論理的なタイプに有効な「考え方の修正」|アンガーマネジメント②
「そんなことで怒らなくてもいいのに」と、自分でも分かっているのに――。
頭の中に浮かぶ考えが引っかかって、なかなか怒りがおさまらない。
そんな経験はありませんか。
考え方のクセに気づかないまま、怒りを重ねてしまうのは、決して意志が弱いからではありません。
頭の中に自動的に浮かぶ「考え」が、そうさせているだけなのです。
私自身、アンガーマネジメントの研修会で、「考え方の修正」にくり返し取り組みました。
ですが、頭では分かっていても、腹の底では納得できない――。
そんなもどかしさを何度も味わってしまったのです。
「考え方の修正」は、怒りをコントロールするための方法、「アンガーマネジメント」に含まれる要素の1つ。
ちなみに、「アンガーマネジメント」の要素は、以下の3つから構成されています。
②考え方の修正(今回の記事)
今回は、「アンガーマネジメント」の要素の1つ、「考え方の修正」の具体的な手順と、その効果、そして私のように直感的なタイプが感じやすい限界についてお伝えします。
「考え方の修正」が肝心なのは?
原始社会では、「怒り」は命を守るために、大切な感情です。
- 目の前に敵が現れ、命の危険を感じたときに「恐怖」が生まれる。
- 「恐怖」を「怒り」というエネルギーに変えることで、敵と闘う。
- 敵と闘い、倒すことで、命を守る。
そして、敵がいなくなれば、「怒り」も必要がなくなって、スーッと消えていきます。
ところが、現代社会では、命の危険にさらされるような出来事は、そうそう起こりません。
しかも、原始社会より複雑なので、敵がハッキリしないこともあれば、敵を倒しても、解決しないことも多い。
そのため、「怒り」を引きずってしまいがちなのです。
また、現代社会において、なかなかおさまらない「怒り」には、人間ならではの要因があります。
頻繁に、強く、長く続く「怒り」の原因。
それは、ずばり、頭の中に自動的に浮かぶ「自分の考え」。
「不快な出来事」は、「怒り」が生まれる「きっかけ」に過ぎない。
ちなみに、「自分の考え」から「感情」などが生まれるプロセスは、こんな感じ。
そして、こうしたプロセスをもとに、激しい「怒り」をコントロールするための方法として編み出されたのが――。
「怒り」を生み出す「考え方」を修正する
という方法。
古くは「論理療法」、最近では「認知療法」「認知行動療法」などとも言われている方法です。
「考え方の修正」の教科書的な手順
私が、アンガーマネジメントの講座で学んだ、「考え方の修正」の手順について、お伝えします。
「怒り」の記録をつける

表やカードを作って、毎日、「怒り」の記録をつけます。
「アンガーログ」とも呼ばれるもの。
記録する項目は、以下の通り。
- いつ
- どこで
- きっかけとなった出来事
- 頭に浮かんだ言葉
- そのときの気持ち
- 感じた気持ちの強さ(10段階で評価)
- そのときにとった行動
- 行動をとった結果として起きたこと
「考え方のパターン」を見つける
記録を続けていくと、「怒り」を感じたときに浮かぶ、「頭に浮かんだ言葉」に特定の傾向が見えてきます。
これが、自分の「考え方のパターン」です。
私の場合、「相手に絶対に迷惑をかけてはいけない」という「考えのパターン」があることが見えてきました。
そして、「怒り」は、自分自身に向きやすいようです。
「自分の考え方」を「合理的な考え方」に変えていく
「考え方のパターン」が見えてきたら――。
「本当にそうなのか?」
「ほかの可能性はないのか?」
と自分に問いかけながら、合理的な考え方に修正していきます。
相手には絶対に迷惑をかけてはいけない
↓
だれでも、相手に迷惑をかけてしまうことがある。
ほかの人に迷惑をかけたとしても、あとからフォローすれば、何とかなる。
これで、終了!
