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悪者探しをする悪循環から抜け出すには

2025年8月21日

長年にわたる自己探究を経て、「悪者探し」をする悪循環から抜け出す方法を見つけました。

これも、母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた、私ならではかもしれません。

なんせ、自分を生きるために、試行錯誤、悪戦苦闘を重ねてきましたから。

 

自分の中に「悪者」を探す

 

思い通りにいかないときに、悪者探しをする。

 

誰にでも思い当たることなのではないでしょうか。

 

私の場合は、私の中に「悪者」を探すクセがあります。

  • 性格が悪いから、人から好かれない。
  • 頭が悪いから、勉強や仕事がうまくいかない。
  • 自分を責めてばかりいる自分が、自分の足を引っ張る。

 

私は、幼いころから、出来の良い弟と比較され、母に罵倒される日々を送ってきました。

母のことが大好きだった幼い私は、自分を「悪者」にすることで、理不尽な状況を理解しようとしたのです。

一方的に叱りつける母を「悪者」にできたら、気が楽だったかもしれませんが、どうしてもできなくて。

 

そのせいか、自分の中に「悪者」を探す習慣が、しっかり身についてしまいました。

大学進学をきっかけに親元を離れても、社会人になって独り立ちしても。

思い通りにいかないときは、いつも、私の中に「悪者」を探してしまうのです。

 

もちろん、ひどい目にあわされた相手に対して、「あの人のせいだ!」という思いが噴き出すことがあります。

ですが、相手に対する怒りはすぐに消え去り、「私の〇〇が悪いから、ひどい目にあったんだ」と、自分を責めるモードに入り込んでしまうのです。

 

さて、自分の中に「悪者探し」をするメリットは。

  • 自分が責任を負うことで、周囲の人たちの平和を守ることができる。
  • 自分に責任があると考え、自分を変えようとするので、向上心が生まれる。

 

また、私のように、自分の中でばかり「悪者探し」をするデメリットは。

  • 自分に自信が持てない。
  • 自分を肯定することが難しい。
  • 怒りが自分に向かい、内側から攻撃されるようで苦しい。

 

自分の中でばかり「悪者探し」を続けると、生きることが苦しくなってしまいます。

 

自分以外のところで「悪者」を探す

 

私の母は、自分以外のところで「悪者」を探します。

  • 家でツライ思いをするのは、意地悪な姑・舅・親戚、出来の悪い娘(ナオミ)のせい。
  • 仕事で嫌な思いをするのは、取引先の担当者がバカだから。
  • 暮らしていて嫌な思いをするのは、政治家がバカで、政策がなっていないから。

 

私の母は、「悪者」とみなした人物や組織に、改善のための働きかけをおこなうことはありません。

大抵の場合、「悪者」とみなした人物と関わることは避け、陰で悪口を言いまくるだけ。

 

せいぜい、取引先の担当者に対して、嫌がらせのような報復行為をおこなう程度。

私のことは、矯正しようとしているのか、単なる八つ当たりなのか、頭ごなしに罵倒しますけど。

 

私の母の言動は、自分の鬱憤を晴らしているだけなんです。

他の人や組織の良くないところを見つけ、そこを改善するために、効果的な方法を考え、実践を重ねる人たちとは違います。

 

私の母のように、自分以外のところで「悪者探し」をするけれど、改善のための行動をとらない人は、実はとても繊細なタイプ。

自分の中に「悪者」がいると思っただけで、耐えられなくなり、場合によっては、心が壊れてしまいます。

 

さて、自分以外のところで「悪者探し」をするメリットは。

  • 「自分は悪くない」と思うことで、善人のままでいることができ、心が軽くなる。
  • 他の人や組織の良くないところを改善しようとするモチベーションが生まれる。

 

また、私の母のように、自分以外のところでばかり「悪者探し」をするデメリットは。

  • 過去と他人を変えることは難しいので、状況の改善が見られず、増長した怒りではちきれそうになる。
  • 善人ぶりたい人の場合、他者に怒りを向けづらいので、家族など身近な人を攻撃対象にする。

 

末期ガンを患った私の母は、私を含めた周囲の人たちを恨み、呪いながら、亡くなっていきました。

自分以外のところで「悪者探し」を続けた母が、幸せだったとは思えません。

 

