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自己探究の時間をショートカットするストレングス・ファインダー

2025年7月26日

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

長年にわたる自己探究の末、自分を知り、自分を整え、自分を生きることができるようになってきました。

とはいえ、自己探究の期間が長すぎるのは、いかがなものかと。

そこで、自己探究の時間をショートカットする、「ストレングス・ファインダー」の活用方法について、お伝えします。

 

ストレングス・ファインダーの結果は長年の自己探究に値する

 

「ストレングス・ファインダー」は、インターネット上で、177の質問に答えるテスト。

1時間もかからずに、自分の「才能(資質)※1 を知ることができます。

 

※1:「資質」とは、特徴の似た「才能」をカテゴリーにまとめたものを指します。

 

「才能」というと、ごく一部の優れた人物だけがもっているものと思われがち。

ところが、ストレングス・ファインダーでいうところの「才能」とは。

 

自然と出てくる考え、感情、行動。

やっているときに楽しい、やるのが得意と感じること。

 

つまり、誰もが、もっているものなのです。

 

さて、ストレングス・ファインダーで明らかになった、私自身の「上位資質」※2 の特徴。

そして、私が長年の自己探究の末に見いだした、「心の中にあるいくつもの存在」の特徴。

実は、その2つの特徴が、見事に合致していたのです!

 

※2:「上位資質」とは、ストレングス・ファインダーの結果のうち、上位にある10前後の資質のこと。自分でも気づかないうちに、せっせと働いている資質です。

 

自己探究に十年以上もの年月をかけていたため、ちょっと拍子抜けした一方。

ストレングス・ファインダーの精度の素晴らしさに、感銘を受けました。

 

ストレングス・ファインダーをビジネスの分野だけで使っているなんて、あまりにももったいない!

自分を知り、自分を整え、自分らしく生きるために、ガチで使えるんです。

 

※ストレングス・ファインダーの結果が、長年の自己探究で見い出した自分の特徴と同じであったことについては、こちら。

 

※ストレングス・ファインダーについて、詳しくは、こちら。





 

ストレングス・ファインダーの結果を活用する方法

 

長年の自己探究の末、母との関係で生じた苦しみから解放されるようになってきた私。

私が苦しみから解放されるために、欠かせなかったことは、以下のことです。

 

①自分の心の中にいる存在の特徴を知る

②自分の心の中にいる存在の働き方を知る

③自分の心の中にいる存在に悪いものはないと気づく

④自分の心の中にいる存在に優しい言葉をかける

 

この4つの段階を、ストレングス・ファインダーの結果を活用して実践する方法を考えました。

 

ちなみに、①~③は「自分を知る」。

④は「自分を整える」。

①~④をくり返すことで、「自分を生きる」ことができるようになります。

 

自分の心の中にいる存在の特徴を知る

先ほどもお伝えした通り、私の場合、ストレングス・ファインダーで明らかになった「上位資質」と、長い自己探究の末に見いだした「自分の心の中にいる存在」の特徴が、見事に合致していました。

 

ストレングス・ファインダーで明らかになる「上位資質」は、「自分の心の中にいる存在」と、とらえることができます。

 

ストレングス・ファインダーは、「人はいくつもの才能(資質)を有している」という考えのもと、作られているため。

「心は集合体」、つまり、「心の中にいくつもの存在がある」という概念と相性が良いのです。

 

「自分の心の中にいる存在」を自己探究する際の落とし穴は、自分が嫌だなあと思う存在に注目してしまうこと。

少しのことでクヨクヨする、とか、嫌なことから逃げようとする、とか。

 

一方、「自分の心の中にいる存在」の中に、日々を生きるために欠かせない、ありがたい存在がいることについては、ついつい、見落としがちです。

特に、自己否定が強すぎる人は、自分の心の中に、役立つ存在がいるなんて思えません。

自分の心の中に、役立つ存在がいることに気づくまで、それこそ、長い長い自己探究が必要になるのです。

 

