自分を「否定する部分」は予想外の体験でひるんだ【私が自分を生きるまで⑨】 

2026年9月6日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

生きづらさを解消し、「自分を生きる」ために、自己探究を重ねていきます。  

 

自己探究の過程で、自分の心の中にある、自分を「肯定する部分(パーツ)」と「否定する部分(パーツ)」が、見えてきました。

ですが、この2つの部分は、実は、敵同士ではなく、協力し合える関係だったということが明らかになったのです。

そして、さらに自己探究を続けていくと、あんなに頑強だった「否定する部分」が、消えてしまうという事態が起こりました。

 

今回は、自分のふがいなさに腹を立て、嘆き悲しむという、自分を「否定する部分」が、予想外の体験によってひるみ、一時的に消えたときの出来事について、お伝えします。

 

自分を「否定する部分」が苦しい思いを生む

 

「否定する部分」が敵ではないと、頭では分かっていても

「苦しい思いを抜け出して、心軽やかな日々を送りたい!」と、切望していた私。

「ハコミセラピー ※1 という心理療法のグループワークを通して、自己探究を重ねていきました。

そして、グループワークに参加して、3年近くが経つと、自分の心の内面で起きていることが、随分と分かってきたのです。

 

※1:「ハコミセラピー」は、「マインドフルネス」を使って、心と身体の両方に働きかける心理療法です。

 

自分を「否定する部分」は、私をより良い人間にしたいという、ポジティブな願いを持っている。

自分を「肯定する部分」は、「否定する部分」を敵とはみなさず、助けようとしている。  

 

頭では、分かっています。

でも、自分を「否定する部分」が姿を現すと、私をとことん罵倒してくるので、もう苦しくて、苦しくて、しかたない。  

 

自分を「否定する部分」さえ、なくなってしまえば、もっと楽になれるのに!

 

そんな風に思ってしまうのです。 

 

※自分を「否定する部分」が敵ではないと分かった体験について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

自分を「否定する部分」が、特別な環境下で活性化する

自分を「否定する部分」が、どうしても受け入れがたく、苦しんでいたとき。

私は、ハワイのモロカイ島で行われた、7泊8日の「ハコミ・リトリート※2 に参加しました。

 

※2:「リトリート」とは、仕事や家庭などの日常生活を離れ、自分だけの時間をもって、疲れを癒す方法のことです。  

 

ハコミ・リトリートの主催者は、ドナ・マーチンさんジョージア・マービンさん

2人とも、ハコミセラピー・シニアトレーナーの資格をもつ、カナダ人です。  

参加者は、世界各国から集まり、全員で20数名、うち、日本人は、私も含めて9名でした。  

 

朝から、ハコミセラピーのグループワークをおこなって、自分の心の奥底にあるものを探っていく。

三食の食事も、参加者と一緒にとる。

寝るときも、参加者と同室。

 

そんな特別な環境の中で生活していると、心の内側にあるものが、こわいほどにハッキリしてきます。  

日常生活でも起きている、自分のパターンが、増幅されて感じられるのです。

私の場合、自分を「否定する部分」が、どんどん活性化されていきました。

 

海外からの参加者が、好意的な態度で話しかけてくると――、

私の心の中で、「苦しい思いをするときのパターン」が発動しまくるようになったのです。 

 

苦しい思いをするときのパターン

苦しい思いをするときのことを、私の心の中の存在(キャラクター)の動きとして、説明してみます。

 

ハコミ・リトリートに参加し、他の参加者から話しかけられると――、

私の心の中にいる、厳しい成人女性、「タカハシさん」が、久々に騒ぎ始めました。

  • 好意をもってくれている人には、こちらから積極的に話しかけないといけない。
  • 相手が関心を持つ内容を選んで、気のきいたことを言わないといけない。
  • 相手に嫌な思いをさせるから、黙っていてはいけない。

 

「タカハシさん」の無理難題に近い指示に戸惑い、私は、動けなくなりました。  

すると、今度は、「タカハシさん」が、私の言動にダメ出しをします。

  • 自分から積極的に話しかけることもできないなんて、情けない。
  • 気のきいたことも、言えないなんて、バカ丸出し。
  • 何も言えずに、黙っているなんて、愚の骨頂。

