あなた自身や周りの人を理解し、悩みを解決するために、「発達障害」の知識は役に立つ

2026年7月12日

「なんでこんなこともできないんだろう」と自分を責めてしまう。

周りと同じようにやっているつもりなのに、なぜかうまくいかない。

 

そんな経験を繰り返していませんか。

もしかしたら、生まれつきの「脳の特性(発達障害)」が関係しているかもしれません。

 

発達障害を「知る」ことは、自分や周りの人を責めるためではなく、「なぜうまくいかないのか」の答えを見つけ、楽に生きるためのものです。

この記事では、発達障害の主要な3種類(ASD・ADHD・SLD)の特徴を、診断基準をもとに分かりやすくお伝えします。

 

  ※精神医学の分野では、「神経発達症」と表記されますが、「発達障害」のほうが一般的になじみがあるので、ここでは「発達障害」と書いています。

 

「発達障害」とは?

 

 

「発達障害」とは。

◆生まれつき、脳機能の働きに、アンバランスがある。

◆生まれつき、苦手なことがある。

◆苦手なことのために、生活に支障が出ている。

そんな状態を言います。  

 

原因は、特定されていません。

ちなみに、「発達障害」という診断をくだせるのは、医師だけです。  

 

「発達障害」は、病気なのか?

いえ、病気ではありません。

生まれつきもっている特徴に過ぎません。  

 

ただ、持って生まれた特徴のために、「生活に支障が出る」場合に、「発達障害」の診断がつきます。

そもそも、診断というのは、治療方針を定めるためのもの。

たとえば、「胃潰瘍」という診断がつけば、「胃潰瘍」を治療するための方法が導かれます。  

 

つまり、診断は、診断を受ける側(当事者)がメリットを得るためのものなのです。

「発達障害」の診断がついた場合、福祉や医療のサポートや、周囲からの配慮が受けられます。

そのため、「発達障害」の特徴があっても、生活に大きな支障がない場合、「発達障害」の診断はつきません。  

 

※「発達障害」の診断がつくか否かについて、より詳しく知りたい方へ。

 

主要な3つの「発達障害」の特徴

   

 

「発達障害」のうち、よく取りあげられるのは、次の3種類。

①自閉スペクトラム症(ASD)

②注意欠陥・多動症(ADHD)

③限局性学習症(SLD)  

 

この3つは、特徴が単独で現れる場合もあれば、いくつかが重なって現れる場合もあります。  

主要な3つの「発達障害」の特徴について、それぞれお伝えします。

 

以下の「発達障害」の特徴については、DSM-5(アメリカ精神医学会が出版している、精神疾患の診断基準・診断分類の第5版)の記述を、私が、勝手に分かりやすく書き直しています。

ご了承ください。  

 

自閉スペクトラム症(ASD)

「自閉スペクトラム症(ASD)」の特徴は、以下の通りです。

「自閉スペクトラム症」には、「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」と呼ばれていたものも、含まれています。

 
①集団の中でコミュニケーションをとることや、ほかの人とのやり取りが、難しい。
  • ほかの人と関係を築くこと、情緒的な関わりをすることが、苦手。
  • 表情、口調、声のトーン、身ぶり手ぶりなど、言葉を使わないコミュニケーションを取ることが、苦手。
  • 人間関係を発展させ、その関係を維持することが、苦手。
 
②行動や興味が偏っている。
  • 同じ言葉や行動を不自然に続ける、くり返す。
  • 周りのものが、同じ状態にあることに、こだわる(小さな変化を嫌がる、など)。
  • 興味や関心が、きわめて限定されている。
  • 感覚(五感)が、過敏、あるいは、鈍感。

 

ざっくりと言えば、「人と関わることがあまり得意ではなくて、行動や興味が偏っている」という特徴です。  

 

注意欠陥・多動症(ADHD)

「注意欠陥・多動症(ADHD)」の特徴は、以下の通りです。  

 

①不注意
  • 細やかに注意を向けることが難しく、ケアレスミスをしやすい。
  • 注意を維持することが難しい。
  • うわの空、注意散漫で、話をきちんと聞いていないように見える。
  • 指示に従えず、やるべきことを、やり終えることができない。
  • やるべきことを、頭の中で整理することができない。
  • コツコツと努力することを、嫌がる。
  • 忘れもの、落としものが、多い。
  • 気になることがあると、そちらへ注意が移ってしまう。
  • 日々、やらなければいけないことを、忘れがち。
 
