激しい感情が噴き出すことで自分を「否定する部分」の役割を知る【私が自分を生きるまで⑩】
母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。
生きづらさを解消し、「自分を生きる」ために、自己探究を重ねていきます。
自己探究の過程の中で、自分を「否定する部分(パーツ)」が一時的に消えました。
これまで、自分を「否定する部分」の声に、心が削れ、本当に苦しい思いをしてきた私でしたので――。
「これで、心軽やかな日々が送れる」と思ったのですが、大間違いでした!
「怒り」が暴走して、自分でも戸惑うような状況になってしまったのです。
今回は、自分を「否定する部分」が一時的に消えたことで、かえって見えてきた、その部分が担っていた大切な役割について、お伝えします。
自分を「否定する部分」がなくなったけれど
予想外の体験で「否定する部分」が消えた
2018年の5月、ハワイのモロカイ島でおこなわれた「ハコミ・リトリート」※1。
「ハコミセラピー」※2 という心理療法の手法を使って、さまざまなグループワークをおこない、心の深い層まで掘り起こされていきました。
そして、7泊8日の濃厚な、そして、予想外の体験を通して――、
私を「否定する部分」が一時的に消え去ったのです!
※「リトリート」とは、仕事や家庭などの日常生活を離れ、自分だけの時間をもって、疲れを癒す方法のことです。
※「ハコミセラピー」とは、「マインドフルネス」をベースに、心と身体の両方に働きかける心理療法です。
ちなみに、この「否定する部分」を、私は、「心の中にいる2人のキャラクター」として見ています。
私が、自分の心の内面で起こっていることを擬人化し、見つけ出したのが、「8人のキャラクター」。
この「8人のキャラクター」の関係性を通して、自分に対する理解を深めているのです。
「否定する部分」は2人のキャラクター


私を「否定する部分」の1人は、「タカハシさん」という、厳しい成人女性。
私が、失敗をしないように、あれこれと指示を出し、思い通りの結果を出さないと、ダメ出しや叱責をぶつけてきます。
もう1人は、「きいちゃん」という、寂しげな小さな女の子。
うまくいかないことがあると、「やっぱり私は要らない子!」と、猛烈に嘆き苦しみます。
そんな2人が、ハコミ・リトリートでの予想外の体験によって、消え去った。
「タカハシさん」も、「きいちゃん」もいなくなったら、どれほど心が軽くなるだろう。
私は、ワクワクしていたのですが――、
感情が爆発するような感じになり、自分でも戸惑うほどになってしまったのです。
ちなみに、この記事を書いた時点では、私を「否定する部分」として、この2人のキャラクターしか認識していませんでした。
後になり、もう1人いることに気づきます。
ですが、ここでは、この2人のキャラクターとして、書き進めることにしました。
※予想外の体験をすることによって、自分を「否定する部分」が消えたことについて、関心がある方は、こちらもどうぞ。
※心の内面で起こっていることを、擬人化して理解することについて、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
感情が暴走して噴き出す
それまでの生活においても、「嫌だな。腹立たしい」など、ネガティブな感情が浮かぶことはありました。
とはいえ、モヤっとして終わる程度です。
ところが、ハコミ・リトリートから帰国した後は、急変します。
これまでとは、比べものにならないほどの強い感情が、ものすごい勢いで噴き出してくる!
特に、「怒り」。
10倍ぐらいに強まった感じで、怒りが爆発する!
初めて会ったのに「大キライ!」
感情の爆発が初めて起こったのが、帰国して1か月ほど経ったころ。
職場で新人さんに会ったときのことでした。
普通にかわいらしい20代半ばの女性。
あいさつを交わしただけなのに――。
「この人、大キライ!!」
ものすごく強い感情がわきあがってきました。
私自身も、びっくりして固まってしまうほど。
だって、キライだと思う理由なんて、考えても、みじんもないんだもの。
あまりのことに、私自身もビックリして、オタオタするばかり。
できるだけ平静を装い、気持ちが表に現れないように努めます。
「ごめんなさい。なんか、今日、疲れていて」と言って黙りこくり、その場をとりつくろうのが精一杯でした。
夫とケンカをして衝動的に車外に飛び出す
帰国して3か月が経ったころ。
家族で旅行に出かけ、夫が運転する車で自宅へ帰る途中にも、事件が起こりました。
ささいなことで、夫と口げんかになったら――。
「こいつを許すものか!」
はらわたが煮えたぎるような強い怒りが、腹の底からわいてきたのです。
これまでだったら、イラッとしたあと、次第に気持ちが沈んでいき、落ち込んで動けなくなるというのが、お決まりのパターンだったのに。
このときは、怒りのボルテージがハンパない。
車中で夫と同じ空気を吸うことすら、イヤでイヤでたまらない。
とうとう、ガマンの限界。
車が赤信号で止まった瞬間に、衝動的に車から降りてしまったのです!!
