「その人らしさ」に触れることで、生きづらさのパターンが揺らぐ【私が自分を生きるまで⑤】
母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。
生きづらさを解消し、「自分を生きる」ために、自己探究を重ねていきます。
「自分を責める内なる声に心が削られ、苦しい思いを重ねる」「嫌な思いをした場所から離れる」というのが、いつものパターンだった私。
ところが、新しい体験によって、生きづらさを生み出していたお決まりの型がぐらりと揺らぎました。
今回は、「その人らしさ」に触れたことで、私を縛っていたパターンが大きく揺らいだ体験についてお伝えします。
いつものパターンが増幅されて現れた
自分を責め立てる声が激しくなる
苦しい思いを抜け出し、自分らしさを取り戻したいと切望していた私。
「ここなら、何とかなるはず!」という期待を胸に、「ハコミセラピー・Beingコース 」に参加しました。
それなのに、ハコミセラピー・Beingコースに参加した矢先に――。
- 人とうまく関われないとき。
- やるべきタスクを、うまくこなせないとき。
私の心の中にある存在が、猛烈な勢いで、私を責め立ててきました。
私は、この叱責してくる存在を、心の中にいるキャラクターの1人ととらえ、「タカハシさん」と名づけています。
「タカハシさん」は、私がいかにダメな人間であるかを、これでもかと言わんばかりに、ののしってきました。
日常生活で起きていることが、ハコミセラピー・Beingコースにおいて、増幅して現れた感じです。
※「ハコミセラピー」についての豆知識
- 「ハコミセラピー・Beingコース」:「ハコミセラピー」の手法を使って、自分の中で起こる体験を重視し、自分の在り方を見つめるグループワークのコース。
- 「ハコミセラピー」:「ノンバイオレンス」をベースに、「マインドフルネス」を活用した、心と身体の両方に働きかける心理療法。
- 「マインドフルネス」:「今この瞬間」に起きていることに意識を向けていくこと。
※「ハコミセラピー」の「ノンバイオレンス」な環境について、もっと詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
いつもの逃げグセも顔を出した
ハコミセラピー・Beingコースに参加して、5日目。
私は、自分を責める内なる声、「タカハシさん」の罵倒に心が削られ、気力が失せていきました。
そして、とうとう、ハコミセラピーのワークに、参加できなくなったのです。
自分を叱責する声に追いつめられ、ツラくて、耐えられない。
身動きが取れなくなり、座布団の上にうずくまるのが、精一杯でした。
ハコミセラピー・Beingコースは、今日を最後にやめよう。
頃合いをみはからって、家へ帰ろう。
そんな風に考えていました。
自分で自分を責める。
そのことで、ツラくて、たまらなくなる。
やりきれなくなったときに、ツライ思いをするところから離れ、二度と近づかない。
日常生活でくり返されている、自分を責めるパターン、そして、逃げグセも、ハッキリと顔を出してきました。
参加者の在り方が私に変化を起こしていく
参加者の号泣に救われる
座布団の上にうずくまり、じっとしていると――。
ある参加者の女性が、大声をあげて泣いているのが聞こえてきました。
ここ数ヶ月の間に、あいついでご両親を亡くされていた女性でした。
一緒に泣きたい!
突然、私の中に、そうした衝動がわきあがってきます。
気がつくと、私は、その女性のそばに座り、一緒においおいと泣いていました。
泣いている女性と、ちょっとつながりたい、という感じも出てきます。
その女性の足の指先と私の足の指先をチョンとくっつけてみたら、すごく安心しました。
近くにいたハコミ公認トレーナーの阿部優美さんも、私の真似をするように、足先にチョンとくっつけてきました。
さらに、安心感が広がっていきます。
いきなり、親しくもない参加者がそばへ近寄り、足の指先をくっつけてきて、大泣きしている。
ちょっと奇妙な状況ですが、ハコミセラピー・Beingコースには、“一緒に泣いていい”という、受容的な雰囲気があります。
足先を二人とくっつけたまま、たくさんたくさん泣いたら――。
「もうちょっとだけ、この場にいてみよう」という気持ちになっていきました。
ワークに参加できない私を責め立てる声
参加者の号泣のお陰で、かろうじて、「ハコミセラピー」の会場にとどまることができた私。
ですが、まだ、ワークに参加できる状態ではありませんでした。
私の様子を見たからか、ハコミ公認トレーナーの阿部優美さんが、部屋を2つに分けました。
部屋の半分には、ワークに参加する人。
もう半分には、ワークに参加しない人。
私は、「ワークに参加しない」ほうに、移動しました。
すると、私の心の中にいる批判的なキャラクター、「タカハシさん」が、グチグチ言い始めます。
- 心根のすばらしい人たちは、ツライ思いを抱えていても、ちゃんとワークに参加できて、どんどん改善していく。
- ワークにすら参加できないあなたは、本当にダメな人間。改善なんて、できるはずがない。
ふと、周りと見ると、私のほかに3~4名が、参加しないほうの部屋に移動してきました。
途端に、私の心の中で、「タカハシさん」が勢いづきます。
- ほかの人は、ワークに参加したかったのに、初心者のあなたが不参加だから、同情してつきあってくれている。
- あなたは、ほかの人がワークに参加する機会を奪った、最低の人間。
私は、「タカハシさん」の連発する批判に、打ちひしがれます。
ひざを抱えて、しょんぼりと座ることしかできませんでした。
参加者のいびきに癒される
「参加しない」スペースにいる、私以外の3~4名の参加者は、床に寝転がっています。
私は、いたたまれない思いを抱えながら、他の参加者を見ていました。
そのとき――。
床に寝転んでいたある参加者の女性が、いびきをかき始めたのです。
私の中で、雷に打たれたように、新しい気づきが生まれました。
いびきをかいて、ガッツリ寝ている!
