片づけが苦手な発達凸凹の子どもには、仕組みを作って対応する

2026年10月21日

子どもの部屋が、足の踏み場もないほど散らかっている。

何度注意しても、一緒に片づけても、しばらくすると、元の状態に戻ってしまう。

そんな経験はありませんか。

 

片づけられないのは、子どものやる気や、親のしつけの問題ではないかもしれません。

「発達凸凹 ※1 」がある子どもは、片づけが苦手なことがあるのです。

 

私の息子にも発達凸凹があり、息子の部屋は、注意しても、私が手伝っても、ひどいありさまになっていました。

そこで、息子と話し合い、いくつかの仕組みを作って対応してみたところ、部屋が比較的キレイになったのです。

 

今回は、片づけが苦手な発達凸凹の子どもの部屋を、仕組みを作って整えた、わが家の工夫についてお伝えします。

 

※1:「発達凸凹」とは、発達障害の診断はつかないまでも、生まれつき、得意なことと苦手なことの差が大きい状態を言います。

 

発達凸凹さんは片づけが苦手

 

 

息子の部屋が、足の踏み場がないほど、散らかっている。  

息子の部屋を見る度、ため息が出ていました。  

 

中学に入学してから、自分の部屋がほしいと言い出した息子。

最初は、自室が与えられたことに喜び、キレイにしていたのですが、それも束の間。

次第に散らかっていきます。  

 

床には、教科書やノート、学習塾のテキストなどが散らばっている。

制服や体操着、部活用のウェア、私服も、床に落ちている。

飲み物が残ったペットボトルが、あちこちに転がっている。  

 

思い返せば、幼い頃から、洋服は脱ぎっぱなし。

洗濯物をたたむよう教えても、適当に丸めて終わり。

たたんだ洋服をタンスに、使ったものを所定の場所に収納するよう言っても、やらない。

何度注意しても、一向に変わらない。  

 

好きなことには熱心に取り組むけれど、興味のないことは面倒くさがってやらない。  

これは、発達凸凹のある人によく見られる特徴のひとつです。

 

私は、スクールカウンセラーとして、小学校〜高校に通う児童・生徒の保護者から、片づけが苦手な子どもの相談を受けることがあります。

そうした経験から、私が思うに、親が何度注意をしても改まらない子の中には、発達凸凹のある子もいるのではないかと――。

もちろん、片づけが苦手な理由は、さまざまです。

 

もし、発達凸凹がある子なら、口うるさく言ったとしても、子どもも親も嫌な思いをするだけ。

だったら、仕組みを作って対応すれば良いのです。  

 

※「発達凸凹」について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

仕組みを作って発達凸凹さんの片づけをサポートする

 

 

思春期を迎えた息子は、一方的に注意をしても、受けつけません。

そのため、息子と話し合い、息子の意見を取り入れ、試行錯誤を重ねながら――。

息子の部屋をキレイにするための仕組みを作っていきました。  

 

※子どもに「〇〇してはダメ」ではなく、「〇〇する代わりに、△△して」と、具体的に伝える工夫について、関心のある方は、こちらもどうぞ。

 

仕組み①:教科書などは衣類収納用チェストにしまう

 

 

教科書があちこちに散らばっているため、毎朝、「〇〇の教科書がない!」と大騒ぎする息子。

そのため、教科書などを片づける仕組みを作ることにしました。  

 

試行錯誤の末、そこそこ、うまくいったのが――。

教科書などを、衣類収納用チェストにしまうといった方法。  

 

夫が独身時代から使っていた衣類収納用のチェスト(洋服を入れる小ぶりのタンス)。

その引き出しの前面に、教科書名を書いた白いマスキングテープを貼る。

引き出しの中に、教科書などを入れる。  

 

スペースが空いていて、もったいないなあと思うのですが、たしかに、出し入れしやすい。

息子が、「教科書がない」と大騒ぎすることが減りました。

塾のテキストが増えてからは、塾のテキスト用の引き出しを作るなど、工夫を重ねています。  

 

仕組み②:本はベッドサイドに並べる

 

 

本は、息子のベッドサイドのスペースに並べておくことにしました。  

 

ラノベやマンガばかりですが、見えるようにしておくと、気分が上がるようです。

読み終わったら、そこへ片づけるようになりました。

新しく買った本も、ベッドサイドに並べているようです。

 

仕組み③:教科書などは時期を決めて処分する

 

 

息子に「これ、要るの?」と尋ねたら、「要らない」と答えた教科書やプリント類。

処分した後に、「やっぱり必要だった」と泣きが入って、買い直したり、息子の友だちにコピーしてもらったり。  

 

発達凸凹さんは、不注意だったり、先の見通しを立てたりするのが苦手なので、「処分する」際にも、工夫が必要です。

またもや、息子と話し合い、次のような仕組みを作りました。  

 

使わなくなった教科書、プリント類、塾のテキストは、段ボール箱に入れ、しばらく保管しておく。

年度末に、「絶対要らないもの」「次年度も使うもの」「分からないもの」と、3種類に分類する。

「絶対要らないもの」を、ひもで束ねて捨てる。  

 