私や私の母ほど、極端な人は少ないでしょう。

たいていの人は、自分以外のところで「悪者」を探すモードと、自分の中に「悪者」を探すモードを、行ったり来たりしているのではないかしら。

ですが、「悪者探し」ばかりしていると、結局は、生きづらさにつながります。

 

悪者探しから抜け出すために大切なこと

 

心軽やかな日々を送りたいと切望し、自己探究を重ねてきた私は、気づきました。

 

「悪者探し」をする悪循環から抜け出すために大切なことは、自分を知ること。

 

長年にわたる自己探究の末、私は、「心は集合体」という認識にいたりました。

要するに、心の中にはいくつもの存在(部分)があるということ。

そして、心の中にある存在の全てが、私を守るために頑張っているのです。

 

※「心は集合体」ということについて、詳しくは、こちら。

 

たとえば、一緒に勉強している仲間から、手厳しいダメ出しを受けたとき。

私の中では、いくつかの部分が、いっせいに反応します。

 

①繊細な部分:「私には能力がない」と悲しむ

②ちゃんとした人でありたいと切望する部分:「能力がない自分を自覚せず、死ぬ気で頑張っていない私が悪い!」と、私を責める ⇒私の中に「悪者探し」を始める

③負けん気の強い部分:「人にダメ出しするだけのことが、あんたにもできるの!」と、相手に対して憤慨する ⇒相手の中に「悪者探し」を始める

 

ですが、「悪者探し」は、自分自身、特に、悲しむ部分を守るためにしていることなんです。

②の部分は、自分に喝を入れ、さらに頑張らせ、状況を改善することで、悲しみを感じる機会を減らそうとする。

③の部分は、相手を責め、自分は悪くないと思うことで、悲しみをまぎらわす。

 

自分を守ろうとしていることに気がついたら、「悪者探し」をしている部分たちに、優しく声をかけます。

 

悲しんでいる部分を守るために、一生懸命頑張ってくれて、ありがとう。

 

すると、「悪者探し」をしている部分たちは、自分の頑張りが分かってもらえたと思って、ホッとするんでしょうね。

先ほどまでの勢いがなくなり、静かになります。

 

感情的にわめき散らす部分がしずまると、今度は、冷静に考える部分が立ち上がってきます。

  • ダメ出しをしてきた相手について、冷静に分析し、相手の心情を推測する。
  • 相手が言うことは、真に受けないほうがいいと判断する。
  • 相手のダメ出しのエッセンスだけを取り出し、自分が向上するための方法を考える。

 

嫌な思いをしたときは、自分の心の中で起きていることに意識を向け、自分の中で対応していけば。

「悪者探し」は、ほんの一瞬で済み、「自分は次にどうしたらいいか」という方向へ向かっていけます。

 

もちろん、戦争や災害など、自分の力ではどうにもならない大きな出来事があった場合。

自分事で済ませることが難しいかもしれません。

 

ですが、自分の心の中で何が起きているのかを知ろうとして、目を向けていけば、「悪者探し」の悪循環から抜け出すことができます。

「悪者探し」のループから抜け出すと、さわやかに前進することができるんです。

 

 

今回は、悪者探しをする悪循環から抜け出すためには、自分を知ることが大切であるということについて、お伝えしました。

一見、ネガティブに見えることでも、自分を守るためにやっていることだと認識すると、心が穏やかになっていきます。

ぜひ、お試しください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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心理カウンセラーとして26年の経験を重ね、臨床心理士、公認心理師、特別支援教育士、Gallup認定ストレングスコーチの資格をもつ私。

プライベートでも、心理カウンセラーとして学んだ知識をもとに、日々、自己探究に励み、自分の心を整えてきました。

長年にわたる悪戦苦闘、試行錯誤の末、苦しい思いから抜け出し、心軽やかな日々を送れるようになっています。

 

「私と同じように、悩みや苦しい思いを抱えている人たちにも、心軽やかな日々を送ってほしい」という思いのもと。

自らの自己探究から得た知見、そして、心理カウンセラーとしての経験をつぎこみ、「セルフディスカバリー・セッション」を考案しました。

「悪いところを改善するのではなく、強みに気づき、強みを最大限に活かすことで、悩みを解消する」という個別セッションです。

 

過去にどんなつらいことがあっても、今の現状に不満を抱えていても、あきらめなければ、自分を生きることができます。

ぜひ、ご検討ください。

 

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