ところが、ストレングス・ファインダーでは、見落としがちな存在、つまり、自分を支えてくれてきた存在も、「資質」として明らかになります。

 

あなたは、1時間もかけずに、「自分の心の中にいる存在」全ての特徴を知ることができるのです。

 

自分の心の中にいる存在の働き方を知る

 

「自分の心の中にいる存在」の特徴が分かったら。

自分の日々の生活を振り返り、どのタイミングで、どの上位資質が働いていたかを検討します。

 

たとえば、私が落ち込み、苦しみにさいなまれるとき、上位資質が次のような流れで働きます。

  1. 思い通りにいかないことがあると、「自我」が騒ぎ出し、自分で自分を責め立てる。
  2. 「共感性」が、猛烈に嘆き悲しむ。
  3. 全ての資質が、機能を停止する。

 

一方、私が調子よく仕事を進めているときは、いくつかの上位資質が同時に働いています。

  • 「収集心」が、必要な情報や知識を提供してくれる。
  • 「戦略性」が、その場その場で、最善策を考えていく。
  • 「共感性」が、直感を働かせ、物事を判断していく。
  • 「達成欲」が、黙々と働いて、任務を遂行していく。
  • 「内省」が、自分がやるべきことについて、じっくりと考えを深めていく。

 

心に傷を抱えている人、自分に自信がもてない人は、つい、自分のいたらないところにばかり目がいってしまいますが。

ストレングス・ファインダーの結果を活用すると、「上位資質(心の中にいる存在)」の働き方が、客観的に把握しやすくなります。

それが、ネガティブな働き方であっても、ポジティブな働き方であっても。

 

次第に、「上位資質(心の中にいる存在)」を、距離を取って眺めることができるようになり、感情の波に飲み込まれることが減っていくのです。

 

自分の心の中にいる存在に悪いものはないと気づく

 

ストレングス・ファインダーには、「どの資質も良いものである」という前提があります。

これも、私が長年の自己探究を経て、「自分の心の中にいる存在」に関してたどり着いた心境と、まったく同じ。

 

ストレングス・ファインダーは、「ポジティブ心理学」の考えをもとに作られています。

「ポジティブ心理学」のベースにあるのは、「人間の心の問題点ではなく、心のポジティブな働きに注目する」という考え方。

 

そのため、ストレングス・ファインダーでは、「ネガティブな状態は、資質が未熟である、あるいは、資質が暴走しているために生じている」と考えます。

 

たとえば、私の資質の場合。

  1. 思い通りにいかないことがあると、未熟な「自我」が「ダメな人間である自分を許せない!」と暴走して、自分自身を責め始める。
  2. 「共感性」が、激しい叱責に傷つき、感情が暴走して、猛烈に嘆き悲しむ。

 

私の「自我」は、未熟であるがゆえに、思い通りにいかないことがあると、うまくやれない自分自身に厳しい言葉を浴びせかけ、喝を入れて、行動を正そうとします。

行動を正すために、脅しのようなやり方しか、知らないのです。

 

ネガティブな状態が生じているときは、どの資質が、どのように暴走しているか、検討してみましょう。

「未熟」「暴走」という視点で、自分の資質を眺めると、「敵」というより、暴走してしまう「幼い子ども」に見えてきます。

 

ストレングス・ファインダーの上位資質を丁寧に見ていくと。

「上位資質(心の中にいる存在)」に悪いものはないと気づき、暴走している存在にも、優しいまなざしを向けることができるようになります。

 

自分の心の中にいる存在に優しい言葉をかける

 

ストレングス・ファインダーには、「成功分析」というものがあります。

日々の生活を振り返り、成功した場面があれば、どの資質がどのように働いていたかを分析するのです。

 

私の「成功分析」は、こんな感じ。

  1. 職場でしんどい思いをしたとき、「運命思考」が、「自分のレベルを上げるために必要な試練」と考え、冷静さを取り戻す。
  2. 「戦略性」「内省」が、解決策を練っていく。
  3. 「達成欲」が、解決策を実践していく。