私がかわいそうだから、付き合ってくれたんじゃないんだ!
本当に、ワークに参加するつもりがなかったんだ!
そう思うと、あんなにツラかった気持ちが、スーッとひいてなくなりました。
安心して人とつながる体験
ハコミ認定セラピストの女性が、「あなたのしたいことをしてみるのはどう?」と声をかけてくれました。
寝転がっている参加者の協力を得てもいいとのこと。
いつもなら、「タカハシさん」が、騒ぎ立てます。
「あなた一人のために、参加者の手をわずらわせて、プログラム以外のワークをしてもらうなんて、図々しい!」って。
ですが、いびきをかいて気持ちよさそうに寝ている女性を見て、度肝を抜かれたみたい。
「タカハシさん」が、静かになっています。
そのお陰で、心がほぐれ、やりたいことが出てきました。
私は、寝転がっている参加者たちに、互いの足の指先をくっつけてもらいました。
各々が、両足の足先だけをくっつけて、輪になって寝ている状態。
私も、その輪の中に入って、他の参加者に足の指先に、自分の足先をそっとくっつけます。
そして、マインドフルネスの状態になり、自分に起きていることを感じていきました。
対人緊張が強く、人と関わることがつらかった私にとって、足の指先だけで人とつながる距離感は、とても心地よい。
「安心して人とつながる感覚」というものを存分に味わいました。
「その人らしさ」が、心を解きほぐす
ハコミセラピーのグループワークの最中に、号泣していた女性、いびきをかいて寝ていた女性。
2人とも、ハコミセラピーのグループワークに、10年以上にわたり、参加してきた方たちです。
ハコミセラピーでの体験を通して、「自分らしく在る」ということを、体現しています。
「その人らしく、そのままに存在する」という、参加者の「在りよう」。
あまりにも自然で、存在感がありすぎる、「その人らしさ」。
そのため、私の心の中にいる「タカハシさん」も、圧倒され、フリーズしてしまったようです。
私に対して、いつもの叱責を出しそびれています。
そのお陰で、いつもの逃げグセを使う必要がなくなりました。
つまり、「タカハシさん」が静かだと、私の心にゆとりが生まれ、行動の選択肢が増え、私を縛っていたパターンが揺らいだのです。
「自分らしく在る」ということは、その人自身にとっても大切なこと。
ですが、周りの人にも影響を与えるのだ、ということを痛感しました。
一緒に過ごす人たちの「その人らしさ」は、最高の特効薬となりました。
そして、意表をつくぐらいのほうが、凝り固まった心をほぐすには、効果的なんだと感じた次第です。
一人で頑張らなくても大丈夫
「その人らしさ」に触れることで心がほぐれる。
それは、一人で本を読んだり、セルフケアをしたりするだけでは、なかなか得られない体験です。
誰かと一緒にいる、その関わりの中でこそ、凝り固まった心がほどけていくことがあります。
まずは、話してみるだけで構いません。
長い間、一人で抱えてきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」でも、安心できる関係性の中で、あなたの心にじっくりと向き合っていきます。
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※続きはこちら。自分を責める考えの裏には「ポジティブな思い」がありました。その後の自己探究のプロセスが気になる方へ。
※「タカハシさん」のような、心の中の存在(キャラクター)について、もっと知りたい方へ。
























