ささいなことでイラッとするのはなぜ?幼少期の心の傷が関係しているかもしれません

2026年7月12日

ささいなことで、カッとなってしまう。

後から「なんであんなに怒ったんだろう」と自己嫌悪に陥る。

それなのに、また同じようなことをしている。

 

そんな経験を、繰り返していませんか。

「気にしすぎだよ」と言われても、気にしないようにしようとするほど、気になってしまう。

 

それは、意志が弱いからでも、大人気ないからでもありません。

ささいなことでイラッとするとき、反応しているのは「今の自分」ではなく、幼少期に傷ついた「心の中の子ども」かもしれないのです。

 

この記事では、私自身の体験をもとに、イライラの奥にある仕組みと、心を整えるアプローチについてお伝えします。

 

きっかけは、本当にささいなことだった


きっかけは、本当にささいなものでした。

“私の誕生会をいつ開くか”、というだけの話。


例年、誕生日に一番近い週末に、夫が準備してくれます。

ですが、今年は息子(大学1年生)の予定が合わず、週末はすべて埋まっているとのこと。

「誕生会に一緒に居てくれないなんて、残念すぎる」とつぶやくと、息子が「平日なら時間を作れる」と提案してくれたのです。


私は、嬉しくなりました。

ところが、問題は夫。


夫は、急な予定変更が苦手で、案の定もめました。

「平日は、もう予定が決まっている!」と声を荒げ、息子に向かって「なんとか週末にできないのか」と詰め寄る。


その声を聞いているうちに、私の中でイライラがわきあがってくるではありませんか。

「そんなに嫌なら、誕生会なんてやらなくていい!」と、怒鳴ってしまいました。


結局、夫が折れて、平日におこなうことになったのですが、私の気持ちは晴れません。

自分でも「大人気ないな」と思いながらも、しばらくモヤモヤとした怒りが続きました。

「子どもの部分」が反応していると気づいたとき


冷静に考えれば、予定調整に時間がかかっただけ。

それなのに、なぜ、あんなに腹が立ったのか。


私は気づきました。


「これは、私の中の“大人ではない部分”が反応している」
と。

私の心の中には、いくつかの存在があり、私はそれを「心は集合体 ※1 と認識しています。


心の中にある複数の部分(存在)の中には、「子どもの部分」がいくつか。

私の場合、文句を言い散らす子を「なおなお」、傷つきやすい子を「きいちゃん」と名づけています。


イライラが続くときは、この「子どもの部分」が活性化しているサイン。

そこで私は、いつものように心を整える作業を始めました。

ステップ1:「子どもの部分」に声をかける

まず、「大人の私」が、心の中の子どもたちに声をかけます。

「なんだかイライラしているみたいだね。何がそんなに嫌だったの?」

すると、「なおなお」が答えました。

「誰も、私のことなんて大切にしてない。私は、いつも後回しなんだ!」

 

ただし、「子どもの部分」が明確になっていない場合は、そもそも、どこに声をかけたらいいか、分からないかもしれません。

 

ステップ2:「子どもの部分」の言い分を聞く

私は、「いつも後回し」という言葉にハッとするものがありました。

幼いころ、母が弟を優先し、私は後回しにされていたという感覚がよぎったからです。

 

母と弟に明るい光が降り注ぎ、私は暗い場所でひとりぼっち、というイメージが浮かびます。

私の中の子どもの部分が、ぽつりとつぶやきました。

「ママは、私のことなんかどうでもいいんだ。私は、要らない子なんだ」

そのときの「怒り」と「悲しみ」が、夫の言葉をきっかけに、再びうずいたのでした。

ただし、第三者のサポートを得て「子どもの部分」の言い分を聞くという体験を重ねていないと、要領がつかめないかもしれません。

 

ステップ3:気持ちに共感し、感情を表出する

私は「大人の私」として、「なおなお」と「きいちゃん」に声をかけました。

「悲しいね。つらかったね。よく頑張ったね」

すると、2人の子が涙を流しました。

私自身の目からも、涙がこぼれます。

心の奥に閉じ込めていた感情を表に出すことで、心が少し軽くなりました。

ただし、一人で取り組むと、「大人の部分」「子どもの部分」を明確に分けることが難しくなりがちです。

 

ステップ4:得られなかった体験を“今”の私が与える

次に、「子どもの部分」が得られなかった体験を与えます。

私は、「あなたには味方がいるよ」と伝えました。

私の周りには、今、私を支えてくれる家族や仲間がいる。

そして何より、私の心の中にいる他の存在たち※2も、あなたの味方だよ。

心の中にいる存在たちが「なおなお」「きいちゃん」を囲み、「私たちは、あなたの味方だよ」と声をかける。

そんなイメージを思い描くと、2人の子どもは、安心して、穏やかな表情になりました。

 

とはいえ、この「得られなかった体験を与える」というステップが、実は一番難しいところです。

「何を与えればいいか分からない」「やってみたけど、しっくりこない」という場合は、一人で取り組もうとすること自体に無理がある可能性があります。

 

※1:「心は集合体」という考えについて、より深く理解したい方へ。


※2:心の中にいる存在たち(パーツ)について、より深く理解したい方へ。

「心の中の子ども」と向き合うことは、一人では難しい

 

「子どもの部分」に向き合うことが大切

このような心を整える作業を一人でこなしていると聞くと、「自分で自分を慰めるなんて、情けない」と思う人もいるかもしれません。

けれど、私はこの方法が一番効果的だと実感しています。


ささいなことでイラッとするとき、反応しているのは、理屈の通じない「子どもの部分」です。

「そんなこと、気にしないで」と言っても、子どもには届きません。

だからこそ、「心の中に子どもがいる」と意識して接してみることが大切なのです。


幼少期に親との関係で心に傷を負った人は、その“子どもの心”が成長しきれずに、残っていることがあります。

ふとした刺激で、その部分から「血が流れる」ように、痛みがあふれ出す。

だから、その傷を見つけたら、絆創膏を貼るように、手当てしているのです。

 

一人で取り組むのが難しいと感じたら

私がこの4ステップを自分一人でできるようになるまでには、かなりの時間がかかりました。

ハコミセラピーを学び、専門家との個別セッションを何度も重ねて、ようやく身についたものです。

 

「自分でもやってみたけれど、なぜかうまくいかない」

「何が得られなかった体験なのか、自分では分からない」

そう感じるのは、当然のことです。

 

なぜなら、「心の中の子ども」が必要としているものは、自分一人で見つけることがとても難しいからです。

傷ついた体験は、無意識の深いところに眠っています。

安全な場で、誰かと一緒に向き合うことで、初めて浮かび上がってくるものがあります。

 

あなたの「イライラ」にも、ちゃんと理由がある

ささいなことでイラッとしてしまう。

その背景に、幼少期に傷ついた「心の中の子ども」がいるとしたら。

その子は、長い間、一人で抱えてきたのかもしれません。

 

まずは、話してみるだけで構いません。

長い間、一人で抱えてきた。

それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。

 

「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。

 

私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」の自己探究セッションでは、マインドフルネスを用いたハコミセラピーのアプローチで、「心の中の子ども」の声に、安全な場でそっと触れていきます。

 

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「もう少し読んでから考えたい」という方には、こちらもご覧ください。

 

※イライラの背景にある自責の構造を、もう一段深く理解したい方へ。

 

※「心の中の子ども」が反応する仕組みを、別の角度から理解したい方へ。

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