 

とたんに、私は、対人緊張が強くなり、表情も、言動も、ギクシャク、ギクシャク。

ハコミセラピーのワークにも、参加しづらくなりました。

すると、「タカハシさん」の叱責は、さらに大きくなっていきます。

  • ほかの参加者は、ナオミと一緒にワークをすることを、迷惑だと思っている。
  • ナオミだけ、気づきが浅くて、使いものにならない。

 

「タカハシさん」の叱責がエスカレートするに従って――、

私の心の中にいる、寂しげな小さな女の子、「きいちゃん」の嘆きや悲しみが、強烈になっていきます。

  • やっぱり、私は、ほかの人とは違って、ダメな人間なんだ。

 

自分で自分を責めまくり、責められた自分自身が、自己否定の沼に沈んでいく。

「苦しい思いをするときのパターン」が、ハッキリと浮かび上がってきました。

 

※心の内面で起こっていることを、擬人化して理解することについて、興味のある方は、こちらもどうぞ。

 

予想を超える体験をして真っ白になる

 

ビリーフの中に沈んでいく私

私の心の中にいる、「きいちゃん」という女の子。

私が理想的な人間になっていないと、嘆き、悲しみます。

 

「きいちゃん」「ビリーフ(幼少期に生まれた考え方のクセ)は――、

「私は、ほかの人とは違って、ダメな人間だ」。  

 

ハコミ・リトリートのグループワークに参加するうちに。

私は、ビリーフの中に、どっぷりと沈んでいきました。

 

苦しくて、息がつまりそう。

そして、自分がダメな人間であることを他の人に知られないよう、押し黙り、気配を消していく。

 

思えば、私が幼いころから、母が私のささいな言動に激怒し、母の気が済むまで罵倒されるという状況がくり返されていました。

ビリーフが発動すると――、

母に怒られる被害を最小限にするために、幼い私が身を縮めていたのと同じような態度を、大人になっても取ってしまうのです。 

 

「なおちゃん」のシェアが突破口になる

人との関わりを避け、気配を消して、じっとしている。

そんな状況を打ち破ったのが、私の心の中にいる、元気な女の子、「なおちゃん」でした。

 

ハコミセラピーのグループワークに参加したことを、思い出してみて。

人に知られたくないことを、みんなの前で言うと、これまでも新しいことが起こったじゃない。

また、やってみよう!  

 

そう思った「なおちゃん」

ハコミ・リトリート最終日の前日。

体験をシェアする時間に手をあげ、自分の内面で起こっていることを話し出します。

  • 私は、自分のことを「ゴキブリ」のような人間だと思っている。
  • 心の中に「きいちゃん」というキャラクターがいて、「私は、ほかの人とは違って、ダメな人間だ」と信じ込んでいる。
  • ハコミ・リトリートに参加している間も、自分だけが汚い存在で、みんなから嫌われていると思っている。
  • 日常生活でも同じことが起こっていて、いつもツライ。

 

すると、シニアトレーナーのドナ・マーチンさんが、言いました。

「自分がゴキブリのような存在だと思う人は手をあげて」  

 

「何を言ってるんだか。そう思っているのは、私だけよ」

そんな風に思ったのですが――。  

 

な、なんと!

ほとんどの人が手をあげている!  

 

私は驚きのあまり、ぼうぜんとしました。

 

ゴキブリダンスは予想をはるかに超えた

参加者のほとんどが手をあげているのを見た、ドナさん。

「じゃあ、みんなで、ゴキブリダンスを踊りましょう!」  

 

私も含めて、20名弱の参加者が立ち上がり、前の人の肩に手を置いて、大きな輪になります。

そして、参加者全員で、「ラクラカーチャ」というメキシコ民謡を歌いながら、リズミカルに歩き、身体をゆすって、踊り出しました。

「ラクラカーチャ」とは、スペイン語で「ゴキブリ」のこと。  

 

ひとしきり、「ゴキブリダンス」を踊ったあと。

海外からの参加者たちが、私に近寄ってきました。  

 

私も、あなたと同じ気持ちを抱いていて、ずっと苦しんでいた」

「一緒に踊れて良かった」

そして、いきなりのハグ。  

 

