愛情深い人へ変わるための心の整え方
愛情をうまく注げない自分に、がっかりしたことはありませんか。
私自身、「自分には愛情が足りない」「もっと温かい人になりたい」と悩んできました。
生まれてこのかた、母から否定的な言葉をかけられて育ち、「私はいらない人間だ」と信じ込んできた私にとって。
自分を愛することも、誰かを純粋に愛することも、とても難しいことだったのです。
この記事では、私が実際に体験した気づきや、愛情深い人へ近づくための取り組みをまとめました。
「私も愛情深くなれたら……」と思っている方に、何かのヒントになれば、嬉しいです。
相手も自分も愛せない

「あなたの優しさは、あわれみ」と言われた日
数年前、つらい状況にある友人に元気になってほしいと思い、お宅を訪ねたことがあります。
そのとき、彼女から返ってきた言葉が、胸に深く残りました。
「あなたの優しさは……、あわれみ」
彼女は、私を傷つけようとして言った訳ではありません。
もしかしたら、宗教的、哲学的なニュアンスがあったのかもしれません。
ですが、私は、「上から目線で見ているような嫌な感じ」と受け取り、ショックを受けました。
「どうして私は、愛情深く接しているつもりなのに、そう思われるんだろう……?」
その疑問をきっかけに、自分の内側を深く見つめるようになりました。
※自分が愛情深い人ではないと気づいたことについて、詳しくはこちら。
愛せない自分は、幼いころの私の延長だった
自己探究を重ねる中で、浮かび上がってきたのは、私の幼少期の体験でした。
私は、小さいころから、出来の良い弟と比べられ、「ダメな子」と母に罵倒されて育ちました。
いつの間にか、母の価値観を丸ごと取り込んでしまい、自分に対してもダメ出しばかりするようになっていたのです。
「もっと頑張れ」
「もっと立派になれ」
「このままでは愛されない」
そんな“自分否定”の声が、心の奥にいつも響いていました。
こんな状態で「自分を愛する」なんて、とても無理な話。
だからこそ、他の人に対しても、愛情をうまく示すことができなかったのです。
愛情は「好き」という気持ちから生まれる

愛情の根源にあるのは「好き」
そんなある日、古くから付き合いのある友人とランチをしたときのこと。
彼女は私にとって、とても愛情深く感じる人です。
一緒にいると、自然に心がほっこりします。
思い切って、私は聞いてみました。
「どうしてあなたは、そんなに愛情深いの?」
彼女は穏やかに笑いながら、こう言いました。
「私、ただ相手のことが好きなだけだよ」
その一言が、雷に打たれたように、私の胸を貫きました。
「愛情って、“好き”という純粋な気持ちから、自然に生まれるものなんだ……!」
私はそのとき、初めて愛情の根源に触れたような気がしました。
純粋な「好き」を妨げるもの
この体験がきっかけで、私は“好き”という感情そのものを見つめるようになりました。
ふと頭に浮かんだのは、以前に参加した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」での体験です。
真っ暗な空間で、音や触覚を頼りに、周囲を感じていく90分。
私は、参加者のみんなが愛おしく感じ、ハートマークが飛びまくるような気持ちで過ごしました。
ですが、明るい場所に出た瞬間、胸の底から、どす黒い気持ちがわき上がってきたのです。
「若い子たちが、私みたいなおばさんと、話したいわけがないし……」
そこで、気づきました。
純粋に“好き”と思う気持ちを押しつぶす何かが、私の中にはあるのだと。
それは……
嫌われたくない。
大切にされたい。
そんな“願い”でした。
決して悪いものではありません。
むしろ、大切で健気な思いです。
ただ、その願いが強すぎると、純粋な「好き」が活躍する場を奪ってしまうのです。
愛情深い人になるために

“不純”に見える願いこそ、幼い私が発したSOS
願いが暴走するのは、かつての私の心が、まだ傷ついたままだから。
「愛されたい」「認められたい」と必死で叫んでいる幼い私が、心の中に残っているからです。
つまり――
心の傷が癒えていないと、“好き”が自然に働きにくい。
だからこそ、愛情深くなりたいと思う人には、まず「愛を受け取る経験」が必要なのだと気づきました。
「ラビング・プレゼンス」で愛を受け取る練習
そう気づいた私は、「ラビング・プレゼンス」を日課として取り入れることにしました。
これは、相手の存在から愛を受け取る、とてもシンプルな方法です。
方法
- 対象を決める
知らない人など、日常でふと目に入った相手がやりやすい。 - マインドフルネスの状態になる
深呼吸し、「今この瞬間」に意識を向ける。 - 自分に言葉をかける
「このあと目を開けると、今の私に必要な何かが流れ込んでくる」と心の中でつぶやく。 - 一瞬だけ目を開け、相手を見る
1秒ほど見て、すぐに目を閉じる。 - ここちよさを味わう
胸にわいてくる感覚を、ただ観察し、味わう。
たったこれだけ。
でも、確かに“愛情を受け取る感覚”が、心にゆるやかに広がっていくのです。
私は、愛情深い人になる未来を信じて、この小さな習慣を続けています。
※ラビング・プレゼンスについて、詳しくはこちら。
心の傷が癒えた分だけ、「好き」はのびのび働く
誰の中にも、愛情のもととなる「好き」という気持ちは存在します。
ただ、心の傷が強いほど、不安や願いが暴走し、その力が押し込められてしまうのです。
もしあなたが「愛情深くなりたい」と願うなら、
まずは“愛を受け取ること”から始めてみてください。
一人で頑張るのがつらいときは
「ラビング・プレゼンス」は簡単な方法ですが、
心が疲れているときは、それすら難しくなることがあります。
そんなときは、どうか一人で抱えこまないでください。
第三者のサポートがあるだけで、回復のプロセスは大きく変わります。
私は心理カウンセラーとして、あなたが自分を大切にできるよう寄り添う「個別セッション」を行っています。
一緒に、“愛情の源”が自然に解放されるような心を育てていきませんか。

誰でも、愛情のもとになる「好き」という感性をもっています。
ただ、それが、心の傷のせいで、働きづらくなっているだけ。
あなたの中の温かさは、なくなったわけではありません。
ただ、眠っているだけなのです。
その温かさが、再び自然に流れ出す日が訪れますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。























