「悩みを一瞬で消す」では苦しくなる?|手放せないビリーフの正体とは
「一瞬で悩みがなくなる」という、素晴らしく良くできた方法を試したところ、残念なことに具合が悪くなりました。
他の人にとっては素晴らしい方法が、なぜ私には合わなかったのか。
ガッカリしながら考えてみた結果、私の大切な思いがひそんでいたことに気づきました。
「悩みを一瞬で消す方法」で具合が悪くなる

悩みを一瞬で消す方法
スピリチュアル系のセラピストの方が開発された「悩みを一瞬で消す方法」。
技術を習得すれば、自分自身で、悩みを消すことができます。
知り合いから「この方法はすごいよ!」と勧められ、私は早速、「悩みを一瞬で消す方法」の講座を受講しました。
「悩みを一瞬で消す方法」では、苦しい思いをする根本にある「ビリーフ(信じ込み)」を優しく手放していきます。
ちなみに、ビリーフとは、幼い頃から、ずっと信じ込んでいる考えのこと。
たとえば、「なんでも完璧にこなさなければいけない」とか、「常に笑顔でいなければいけない」とか。
「悩みを一瞬で消す方法」では、ビリーフやネガティブな感情を、悪者、消し去るものとして扱いません。
自分の中にあるものを優しく見つめる視線に、私はいたく感銘を受けました。
帰宅した私は、早速、「悩みを一瞬で消す方法」を実践します。
- ノートに、嫌な出来事、ビリーフ、ネガティブな感情を書き出す。
- ビリーフ、ネガティブな感情を、手のひらにのせ、そこに在るものとしてイメージしてから、じっくり対話をする。
- ネガティブな感情は、対話をしながら、味わう。
- ビリーフ、ネガティブな感情に感謝を伝え、別れを告げる。
- 身体のアクションを使って、ビリーフとネガティブな感情を、宇宙の源へ返す。
私の場合、「やっぱり私は要らない子」というビリーフ、それにともなう深い悲しみがあります。
それが、どんな風に変わっていくか、ワクワクしていました。
まさか具合が悪くなるとは
心穏やかな日が訪れることを夢見て、私は「悩みを一瞬で消す方法」を、毎日せっせと実践しました。
ところが!!
日に日に、具合が悪くなっていくのです!!
身を切られるような、苦しさ、つらさが、胸いっぱいに広がります。
実践を重ねるほど、情緒不安定に。
家事や仕事にも、さしさわるほどになっていきました。
結局、2週間ほどして、「悩みを一瞬で消す方法」を実践することは、やめました。
もう、ガッカリ(涙)。
実践をやめると、苦しさ、つらさは、軽減していきます。
それでも、私は、納得がいきません。
あんなに素晴らしく良くできた方法が、なぜ、私には合わないの!?
とことんダメな人間は、何をやっても、ダメなの!?
心の中に嫌な気分が広がります。
「手放せない」ことの裏にひそんでいた大切な思い

ネガティブな感情やビリーフを手放すことが、できなかった私。
そこで、「手放さない(手放せない)」のはどうしてなのか、考えてみました。
ビリーフにひそむ大切な思い
私に根づいているのは、「やっぱり私は要らない子」という信じ込み。
そのビリーフがあるがゆえに、苦しい思いをしているのは、明白です。
でも、手放そうとすると、余計に苦しくなるということは、プラスの要素がひそんでいるに違いありません。
そこで、プラスの要素がないか、考えてみました。
私のビリーフの関するプラスの要素は、以下の通り。
母に対する私の思いがひそんでいました。
- 幼少期、母に理不尽な対応を受けても、母が大好きだったから、「私が悪い」ということにして、理不尽な状況を理解しようとした。
⇒母を悪者にせず、状況を理解するために、「大切な考え」だった。 - 「やっぱり私は要らない子」の裏には、「必要な子になれば、愛される」という考えがある。
⇒「母から愛される人物になる!」という切望を実現するために、「私は要らない子だから、もっと頑張らないと!」と考えて奮起する。
ネガティブな感情にひそむ大切な思い
ネガティブな感情は、私の場合、自分を否定することで生まれる、悲しみ、傷つき、といった感情です。
そうした感情でいっぱいになると、私は、地獄の業火で焼き尽くされるようなツラさを味わいます。
でも、手放そうとすると、余計に苦しくなるということは、プラスの要素がひそんでいるはず。
そこで、プラスの要素がないか、考えてみました。
私のネガティブな感情に関するプラスの要素は、以下の通り。
こちらにも、母に対する私の思いがひそんでいました。
- ネガティブな感情に打ちひしがれて、幼い私が弱っていると、母が優しくしてくれた。
⇒「母の愛を得たい」という願いのもと、ネガティブな感情にひたる。 - ネガティブな感情で自分を罰することで、自分を奮い立たせ、自分を改善させようとしている。
⇒自分を改善することができたら、「母から愛される」という希望を抱いている。
無理に手放すことをやめたら、逆にゆるんでいった

心の健康を守るために大切だと言われていること。
歪んだ認知を修正する
ビリーフを手放す
ネガティブな感情をなくす
でも、そうしようと思っても、そうならないことがある。
ビリーフにも、ネガティブな感情にも、私の大切な思いがひそんでいるからです。
ビリーフにも、ネガティブな感情も、幼い私が生き延びるため、つまり、母の愛を得るために、大切な考えであり、感情でした。
だから、無理に手放そうとすると、母からの愛情を得られなくなるという不安にかき立てられ、調子が悪くなったのです。
大人の私は、手放したいと思っているけれど、私の中にいる幼い子どもは、握りしめて放せない、ビリーフとネガティブな感情。
そのため、私の中にいる幼い子どもが納得するまで、ビリーフやネガティブな感情を手放す必要はないと思うようになりました。
そして、ビリーフやネガティブな感情が、わき出てきたら、優しく話しかけることにしたのです。
「やっぱり私は要らない子」が出てきたね。
そう考えると、悲しくて、いたたまれない気持ちになるね。
でも、その考えや気持ちのお陰で、生き延びてこれたし、頑張ってこれた。
本当にありがとう。
優しく声をかけると、ビリーフやネガティブな感情がゆるんでいきます。
「手放そう」「なくそう」「消そう」と思っていたときは、抵抗するように強くなっていったのに。
「北風と太陽」のお話みたいです。
悩みがうまく解消しないときは、自分の中にいる幼い子ども(インナーチャイルドと呼ばれるもの)が影響しています。
子どもは理屈では動かない。
ゆっくり寄り添いながら、幼い子どもが納得して動き出すまで、任せるしかありません。

今回は、「ビリーフ(信じ込み)」や「ネガティブな感情」が、大切な役割をになっているということについて、お伝えしました。
「自分ので起こっていることは、自分にとって全て正しい」ということを痛感します。
あなたも、自分の中に起こっていることを大切に扱ってくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






















