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自己否定が激しい私がたどりついた自己流セルフ・コンパッション

2025年7月20日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

自己否定が激しく、どうしても自分に優しくできなかったのですが。

そんな私でも、「セルフ・コンパッション」を実践できるようになりました!

私なりのヒケツと、その効果について、お伝えします。

 

セルフ・コンパッションに取り組めない

 

自己探究を重ねながらも、自己否定の激しさに苦しんでいたころ。

「セルフ・コンパッション」というものを知りました。

 

「セルフ・コンパッション」とは、直訳すれば、「自分自身に対する慈しみ」

分かりやすく言えば、「自分自身に対して思いやりの気持ちをもって接すること」です(ネフ、2014、2021)。

 

「セルフ・コンパッション」が高まると、

心身が健やかな状態になる。

やる気や自己成長、人間関係の改善にもつながる。

生きることに深い喜びを感じることができる。

 

「良いことづくめ」と感激し、自分に対して、思いやりのある優しい言葉をかけてみたところ。

 

ダメ人間が、誰からも優しくしてもらえないから、自分で自分を慰めてるに過ぎない。

みじめったらしい。

そもそも、自分のことを、優しい言葉に値すると思っているなんて。

思い上がるにも、ほどがある。

 

私の内側から、私をボロクソにたたきのめす声が、噴き出してきました。

ネフ博士の著書には、「自己憐憫の一種ではない」「身勝手さを美化した言葉ではない」と書かれているにも関わらず。

 

思えば、幼いころから、やることなすこと、母から罵倒されてきた私。

母の言動を自分自身の中に取り込んでしまい、自責の念、つまり、自分を責める内なる声が強いのです。

 

セルフ・コンパッショは、私みたいに自己否定が強い人間には、手が届かないもの。

恵まれた人だけが、セルフ・コンパッションを堪能すればいい。

セルフ・コンパッションなんて、くそくらえ。

 

そんな風に毒づきながら、セルフ・コンパッションに取り組むことはやめてしまいました。

そして、素晴らしいと言われるものに、どうしても取り組めない自分に、嫌気がさしていくばかりでした。

 

私がたどりついたセルフ・コンパッション

 

セルフ・コンパッションに、どうしても取り組めなかった私。

そんな私が、悪戦苦闘、試行錯誤の末、自己流のセルフ・コンパッションを編み出しました。

 

とはいえ、私がたどりついたセルフ・コンパッションのやり方は、とってもシンプル。

自分に対して、感謝とねぎらいの言葉をかけるだけ。

 

ただし、自責の念が強い私は、生身の自分に優しい言葉をかけることができません。

そのため、自己探究の末にたどりついた、ある考え方を取り入れたのです。

 

心は集合体」という認識。

つまり、「心の中にはいくつもの存在がある」ということ。

 

たとえば、「私はダメな人間だ~」と落ち込んでいるとき。

私の心の中で、タイプの異なる複数のキャラクター(存在)が動いています。

  • 私には能力がないと、悲しんでいるキャラクター。
  • 努力が全然足りていないと、責めてくるキャラクター。
  • なんとかなると、大らかに構えているキャラクター。
  • 能力を伸ばすために、何をしたらよいかと考えるキャラクター。

 

そうした複数のキャラクターが関わり合い、ときに葛藤しながら、私の心のありようを作っているのです。

 

「心の中にいくつものキャラクターがいる」と認識するようになると。

自分の心の中にあるものを、他人を見るように、客観的に観察し、距離を取って関わることができるようになる。

キャラクターたちを観察している自分(自分だと意識できている部分)、自分の身体も、客観的にとらえられるようになる。

 

「自分を他人として見る」というのは、変な感じがするかもしれません。

ですが、自責の念が強い、私のようなタイプには、自責をするキャラクターから距離が取れるので、救いになります。

距離を取って自分の心のありようを眺めると、ネガティブな感情の嵐に巻き込まれることが減っていくのです。

 

また、キャラクターたちを具体的にイメージすると、「他人のような感じ」がより一層強くなります。

私は、自分の心の中にいる7人のキャラクターたちの姿、年齢を詳細にイメージし、名前をつけているんですよ。

 

私がたどりついたセルフ・コンパッションのやり方は、以下の通り。

すべてイメージの中で行います。

 

①心の中にいる7人のキャラクター、自分だと意識できている部分(主人格、セルフと呼ばれる)、身体をイメージの中に配置する。

②各々の名前を呼び、各々の働きに、感謝を伝え、ねぎらう。

③落ち込んでいるキャラクター、怒っているキャラクターがいれば、言い分を聞き、共感して、慰める。

 

たった、これだけ。

数分で終わってしまいます。

 

※「心は集合体」について、詳しくは、こちら。

※私が自分の心の中の存在をキャラクター化して考えていることについては、こちら。

 

自己流セルフ・コンパッションの効果

 