そのまま、車が追ってこれないような方向へ走り、車をまいてしまいました。
夫から離れると、とたんに、開放的な気持ちに。
道端にある看板(地図)などを頼りに、鼻歌まじりで、1時間ぐらい歩きました。
そして、近くの駅までたどり着くと、電車に乗って家まで帰ったのです。
(当時は、スマホをもっていなかったので、地図機能が使えませんでした)
自分を「否定する部分」の役割が見えてくる
感情が爆発するという体験を通して、気づいたこと。
①自分を否定する部分は、ネガティブな感情が表に出ることを抑えていた。
②ネガティブな感情を抑えることは、小さい私にとってはメリットがあった。
それぞれについて、考えてみました。
ネガティブな感情を抑えていた
まず、「タカハシさん」という、心の中にある批判的な部分。
常識から外れたことを嫌がり、ダメ出しや叱責で、私の感情を封じています。
たとえば、新人さんの女性に会って、イヤな印象をもった場合。
「タカハシさん」は、「会ったばかりの相手を嫌ってはいけない」というダメ出しをするはず。
すると、ネガティブな感情は抑えられ、なごやかに過ごすことができます。
次に、思い通りにいかないことがあると、嘆き苦しむ「きいちゃん」。
実は、自分自身をおとしめることで、相手への攻撃を封じています。
たとえば、夫に対して、イラッとしたとき。
「きいちゃん」は、「やっぱり私は要らない子だから、ひどいめにあうんだ」と嘆き悲しみ、自分を責めるモードになる。
すると、夫を攻撃することはなくなります。
つまり、
自分を「否定する部分」が、ネガティブな感情を抑え、平和に過ごすために、暗躍していたのです。
幼い私を守っていた
いい年をした大人が、不満や怒りを、うまく表現することができないとは――。
情けないこと、この上ありません。
でも、ネガティブな感情を抑えることは、「私にとってメリットがあった」のです。
幼い私にとって。
私の母は、カッとすると、とても感情的になり、私を叱りつけたり、ひどい言葉を投げつけたりします。
幼い私にとっては、とても恐ろしいことでした。
ママを怒らせたら、捨てられちゃう。
捨てられたら、死んじゃう。
じっとしていれば、それ以上、ママを怒らせなくて済む。
母に対して「不満」や「怒り」を抱いても、それをグッと抑える。
ネガティブな感情を母に見せないことで、生き延びてきたのです。
幼い私にとって、それが、身を守るための精一杯の方法。
ある意味、幼い私にとって、感情を抑えることは、サバイバル・テクニックだったのです。
自分を「否定する部分」の存在意義と付き合い方
自分を「否定する部分」が存続する理由
ネガティブな感情を抑えて表に出さない。
これは、幼い私が生み出した、サバイバル・テクニックでした。
幼い私にとっては、最善の方法です。
問題は、幼いときにうまく機能していた方法に、何十年もしがみついてきたこと。
大人になれば、母を怒らせても、死ぬことはありませんからね。
「もう、気持ちを抑える必要はない」と考え、ネガティブな感情を表現しても良いはずです。
なぜ、私は、幼い頃のやり方を手放すことができなかったのか。
それは――、
大好きな母に、認めてほしかったから。
「私の親は、私を認める余裕がなかった人だった」。
そんな風に、自分の親を、心のどこかで見限ることができる人は、問題の解決が早いです。
親への執着を手放し、自分の足で歩いていくことができます。
でも、母のことが大好きで、母に認めてほしいと切望する、私のようなタイプ。
幻想にしがみつくように、母に褒めてもらう日を夢見て、親への執着を手放すことができません。
私を「否定する部分」は、母のお気に入りになりたいという小さな私の願いをかなえるべく、私が大人になっても存続していたのです。
「否定する部分」に感謝し、共存していく
そして、自分を「否定する部分」を雑に扱ってはいけないと、いうことにも気づきました。
自分を「否定する部分」には、「幼い自分が生き延びるために身につけた知恵」がつまっています。
その知恵に感謝をして、これまで頑張ってきてくれたことを、ねぎらうことが大切です。
なので、自分を「否定する部分」を、あっさりと消してしまうと――。
私のように、感情をコントロールする部分が未成熟な場合、感情が暴走して、さらなる苦しみを生んでしまいます。
親への執着がある人、苦しみが深い人ほど、ゆっくりゆっくり。
自分を「否定する部分」と仲良くなっていき、共存しながら、バランスを整えていくことが必要です。
とはいえ、長年しがみついてきたサバイバル・テクニックを、一人で少しずつ手放していくのは、簡単なことではありません。
私自身、何年もかけて、専門的なサポートを借りながら、進めてきたことです。
一人で頑張らなくても大丈夫
自分を「否定する部分」を、あっさり消し去るのではなく、その役割を理解し、ねぎらいながら付き合っていく。
言葉にすると穏やかですが、一人で向き合うと、感情の波に振り回されてしまうこともあります。
まずは、話してみるだけで構いません。
長い間、一人で抱えてきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
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※続きはこちら。自分を嘆く存在が弱くなったお陰で、新しい体験を得ました。その後の自己探究のプロセスが気になる方へ。
※「ハコミセラピー」について、詳しく知りたい方へ。


