手順を決め、やるべきことを具体的に伝え、私も一緒に手伝うと――。

処分する作業をおこなった後で、困ることがなくなりました。

 

仕組み④:洋服はすべてつるしておく

 

 

洋服をたたんで置いておいても、クローゼットの収納ケースに入れずに、踏み散らかす。

私が洋服をクローゼットの収納ケースにしまってあげると、今度は、洋服が見つからなくて、息子が声を荒げる。

ほとほと困り果てた私が、洋服の片づけについて、息子と話し合いを行ったところ――。  

 

洋服を収納ケースにしまうのは、どうしても面倒くさい。

収納したのを探し出すのも、大変。  

 

そのとき、頭をよぎったのが、「発達障害サバイバルガイド」という本に書かれていたくだり。

この本は、発達障害当事者の借金玉さんが、生き延びるためのコツを書いたものです。

 

「たたんで収納する」「引き出しに服をしまう」は、完全に悪い文化だ。あんなことをわざわざやる必要はない。(中略)かけられる服はすべて、ハンガーにかけてしまいます。服の収納を「かける」に特化するのです。

※借金玉(2020)発達障害サバイバルガイドー「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47ー ダイヤモンド社 より抜粋

 

すべての洋服をかけて収納することを提案すると、息子は「それ、いいかも」と賛成。

とはいえ、息子のクローゼットは小さいので、突っ張り式のハンガーラックを購入し、部屋の一角に設置することにしました。  

 

息子の洋服はすべて、ハンガーにかけ、ハンガーラックにつるしておく。

息子の洋服を洗濯する際は、すべてハンガーを使って干し、乾いたら、私がハンガーごとハンガーラックにかける。

クローゼットの収納ケースには、パジャマ、下着、靴下だけを、入れておく。  

 

洋服をすべてつるしておく方法は、うまくいきました。

洋服が床に散らばることが減ると、息子の部屋で物が行方不明になることが激減しています。

 

自然に起きた結果を見せると、改まることがある

 

 

ペットボトルの飲み残し、食べ残したもののポイ捨ては、何度注意しても改まりませんでした。

どうしたら良いのだろうと、困り果てていた、ある日。  

 

息子が自室のゴミ箱に捨てた食べ残しから、大量のショウジョウバエが発生しました!!  

 

息子の留守中に気づいた私が、ショウジョウバエを処分。

ゴミ袋の中を、ブンブンと飛び回るショウジョウバエをスマホで録画し、息子に送りました。  

 

虫が大嫌いな息子は、驚愕したみたい。

それ以後、ゴミ箱に食べ残しを捨てることはなくなりました。

しかも、飲み残しが入ったペットボトルを、台所に持ってきて捨てるようになったのです。  

 

言っても改まらないことが、実際に起きた結果を目の当たりにすると、変わることがあります。

 

ただし、わざと怖がらせたり、罰として見せたりするのは、逆効果です。

このときは、たまたま起きたことを、そのまま伝えただけでした。

子どもが強い不安や恐怖を感じやすい場合は、見せ方に配慮してください。

 

親の心が穏やかになると、話し合いができる

 

 

発達凸凹のある子どもに関わる際のポイントは――。

子どもと話し合い、試行錯誤を重ねながら、仕組みを作っていくことです。

 

とはいえ、仕組みを整えようと思っても、なかなか冷静になれず、つい子どもに声を荒げてしまうことがあるかもしれません。

 

実は、私自身も、息子が思い通りの行動をとってくれないと、「私がダメな母親だからだ」と思い、自分を責めていた時期がありました。

そんな私でも、自分に向き合って自己探究を重ねるうちに、少しずつ心が穏やかになり、息子と話し合いができるようになったのです。

 

子どもへのイライラに疲れてしまったあなたへ

何度言っても変わらない子どもを前に、ため息をつきながら、それでも、毎日、向き合っている。

そんな毎日に、心がすり減っているのを感じるけれど、何もしない訳にはいかない。

そんなことを、くり返してきたのではないでしょうか。

 

まずは、話してみるだけで構いません。

子どもがうまくやれないことに、何度も向き合い、試行錯誤を重ねてきた。

それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。

「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。

 

私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、発達凸凹の知見も取り入れながら、子どもへのイライラや、「親としてうまくできていない」という思いを抱えている心の部分(パーツ)にも、一緒に向き合っていきます。

 

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「もう少し読んでから考えたい」という方は、こちらもご覧ください。

 

※頭では分かっていても、思春期の子どもに手を焼いてしまうという方へ。

 

※頭では分かっているのに、つい子どもに声を荒げてしまい、そんな自分を責めてしまう方へ。

 

【参考文献】

発達凸凹がある人の生活術について、もっと知りたい方は、ご参照ください。

  • 借金玉(2020)発達障害サバイバルガイドー「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47ー ダイヤモンド社

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