自分の才能を認められない理由と向き合う方法
才能診断テスト「ストレングス・ファインダー」の結果を初めて見たとき、私は素直に自分の才能を認めることができませんでした。
期待していたはずなのに、出てきた資質を眺めるほど、気持ちは落ち込んでいく。
「私には、こんなつまらない才能しかないの?」
そんな失望が、胸の中に広がっていきました。
しかし、時間をかけて自己理解を深め、心の傷と向き合いながらセルフケアを続けるうちに、「自分の才能って悪くないかも」と思えるようになったのです。
今回は、私がその過程で気づいた、「自分の才能を素直に認められない背景にある心理」「自分の才能を認める方法」について、お伝えしていきます。
才能診断を受けてガッカリしてしまう理由

才能診断の結果にガッカリした私
ストレングス・ファインダーは、ギャラップ社が開発した「才能を可視化するためのテスト」。
私も、ワクワクしながら結果を開きました。
しかし、並んでいたのは“派手さのない”資質ばかり。
上位資質は、戦略的思考力や人間関係構築力の領域に偏っていて、
- 分析思考
- 着想
- 自己確信
といった、私の中で「かっこいい」と思っていた才能は見当たりません。
さらに、心理カウンセラーとして必要だと思っていた「回復志向」さえ、上位にはありませんでした。
バランスが悪い、ありきたり、地味……。
自分の才能を知るはずのテストで、まさか落ち込むなんて、思ってもみませんでした。
しかし、振り返ってみると、ガッカリした理由は、「資質そのもの」ではありません。
本当の理由は――
“理想の自分”とのギャップが、あまりにも大きすぎた
からなんです。
※「ストレングス・ファインダー」について、詳しくはこちら。
「理想の自分」が大きすぎると、現実の自分を受け入れられない
誰にでも「こうなりたい」という理想像があります。
努力の源にもなる、大切な存在です。
しかし、その理想像が、非現実的にふくらんでいくと、
- 等身大の自分
- 生まれ持った資質
- 自然に発揮している強み
といった“本来の私”が、見えにくくなります。
まるで、理想像という巨大なライトに照らされて、現実の自分がかすんで見えるような感覚です。
「理想の自分」が作られる背景にあるもの

「理想の自分」は、親の価値観の影響を強く受ける
理想像が大きくなってしまう背景には、幼少期の親との関係が影響していることが多いです。
子どもにとって、親は絶対的な存在。
褒められたい、認められたいという思いから、親の「良い・悪い」をそのまま取り入れます。
私の場合、母は精神的に不安定で、私だけが過剰に否定されることが多い環境でした。
弟が同じことをしても許されるのに、私だけが怒られる。
そんな日常の中で、
「人並みではダメ。あり得ないほど素晴らしい自分でなければ、愛されない」
という極端な価値観が心に刻まれたのです。
そんな“超人的な理想”を掲げていたら、現実の才能を見たときにガッカリするのは、当然でした。
世間の価値観も「理想の自分」を強化してしまう
大人になるにつれ、社会で評価される人物像を取り入れるようになります。
・優秀さ
・効率性
・特別な才能
これらは、時代や地域の影響を強く受ける、“外部の価値観”です。
本来の自分とは関係がないのに、いつのまにか、「これが正解」と信じてしまいます。
しかし、こうして形作られる理想像は、あなたの本質とは無関係。
むしろ、自然な才能を覆い隠してしまうことさえあります。
自分の才能を認め、活かすために

自分の才能を認められない自分に向き合う
では、自分の才能を素直に受け入れるには、どうすればよいのでしょうか。
①「理想の自分」を丁寧に見つめる
まずは、自分の中にある理想像を言語化してみましょう。
私は、何でも器用にこなし、ずば抜けた能力を持つ、“超人”のような理想を抱えていました。
文字にしてみると、「あまりに非現実的だな」と気づきます。
②その理想が“誰の価値観”から来ているのか探る
親の影響かもしれないし、世間の価値観かもしれません。
「これは、本当に私の望み?」と自分に問いかけると、植えつけられた価値観と、心からの願いが、区別しやすくなります。
③もし才能を認められない苦しさが強いなら、心の傷が隠れていることも
自己否定が強すぎて、どうしても自分の才能を受け入れられない場合。
幼少期に経験した心の痛みが影響している可能性があります。
その場合は、専門家の助けを借りたり、セルフケアで心の傷に優しく触れていくことが大切です。
私自身も、専門家のサポートを受けながら自己探究を続けたことで、ようやく、等身大の自分を受け入れられるようになりました。
自分を理解すると、才能は自然と輝き始める
育った環境や心の仕組みを理解し、自分を大切に扱えるようになったとき、初めて才能が好ましく感じられるようになります。
才能は“特別な人だけにあるもの”ではありません。
誰の中にも、必ずその人ならではの資質があります。
異世界転生の物語が流行していますが、あなたの人生は一度きり。
自分の才能を認めて活かしながら生きることができれば、人生の景色は確実に変わっていきます。

もし今、
- 自分の才能をどうしても好きになれない
- ストレングスファインダーの結果に落ち込んでしまう
- 理想の自分が離れず、苦しさを感じている
という状況があるなら、そこには、“心の背景”が必ずあります。
ひとりで抱え込みすぎず、必要であれば専門家の力を借りてみてください。
私のセッションでは、
- 心の傷にやさしく触れながら、癒していくこと
- 植えつけられた価値観から、自由になるプロセス
- あなた本来の才能を見つけて育てるサポート
を大切にしています。
「自分を理解しながら、より生きやすくなりたい」
そんな方のお力になれたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたの才能が、これからの人生の中で、自然に輝いていきますように。






