できるだけ、自分の腑に落ちるような考え方に修正するのがポイントです。
「考え方の修正」の効果と限界
アンガーマネジメントの肝とも言える「考え方の修正」。
この方法の効果と、私が感じる限界について、お伝えします。
「考え方の修正」の効果
頭に自動的に浮かぶ「考え」は、「自動思考」、「ビリーフ(信じ込み)」とも呼ばれています。
「ビリーフ」は、家族や学校の先生たちから植えつけられたものだったり。
周りの人たちが持っていた「考え」を取り入れたものだったり。
小さいときには、生活を送るために、大切な「考え」でした。
そうした「ビリーフ」が常識的な範囲にとどまっているうちは、問題になりません。
ただ、「ビリーフ」が絶対的なものに育ってしまうと、ちょっとのことでもカチンときて、「怒り」がおさまらなくなるのです。
例えば、「相手に迷惑をかけてはいけない」というビリーフ。
小さいときは、相手に迷惑をかけないように気をつけて過ごしていると、ほめられるし、怒られることが減る。
でも、「相手には絶対に迷惑をかけてはいけない!」という感じに、頑なな「考え」に育ってしまうと――。
いい加減なことをする周りの人たち、あるいは、失敗した自分に、腹が立ち、怒りが暴走する!
そこで、こり固まった「考え」を、今の状況にふさわしい「考え」に修正します。
すると、出来事のとらえ方が穏やかになり、「怒り」も感じなくなるのです。
物事を論理的に考えるタイプには、なかなか効果的な方法です。
「考え方の修正」の限界
ただし、この「考え方の修正」は、誰にでも同じように効くわけではありません。
私自身、アンガーマネジメントの研修会で「考え方の修正」にくり返し取り組みましたが、どうしても腑に落ちない――。
頭では分かっているんだけど、腹の底では納得できない、という感じでした。
物事を直感的にとらえ、感情が強めな私には、「考え方を修正する」という方法が、なじまないようです。
それに、私の場合、根底にある「考え」が、「やっぱり私は要らない子」。
かなり非常識な考えなのですが、その考えをにぎりしめていて、修正案をガンとして受けつけない。
どんなに頑張っても、「考え方を修正する」という方法が、功を奏さないのです。
「考え方の修正」以外の方法
直感的で感情が強めなタイプであり、ある意味、非常識な考えをもつことで生きのびてきた私。
「考え方を修正する」方法は、歯が立ちません。
そんな私が、取り組んでみて、わりとうまくいった方法をご紹介します。
「考え」を頭の中から消す
不快な出来事や、ネガティブな考えをくり返し思い出すほど、「怒り」は強まっていく!
そんなときは、全く別のことを考えて、頭の中を静かにすると、ネガティブな感情がスーッと消えていきます。
※「考え」を頭の中から消すための具体的方法について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
「考え方」のバランスをとる
ある出来事によって生じた「マイナスの側面」。
同時に生じている「プラスの側面」。
両方の側面を同じ分だけそろえると、考え方のバランスが取れ、気持ちが落ち着きます。
※「考え方のバランスを整える」ための具体的な方法について、もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。
「心育て」に取り組む
非常識で、頑なな「ビリーフ」がどのように作られ、心の中にある「子どもの部分」に握りしめられていくのか。
そのことについては、「アンガーマネジメント①」の記事、「心の傷」の章でお伝えしました。
※詳しくは、こちら。
怒りに振り回されないための「ストレスマネジメント」|アンガーマネジメント①
その「子どもの部分」が活性化しているとき、冷静な「大人の部分」が対処しようとしても、ほとんど力を発揮することができません。
そのため、大人の部分が、日頃から、子どもの様子を理解し、安心を届けられるよう「心育て」をしていくと、はじめて合理的な考えが、心に届くようになります。
ただし、「子どもの部分」は、自分一人で関わるのが難しいことが多いので、最初は専門家などと一緒に取り組んでいくといいかもしれません。
※「心育て」について、関心がある方は、こちらもどうぞ。
一人で頑張らなくても大丈夫
「考え方の修正」を試してみても、頭では分かっているのに、なかなか腑に落ちない。
そんな自分が、もどかしくて、イライラする。
それは、あなたの中に、簡単には手放せない「ビリーフ」が、しっかりと握りしめられているからかもしれません。
まずは、話してみるだけで構いません。
長い間、その考え方を握りしめて、なんとかやってきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、頭で分かっていても手放せない「考え方」や「ビリーフ」にも、一緒に向き合っていきます。
👇 まずは体験セッションから(初回限定・50分・2,500円)

※頑なな「ビリーフ」の背景にあるものを、理解したい方へ。
