私は、2024年12月下旬から、毎日2回、起床後と就寝前に、自己流のセルフ・コンパッションに取り組んでいます。

このブログを書いている時点で、半年が過ぎました。

 

この半年で感じた効果は、以下の通りです。

 

今の自分に起きていることが、敏感に感じ取れるようになる。

前向きな気持ちが持続する。

やる気に満ちあふれる。

気持ちの切り替えが速くなる

落ち込むことが減る。

 

仕事には、以前より取り組みやすくなりました。

大変な状況に陥っても、「人事を尽くして天命を待つ」みたいな心境になれています。

以前は、失敗を恐れ、自分の能力のなさを嘆いてばかりだったんですけどね。

 

それに、家族との関係も良好なものになりました。

顔を見るだけで悪寒が走り、関わることを避けていた夫と、なんと、一緒のお出かけを楽しめるようになったんですから、驚きです。

 

家族以外の人との関わりも、広がってきました。

対人緊張がなくなったからです。

今では、お知り合いからお誘いを受けると、いそいそと出かけるようになっています。

 

そして、何より、実感するようになったのが。

 

困ったときに、自発的に解決策が見出せる。

 

落ち込むこと、不安になることがあっても。

うじうじ悩むより、解決策を探したほうがよいと判断し、自己探究に向かうようになりました。

そして、自己探究を行うと、自分の中から自発的に解決策が出てくるのです。

 

おそらく、自己流のセルフ・コンパッションによって、自分を形作るものたちのチームワークが良くなったに違いありません。

心の中にいる7人のキャラクター、自分だと意識できている部分(主人格)、身体。

互いに対する理解が深まり、各々がもつ力を、最大限に発揮しあっている状態になっています。

 

自己流セルフ・コンパッションの落とし穴

 

自己流のセルフ・コンパッションは、私にとっては効果絶大なのですが、落とし穴があります。

誰にでもすぐに実践できるものとは限らない。

 

私自身、自己流のセルフ・コンパッションにいたるまで、長年にわたる自己探究の積み重ねがあります。

 

そして、自己探究の支柱となったのが、「ハコミセラピー」

「ハコミセラピー」とは、「マインドフルネス(瞑想状態)」を取り入れ、心と身体の両方に働きかけるセラピーです。

言葉を交わす心理療法より、無意識の深いところに手が届き、問題解決の糸口が見えてきたり、自分が本当に求めているものが何であるかが分かってきたりします。

 

※「ハコミセラピー」について、詳しくは、こちら。

 

そんな訳なので、私がたどりついたセルフ・コンパッションは、長年にわたる自己探究の末に、私の内側から出てきた方法。

頭で考えたというより、気がついたら、自分に合った方法がそろっていたという感じなのです。

 

そのため、残念ながら、万人向けではありません。

「自分の心の内側にいくつかの部分がある」というのを実感することが難しい。

いくつかはあるかなあと思っても、どういう部分なのか、具体的にイメージできない。

そう感じるのは、当然かもしれません。

 

そこで、長年の自己探究を経なくても、「心の中にいる存在」を知ることができ、自己流セルフ・コンパッションを実践することができる方法を考えてみました。

よろしければ、そちらの投稿記事もご覧ください。

 

 

今回は、自己否定が激しい私がたどりついた自己流セルフ・コンパッションについて、お伝えしました。

私は、私を形作るものたちを総称して「チームなお」と呼んでいるので、自己流のセルフ・コンパッションの時間を、「チームなおの集い」と名づけ、楽しんでいます。

それから、「身体に感謝する儀式」は、自分の性格や人となりに自信が持てなくても取り組みやすいので、良かったらお試しください。

 

※身体に感謝するという「セルフ・コンパッション」は、こちら。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

※参考文献

クリスティン・ネフ (著) 石村郁夫ほか(訳) (2021) セルフ・コンパッション[新訳版] 金剛出版

クリスティーン・ネス(著) 石村郁夫ほか(訳) (2014) セルフ・コンパッション-あるがままの自分を受け入れる- 金剛出版

 

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心理カウンセラーとして26年の経験を重ね、臨床心理士、公認心理師、特別支援教育士、Gallup認定ストレングスコーチの資格をもつ私。

プライベートでも、心理カウンセラーとして学んだ知識をもとに、日々、自己探究に励み、自分の心を整えてきました。

長年にわたる悪戦苦闘、試行錯誤の末、苦しい思いから抜け出し、心軽やかな日々を送れるようになっています。

 

「私と同じように、悩みや苦しい思いを抱えている人たちにも、心軽やかな日々を送ってほしい」という思いのもと。

自らの自己探究から得た知見、そして、心理カウンセラーとしての経験をつぎこみ、「セルフディスカバリー・セッション」を考案しました。

「悪いところを改善するのではなく、強みに気づき、強みを最大限に活かすことで、悩みを解消する」という個別セッションです。

 

過去にどんなつらいことがあっても、今の現状に不満を抱えていても、あきらめなければ、自分を生きることができます。

ぜひ、ご検討ください。

 

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