②多動性・衝動性
  • 座っているときに、手足をもじもじ動かす、そわそわした動きをする。
  • 着席していることが必要な場面で、席を離れてしまう。
  • してはいけない状況で、走り回る、突飛な行動に出る。
  • 静かに遊べない。静かに過ごせない。
  • 衝動に突き動かされるような感じで、じっとしていることができない。
  • しゃべり過ぎる。
  • 相手の話が終わる前に、話し始める。
  • 順番を待つことが、苦手。
  • ほかの人の邪魔をする、割り込む。
 
ざっくりと言えば、「注意力にばらつきがあって、いつもエネルギッシュに動き回っている」という特徴です。
 

限局性学習症(SLD)

「極限性学習症(SLD)」の特徴は、以下の通りです。

※一般的には、「学習障害(LD)」と言われています。

 
①特定の領域の学習が、なかなか身につかない。
  • 文字を、間違えずに、スラスラと読むことが、難しい。
  • 読んでいるものの意味を、理解することが、難しい。
  • 文字をつづること、書くことが、難しい。
  • 文章を作って、書くことが、難しい。
  • 数を理解する、計算をすることが、難しい。
  • 算数や数学の問題を解くことが、難しい。
 
②学習が身につかない原因が、見当たらない。
  • 知的な能力が、平均の範囲以上。
  • 視力や聴力の問題がない。
  • 精神的な病気がない。
  • 社会的に、ひどくしいたげられた状況にはない。
  • 教育を受ける環境が、普通に整っている。

 

ざっくりと言えば、「日常生活は不自由なく過ごせるのに、ものすごく努力をしても、特定の学習に関して、苦手なことがある」という特徴です。  

 

「発達障害」の知識を役立てて、楽に生きる

 

 

あなた自身や、あなたの周りの人たち。

「どんなに努力をしても、苦手なことが、なかなか改善しない」ということはありませんか?

もしかしたら、「発達障害」の特徴をもっているかもしれません。  

 

もちろん、うまくいかないことが、すべて「発達障害」のせいとは限りません。

自信がないために、実力を発揮できないという場合もあります。  

 

とはいえ、あなた自身や周りの人たちの言動について、理解することが難しいとき。

「発達障害」の知識を使って、考えてみてほしいのです。  

 

私自身も、「自分には診断がつかないまでも、発達障害(自閉スペクトラム症)の特徴がある」と気づいてから。

自分に対する理解が進みました。  

 

生まれ持った苦手さがある。

残念だけど、仕方ない。

自分の強みを活かして生きるしかない。

 

そんな風に思えるようになりました。  

 

とはいえ、「発達障害の特徴があるかもしれない」と考えたり、言われたりするのは、ショックです。

「発達障害の特徴がある」と自覚していた私でしたが、ほかの人から「(発達障害の特徴が)ありますよね~」と指摘されたとき。

「私は、ほかの人とは違っているんだ……」と、少し寂しくなりましたから。  

ですから、表立って、「発達障害がある!」と宣言する必要はありません。

 

とはいえ、表立ったサポートが必要な場合は、医療機関を受診するのもアリです。

いずれにしても、使えるものはドンドン使って、生活の質を上げることが大切!  

 

そして、「発達障害」がある人が、自分を生きるためのポイント。

◆自分の得意や強みを知る。

◆得意を活かして、苦手をカバーする。

◆どうしても苦手なことは、周りの人に助けてもらう。  

 

楽に生きるために、できることはいろいろあります。

 

発達障害の「特徴を知る」だけでは、苦しさは変わらない

発達障害の特徴を知ることで、「なぜうまくいかないのか」に答えが見えてきます。

でも、知識を得るだけでは、長年積み重なってきた「自分はダメだ」という苦しさは、なかなか変わりません。

なぜなら、その苦しさは「知識の不足」から来ているのではなく、幼いころから心と身体に刻み込まれた「思い込み」から来ているからです。

 

特に、「発達凸凹※」がある人が親から叱責を受けて育った場合、「うまくできない自分はダメだ」という思い込みが深く根づきやすく、自己否定の悪循環が生まれます。

発達障害の「特徴」を理解したうえで、その思い込みに働きかけることで、初めて生きやすさが変わってくるのです。

 

※「発達凸凹」とは、診断がつかないまでも、発達障害の特徴をもっていることを言います。

 

「なぜ自分はこんなに苦しいのか」―一緒に探っていきませんか

まずは話してみるだけで構いません。

長い間、一人で抱えてきた。

それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。

「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。

 

私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、発達凸凹の特性と、親との関係から生まれた自責の深さを、両方の視点から丁寧に扱います。

 

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「もう少し読んでから考えたい」という方には、こちらもご覧ください。

 

※発達凸凹がある人が苦しくなるメカニズムを、もう一段深く理解したい方へ。

 

※発達凸凹がある人こそ、強みを活かすことが生きやすさへの近道です。その理由を知りたい方へ。

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