苦しみを作り出す自分の内面のパターンがある【私が自分を生きるまで④】
母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。
生きづらさを解消し、「自分を生きる」ために、自己探究を重ねていきます。
自己探究の過程において、母への怒りがすんなりなくなったものの、苦しい思いがどうしても抜けません。
何とかしたいと思い、自分を深掘りしていったところ、自分で自分を否定する「考え方のクセ」があることに気づきました。
そして、「ハコミセラピー」という心理療法のグループワークに参加したところ――、
苦しみを作り出しているものの存在(パーツ)が、ハッキリと見えてきたのです。
今回は、自己探究の過程で明らかになった、苦しみの正体についてお伝えします。
「ハコミセラピー」のグループワークに参加する
自己探究に行き詰まる
母との関係で、生きづらさを抱えてきた私は、心軽やかな日々を願って自己探究を始めました。
残念ながら、「教育分析 ※1 」は2年で打ち切られ、その後は、「集中内観(内観療法)※2 」をメインに、自分を探っていくと――。
以下のようなことが明らかになっていきます。
- 母への怒りがなくなっても、苦しさはなくならない。
- 母との関係で作られた「私はダメな人間だ」という「考え方のクセ」が苦しさの原因。
- その「考え方のクセ」のせいで、自分で自分の首を絞めるように、苦しい思いをする。
ですが、だんだん行き詰まっていきました。
「集中内観」を16回ほどおこなっても、それ以外の心理療法を試してみても――、
「考え方のクセ」が変わらないのです。
「ハコミセラピー」にひかれる
打開策はないものか。
そんな風に考えていた、2015年の夏。
「ハコミセラピー」という心理療法を知りました。
説明を読んだだけで、「これよ!これ!」という直感のようなものがひらめく。
ワークショップに参加してみたところ、「やっぱり、これしかない!」と、私の内側から確信のようなものがわいてくる。
結局、その声に強く背中を押されるようにして、私は、「ハコミセラピー」のグループワークに参加することにしました。
※1:「教育分析」とは、心理カウンセラーを目指す人が、自身の心の問題を解決して、滞りなく働くために、自らもカウンセリングを受けることを言います。私が「教育分析」を2年で打ち切られた話について、関心のある方は、こちらもどうぞ。
※2:「集中内観」とは、6泊7日、自分自身と身近な人との関係を見つめ直し、自己理解を深める精神修養法で、「内観療法」の主な取り組みの1つ。私が「内観療法」を通して、自分の「考え方のクセ」に気づいたことについて、もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。
「ハコミセラピー」のグループワークとは
「ハコミセラピー ※3 」とは、「マインドフルネス」を使って、心と身体の両方に働きかける心理療法。
私が参加したグループワーク、「ハコミセラピー・Beingコース」は、自分の内側で起こる体験を重視し、自分の在り方を見つめるコースです。
ハコミセラピー・Beingコースでは、「マインドフルネス」を実践するところから始まります。
目を閉じて、ゆっくりと呼吸をしながら、「今この瞬間」に起きてくることに、じっくりと意識を向けていく。
こうしたマインドフルネスの状態になると、考えが行きかっている頭の中が静かになり、無意識(潜在意識)にあるものが立ち現れてくるのです。
そのため、言葉を交わす心理療法より、無意識の深いところに手が届きます。
問題解決の糸口が見えてきたり、自分が本当に求めているものが何であるかが分かってきたり。
「ハコミセラピー」は、トラウマを始めとする、心に傷をもつ人にも効果があるのです。
母との関係でトラウマを抱えている私。
マインドフルネスを活用するハコミセラピーがフィットしたのでしょう。
ハコミセラピーでの学びを通して、自分の心の内面で起こっていることを、複数の存在(キャラクター ※4 )の働きとして理解し、「心は集合体」と認識するにいたります。
ハコミセラピー・Beingコースに参加するとすぐに、私の心の中にいる2人の存在が明らかになっていきました。
※3:「ハコミセラピー」について、もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。
※4:自分の心の中にある存在を擬人化して理解するという話に、関心のある方は、こちらもどうぞ。
自分の心の中にいる「キャラクター」が見えてくる


私の原動力だが、常識を超えてしまう存在
なおちゃん
早い段階で明らかになったのが、天真爛漫で、自由奔放な存在。
私は、自分の名前をもじって、「なおちゃん」と名づけました。
「なおちゃん」は、思いついたことを、どんどんやってしまいます。
私がハコミセラピーに参加することを後押しした存在でもある「なおちゃん」。
私が「自分を生きる」ための原動力となってくれています。
ただ、時折、常識を超えた言動をするのが、なんとも言えないところです。
「なおちゃん」が自由奔放に動き回る
ハコミセラピー・Beingコースへの参加初日。
早くも前のめりになっている「なおちゃん」がいました。
ハコミ公認トレーナーの阿部優美さんが言ったことで、目がキラリと光ります!
