信頼できる心理カウンセラーの見極め方|苦い体験を経て気づいたこと
「信頼できる心理カウンセラーって、どんな人だろう?」
カウンセリングを受けようと考えるとき、多くの方が一度は抱く疑問です。
実は、私自身、心理カウンセラーの選び方を深く考えなかった結果、突然、カウンセリングを打ち切られるという苦い経験をしました。
その出来事をきっかけに、信頼できるカウンセラーとはどんな存在なのか、深く向き合うことになったのです。
ここでは、私の実体験と、心理カウンセラーとして長年、現場に関わる中で感じてきた視点から、「安心して相談できる心理カウンセラーの選び方」について、お伝えします。
カウンセリングを打ち切られた苦い体験

当時の私は、著名な心理カウンセラーのもとに、2年間通っていました。
ところが、ある日、突然、こう告げられてしまいます。
「あなたは病理が深い」
「私は年だから、もう対応できない」
「今日で終わりにしましょう」
青天の霹靂でした。
まさか専門家から見捨てられるとは思いもしなかった私は、強いショックを受け、自分を責め続けました。
「私が悪いんだ」
「本音を出したら嫌われる」
「私はどこに行っても拒絶される」
その感覚は、母が弟ばかりを可愛がり、私を遠ざけていた幼少期の記憶と重なりました。
“親との関係は、他の人間関係にも持ち越される” と頭では理解していたものの、まさか心理カウンセラーに対して、同じ痛みを感じるとは思っていなかったのです。
この経験は、私の心に大きな傷を残す一方で、後に 「カウンセラー選びは本当に大切だ」 と気づくきっかけにもなりました。
※心理カウンセリングを2年で打ち切られたことについては、こちら。
依存は悪いことではない。でも「一極依存」は危険

私は、カウンセリングを受けるまで、対人関係の不安が強く、“人と関わるのは苦手”という意識をもっていました。
そのため、自分が依存先を求めているとは、夢にも思っていなかったのです。
ところが、カウンセリングを受けるうちに、次第に、心理カウンセラーに強く依存するようになりました。
心のどこかで、心理カウンセラーに、母の姿を重ねていたのでしょう。
つい、“どれだけ自分を大切に思ってくれているか” を、試すような言動をしてしまったのです。
当事者研究をおこなっている研究者、熊谷晋一郎氏の講演にて、
「自立とは、依存先を増やすこと」
という話を聞き、目からウロコが落ちました。
依存そのものは、悪いことではありません。
大切なのは、様々な人、物に、場所に、ちょとずつ依存できる状態。
依存先が増えるほど、一つの関係に過度にしがみつかなくても良くなり、心理的にも、社会的にも、安定するのです。
一方、依存先がたった一つしかない状態は、不安や苦しみを生む「一極依存」 になりやすいのです。
私の場合、カウンセリングの打ち切りは、かなりの痛みをともないました。
ですが、「お陰で、一極依存にならずに済んだ」と、今では前向きにとらえられています。
心理カウンセラーを選ぶときのポイント

避けたいタイプ
心理カウンセラーにもさまざまな人がいますが、経験上、次のタイプには、注意が必要です。
- 極端なカリスマ性を前面に出す
- 自分の実績を過剰にアピールする
- 有名な専門家の名前を頻繁に持ち出す
- クライエントを「良い/悪い」でジャッジする
- 自己研鑽をやめ、学びを深めようとしない
こうした特徴があるカウンセラーの中には、クライエントから崇拝されることを好む人もいます。
その結果、相談者がその人に過度に依存してしまい、他の依存先やサポート資源を持ちにくくなってしまうのです。
カウンセリングの世界では、専門家がクライエントを囲い込む構造が生まれることもあります。
そこに気づかず、依存が深まると、相談者が自分の世界を広げにくくなるため、注意が必要です。
信頼できる心理カウンセラーの特徴
では、安心して相談できる心理カウンセラーとは、どんな存在なのでしょうか。
私がこれまで出会った信頼できる人たちには、次の特徴がありました。
- 飾らず、作った自分を見せない
- 心を開き、双方向的な関わりができる
- 一緒にいて安心感がある
- クライエントを信頼してくれる
- ジャッジせず、事実と感情を丁寧に分けて扱う
- 自己研鑽を継続している
信頼できるカウンセラーは、クライエントが新しい依存先を見つけたり、自分の世界を広げていったりすることを、心から喜んでくれます。
「戻ってくる必要はない」と感じられるほど、安心して自立を応援してくれる存在です。
“あなたが心地よいかどうか” も重要な基準
専門家としての側面も大切ですが、実際には「相性」も非常に重要です。
これは、親との関係性や育ってきた環境によっても変わります。
たとえば、あなたは、どんなカウンセラーを心地よいと感じるでしょうか?
- 優しく寄り添うタイプ
- 一歩離れて静かに見守るタイプ
- 知的で客観的に整理してくれるタイプ
- 感情豊かにリアクションを返すタイプ
- ユーモアがあって柔らかいタイプ
どれが正しいというものではありません。
「自分が安心できる人」を理解するほど、カウンセラー選びは、スムーズになります。
資格の有無よりも大切なもの
臨床心理士や公認心理師などの資格は、一定の専門知識がある証明になります。
私自身も資格保有者ではありますが、「資格がある=信頼できる人」とは、必ずしも言い切れません。
本当に大切なのは、
その人が、どんな在り方で、クライエントと向き合っているか
です。
そのための見極めポイントは、次の2つ。
- 出会ったときの違和感を大切にする
- 自分が感じたことを、そのまま伝えてみる
誠実なカウンセラーなら、それを否定せず、丁寧に受けとめてくれるはずです。

信頼できる心理カウンセラーに出会えることは、人生の質を大きく高めます。
悩みが軽くなるだけでなく、自己理解が深まり、生き方がほぐれていくからです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたが安心できる専門家と出会えることを、心から願っています。