私の心の中にいる「なおちゃん」は、楽しかったとウキウキ。

ですが、「タカハシさん」「きいちゃん」は、沈黙しています。

予想をはるかに超えた展開を理解しきれずにいること、そのため、心の中にモヤっとした感じがあることだけ、感じられました。

 

自分を「否定する部分」がひるみ、一時的に消える

 

誰にも気がねせず、ただ泣いてしまう

ハコミ・リトリートのグループワークが、全て終了したとき。

私の頭の中に、ある考えが浮かびました。    

はるばるハワイまで、お金と時間をかけてやってきたのに、何も得るものがなかったなあ。

 

すると、いきなり、私は、とてつもなく悲しくなり、涙が止まらなくなりました。

なんで泣いているのか、分からない状態になっても、涙が止まりません。  

 

みんなの前で、声をあげて泣いているのに、「タカハシさん」も、「きいちゃん」も、沈黙したままです。

普段だったら、「タカハシさん」が、「人前で泣くなんて、恥ずかしい」と、ダメ出しをするのに。

「きいちゃん」が、「人前で泣いてる私は、大人げなくて、ダメな人間」と、嘆き苦しむのに。  

 

自分を「否定する部分」の声が、聞こえてこず、心の中は、とっても静か。

誰にも気がねすることもなく、私は、声をしゃくりあげて、小さな子どものように泣きました。

こんなに思う存分、泣いたことは、初めてでした。

 

文字通り、涙がかれるまで、数時間、泣きつくしたら、気持ちがスッキリ。

まるで、数十年分の悲しみが、一気に噴き出た感じ。

これまでに味わったことがないほど、ハレバレとした気持ちになりました。

 

ハコミ・リトリートでは、ノンバイオレンスな雰囲気が漂っていたこと。

休憩時間には、海外からの参加者が、積極的に私に話しかけてくれたこと。

泣いている間は、スペイン人の女性が、ずっと寄り添ってくれたこと。

 

こうした環境が、安全な場として機能していたからこそ、私に何かが起こったのだと思います。 

 

ビリーフとは正反対の体験の効果

日本に帰国してから、しばらくの間、「タカハシさん」「きいちゃん」も、日常生活で現れなくなりました。

後から振り返ると、「ダメ人間は自分だけ。異国の人は、日本人とはまったく違った感性をもっている」と信じ込んでいた「きいちゃん」「タカハシさん」

ハコミ・リトリートで、自分の考えをはるかに超える体験をして、あり得ないほどの衝撃を受け、真っ白になってしまったようです。

 

つまり、自分を「否定する部分」が、予想外の体験によってひるみ、一時的に消えたのです。

自分が信じ込んでいる「ビリーフ」とは、正反対の体験をすると、心の内面に大きな変容が起こるとも言えます。  

 

私の体験は、自分でも、かなりの荒療治だと思います。

刺激が強すぎるので、正直、おすすめできません。  

 

ですが、頭で考えすぎて、凝り固まっているとき。

「体験する」という方法は、凝り固まったパターンを打開するのに、効果的です。

いろいろな体験を重ねている人ほど、気づきが多いのも、うなずけます。  

 

とはいえ、数ヶ月ほど経つと、また、自分を否定する部分」が主張を始めてきました。

まあ、ひるんで姿を消していたのは、一時的なものだったとはいえ、私にとっては大きな一歩でした。

 

一人で頑張らなくても大丈夫

自分を否定する部分が、ふっと静かになる瞬間。

それは、頭で理解して起こることではなく、安心できる場と、支えてくれる人がいたからこそ、訪れたものでした。

 

まずは、話してみるだけで構いません。

長い間、一人で抱えてきた。

それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。

「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。

 

私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、無理に荒療治をしなくても、あなたのペースで、自分を否定する部分(パーツ)の声とじっくり向き合っていきます。

 

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「もう少し読んでから考えたい」という方は、こちらもご覧ください。
 

※続きはこちら。自分を否定する部分がなくなったら、こんなことが起こりました。その後の自己探究のプロセスが気になる方へ。

 

※「ハコミセラピー」について、詳しく知りたい方へ。

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