ハコミは、体験が大切。
どう泳げばいいかを知るには、まず、泳いでみることが、一番の早道。
泳いで初めて、分かることがある。
思ったことがあったら、どんどんシェアするといいよ。
その言葉を真に受けた「なおちゃん」。
参加初日から、参加者全員の前で、自分の思ったことを、遠慮なくシェアしまくります。
- ハコミセラピー・Beingコースは、居心地が悪い。
- ハコミセラピー・Beingコースには、居場所がない。
- 「自分はダメな人間だ」という思いが強くわいてくる。
- 日常生活でも、同じように、居心地が悪い、居場所がない、自分はダメな人間だ、と思っている。
そんなあけすけなシェアをしてしまいます。
参加2日目には、参加者全員が私を取り囲み、優しい言葉をかけてくれるというワークにまで発展。
「なおちゃん」は、周囲を巻き込むようなエネルギーをもっているようです。
私に指示と叱責を連発する存在

タカハシさん
同じく、ハコミセラピー・Beingコースに参加した初日。
「なおちゃん」ではない、別のキャラクターも、活発に動いていました。
口うるさい、厳しい感じの女性。
指示と叱責をくり返します。
おそらく、「私の母の分身」といった存在です。
私の母も、自分の気が済むまで、私をののしるところがあったからです。
私は、母の名前(私の旧姓)をもじって、「タカハシさん」と名づけました。
「タカハシさん」は対人関係に超厳しい
私が、ハコミセラピー・Beingコースに、初めて参加する日の朝。
「タカハシさん」は、人との関わりに対して、早々に指示を出してきました。
- 今日、初めて会う人に対して、失礼があってはいけない。
- 自分のほうから、相手に愛想よく話しかけ、相手から好かれないといけない。
「タカハシさん」の指示に従って、私は、ほかのメンバーに話しかけてみます。
すると、私の声かけに対して、「タカハシさん」から、厳しいダメ出し!
- 相手が興味をもつような、気持ちが楽しくなるような話題じゃないと、ダメ!
- 相手には、ほんのちょっとでも、不快な思いをさせてはいけない!
私が、どんな話題を出したらいいか、困ってしまい、黙っていると……。
- 黙っていたら、相手を嫌な気持ちにさせてしまう!
- 早く、気のきいたことを言わないと、ダメ!
相手に話しかけても、ダメ出し。
黙っていても、ダメ出し。
私は、どうしたらいいか分からなくなり、固まってしまいます。
すると、「タカハシさん」から、さらなるダメ出しの嵐。
- 気のきいたことの1つも言えないなんて、情けない!
- そんなだから、みんなに嫌われるのよ!
「タカハシさん」からの激しい叱責を受け、私は、人の輪に入っていく気力がなくなりました。
ハコミセラピー・Beingコースでも、一人でいることを選ぶようになった私。
日常生活でも、対人緊張が強く、人を避けているのと同じ感じになってしまったのです。
「タカハシさん」は失敗を許さない
「タカハシさん」は、私の失敗を決して許しません。
ハコミセラピー・Beingコースに参加した3日目。
「相手の話を聞いて、相手の感情を、短い言葉で返していく」というワークを行いました。
ハコミセラピーでは、「コンタクト」と呼ばれる技法の練習です。
私は、うまく言葉を返すことができず、まごまごしてしまいました。
すると、「タカハシさん」の叱責が、燃え上がります。
- 心理カウンセラーのくせに、そんなこともできないなんて、クズ以下!
- こんなんじゃ、心理カウンセラーをやっているなんて、恥ずかしくて、口が裂けても言えない!
