てることができなかったのでしょう。  

 

ですが、年齢を重ねるとともに、自分なりに成長している部分や強みがあるはず。

私の場合は、自分の心の内面を探り、キャラクター化し、対話をするというやり方で、「自分で自分を承認する」ための方法に行きつきました。  

 

自分をチヤホヤするときのコツ

私が「自分をチヤホヤする」ときに、難しかったこと、私なりに工夫したことは、次の点です。  

 

気持ちの安定をはかる

気持ちが不安定で、「自分はダメな人間」という感じが強く出ているとき。

とてもじゃないけど、自分で自分をチヤホヤするなんてこと、できるはずがありません。  

 

まずは、気持ちの安定をはかることが先決です。  

 

気持ちが不安定なときに、私が取る方法は。

①「慈悲の瞑想」を唱える

②今している動作に意識を向ける(マインドフルネスの状態になる)

③四の五の言わずに寝る  

 

工夫を施しながら、気持ちの安定をはかったうえで、自分をチヤホヤしています。  

 

※「慈悲の瞑想」については、こちら。

  ※今している動作に意識を向け、「マインドフルネス」の状態になるための方法については、こちら。

 

「内なる子ども」をチヤホヤする

自分で自分をチヤホヤすることは、ハードルが高すぎる。

そう思いますよね。  

 

そもそも、日本では「謙遜の美徳」が尊ばれているので、自分で自分を褒めることは、良しとされない文化があります。

自分で自分を褒める人を、「あの人は傲慢だ」などと、後ろ指をさす人さえいるかもしれません。

そんな文化の中で暮らしていれば、自分で自分をチヤホヤすることなど、気が引けてしまって当然です。  

 

しかも、私のように自己否定や自責の思いが強いタイプの場合。

自分で自分をチヤホヤすることは、さらにハードルが高くなります。

だってね、私にダメ出しをする部分が、私のことをクソミソにけなしてくるんですから。  

 

こんないい年の大人になって、自分で自分をチヤホヤするなんて、バカじゃないの!

謙虚さも、品格も、あったもんじゃない!

恥を知れ!  

 

そのため、「等身大の大人の自分」ではなく、「自分の中にいる幼い子ども」に声をかける、という設定にすると。

 

私にダメ出しをする部分も、「小さな子には、優しくしなくちゃだよね」と同意してくれます。  

「等身大の大人の自分」をチヤホヤするのではなく、「内なる子ども」をチヤホヤすると、取り組みやすくなります。

いやはや、自己否定が強い私が、よもや自分をチヤホヤする日がくるとは、夢にも思いませんでしたけどね。  

 

 

 

今回は、自己否定が強い私が、自然発生的に、自分に肯定的な声をかけられるようになったことについて、お伝えしました。

自分に優しい声をかけることは、「セルフ・コンパッション」とも言われており、心身ともに良い効果を与えると言われています。

 

そうは言っても、自分に優しい声をかけるなんて無理と思っているあなた。

あなたの心の中にいる「内なる子ども」の願いに耳を傾け、あなたの心が軽くなる、あなただけのやり方を見つけていきませんか。

私が提供している「個別セッション」がお役に立てると嬉しいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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