 

普段の生活だと、うまくいかなかったことを思い出し、自分にダメ出しをしてしまいがち。

温かな家庭で育った人、心のバランスが取れている人でも、自分にダメ出しをするばかりでは、心が削れていきます。

ましてや、私のように親との関係で心に傷を抱えており、心のバランスが乱れがちなタイプは、自分にダメ出しをすると、心に致命傷を負いかねません。

 

自分の心を健全に保ち、自分の力を最大限に発揮するためには。

自分に優しい言葉をかける行為、つまり、「セルフ・コンパッション」が必要です。

ストレングス・ファインダーの「成功分析」は、セルフ・コンパッションにつながります。

 

そうは言っても、日常生活で起きたことを振り返りながら、「成功分析」をしていくのが難しい。

そんな風に思うあなたにおススメなのが、「上位資質に、その特徴を伝え、感謝やねぎらいの言葉をかけること」です。

 

私の場合は、こんな感じ。

  • 「運命思考」に対して、「発想を変える視点を与えてくれて、ありがとう」
  • 「内省」に対して、「いろいろなことをじっくり考えてくれて、ありがとう」
  • 「達成欲」に対して、「必要な任務をせっせと遂行してくれて、ありがとう」

 

私は、朝晩、「自分の心の中にいる存在」全てに、感謝やねぎらいの言葉をかけています。

「上位資質」を使っても、同じことができるのです。

 

私のように自己否定の激しいタイプだと、生身の自分に優しい言葉をかけることが、難しい。

でも、「上位資質(心の中にいる存在)」だったら、他人に声をかけるように、優しい言葉をかけることができるのです。

 

自分の一部であるもの(上位資質、心の中にいる存在)に対してであっても、優しい言葉をかけると、「セルフ・コンパッション」と同じ効果が得られます。

「セルフ・コンパッション」を重ねることで、自分の心が整っていき、自分を生きることにつながっていくのです。

 

※「心は集合体」という認識で、私が自分を整えていったことについては、こちら。

※私が、「心の中にいる存在」に対して、「セルフ・コンパッション」を行っていることについては、こちら。

 

ストレングス・ファインダーの結果をうまく活用できない場合

 

ストレングス・ファインダーの結果を、うまく活用できないとしたら。

上位資質の暴走が抑えられない状態になっている可能性が高いです。

 

心の傷つきが大きいと、資質は暴走しがちです。

特定の資質が暴走していると、自分の資質を優しいまなざしで見ることなんて、できません。

 

自分には、つまらない資質しかない。

どの資質も、大した働きをしていない。

 

そんな風に感じてしまうのです。

 

心の傷つきが大きい場合は、どの上位資質が暴走しているかを見定めながら。

暴走している資質に2つの質問をしてみましょう。

あなたの本当の願いは何かな?

あなたが頑張らないと、何が起こりそうかな?

 

私の場合、私を責め立てる「自我」とのやり取りは、こんな感じ。

  • 「自我」の願い:みんなに認められるような、能力にあふれたスゴイ人になって、母に認めてもらいたい。
  • 「自我」が頑張らないと:母に見捨てられる。生きていけない。

 

資質から自分をけなす言葉が飛んでくると、へこたれるし、嫌悪感さえ抱きます。

ですが、資質の思いに耳を傾けると、少し違った心境になります。

思い通りにならなくてイライラし、空回りしている、幼い子どもを見るような心もちになるのです。

 

ただし、心の傷つきが、とても深い場合。

「資質に質問をする」という方法に、一人で取り組むことは難しくなります。

心のありように向き合ってくれる専門家に対応を依頼すると良いかもしれません。

 

 

今回は、自己探究の時間をショートカットできるツール、ストレングス・ファインダーについて、お伝えしました。

ぜひ、試してみてくださいね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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