責められると、「ちゃんとやらなきゃ!」という思いでガチガチになります。
そのせいで、余計にうまくできません。
うまくできない度に、「タカハシさん」に罵倒され、苦しくなっていきました。
心の中にあるキャラクターが私を苦しめる
指示と叱責が激化する
「タカハシさん」は、気がつくと、四六時中、私に指示と叱責をくり返していました。
それだけでもツライのに、「なおちゃん」があけすけなシェアをしたことが、「タカハシさん」の怒りを激化させてしまいます。
- 「居心地が悪い」とか「居場所がない」なんて、よくもまあ、言えたもんだ!
- 相手が嫌がるようなことを平気で言う、ガサツな人間だから、みんなから嫌われるのよ!
ハコミセラピー・Beingコースに参加した5日目。
「タカハシさん」の叱責は、日常生活での叱責を、はるかに超えるレベルに!!
幻聴が聞こえるのではないかと思えるほどに、声が大きくなっていったのです。
私は、一方的に罵倒されて、ボロボロに打ちのめされ、身動きができなくなっていきます。
とうとう、ハコミセラピーのワークに参加することができなくなりました。
一人で座布団の上にうずくまるのが、精一杯。
ほかの参加者が、ハコミセラピーのワークに参加している姿を見ると――、
「タカハシさん」が、私に追い打ちをかけます。
- せっかくお金を払って、時間を割いて来ているのに!
- ワークに参加することすら、できないなんて、人として、もう終わっている!
やりきれなくなった私
自由奔放な「なおちゃん」。
指示と叱責をくり返す「タカハシさん」。
その二人の言動に、私は、つらくて、やりきれなくなりました。
わがままで自分勝手な「なおちゃん」は、もうイヤ!
ダメ出しばっかりの「タカハシさん」も、もうイヤ!
二人の頭を石でたたきつぶして、二人を消し去りたい!
もう、何もかもが、イヤ!!
ハコミセラピー・Beingコースに参加して、まだ、5日目の途中だけど、もう、無理。
休憩の時間になったら、この会場を抜け出して、家へ帰ろう。
ハコミセラピーには、二度と来ない。
そんな思いが強くわき上がってきました。
苦しみを作り出すパターン

自分を責める存在 VS 天真爛漫な存在
先ほども申し上げましたが、「マインドフルネス」の状態になると、意識の活性度が下がり、無意識の中にあるものが、前面に出やすくなります。
それに加え、グループワークに参加することで、参加者からも刺激を受け、日常生活でも起きていることが、スケールアップして起こってしまったのです。
本当に苦しい思いをしましたが、ハッキリと見えてくるものがありました。
結局、苦しい思いを作っているのは、私自身だった。
「タカハシさん」に責められることで、苦しくなり、じっとしている。
けれども、ガマンばかりするのは嫌になり、「なおちゃん」が自由奔放に動き出す。
その動きを「タカハシさん」が良しとせず、指示や叱責が激しくなる。
心が内側から削られ、地獄の業火で焼かれるような苦しさに見舞われる。
こうしたパターンは、日常生活でも、起きています。
ただ、そのことをハッキリと意識せずに、過ごしているだけ。
ですが、ハコミセラピーのグループワークを通して、自分を苦しめる心の内面のパターンがあぶり出されたのです。
苦しい思いを改善する最初の一歩は、自分がはまっているパターンに気づくこと。
後から振り返ると、そう思います。
一人で頑張らなくても大丈夫
とはいえ、当時の私は、グループワークという環境の中で、許容量を超えるほどの気づきに、一気にさらされてしまいました。
たしかに、私には、そうしたプロセスが必要だったのかもしれません。
ですが、気づきを得たとしても、なかなかに苦しい体験でした。
安全にペースを保ちながら、自分のパターンに気づいていくには、一人ひとりに合わせた関わりが必要なのだと、今なら分かります。
まずは、話してみるだけで構いません。
長い間、一人で抱えてきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、あなたのペースに合わせて、じっくりと心の中のパターンに向き合っていきます。
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※続きはこちら。「そのままに在る」という他者の存在が私を救いました。その後の自己探究のプロセスが気になる方へ。
※「タカハシさん」のような、自分を責める内なる声の根本原因について、もっと知りたい方へ。


























