誰にも癒してもらえないと感じる自己否定が強いあなたへ|癒しは自分で自分に与えるもの
「誰かに癒してほしい」
そう願いながら、どれだけ優しい言葉をかけてもらっても、心の奥が満たされない。
そんな感覚を抱いたことはありませんか。
そう感じてしまうのは、あなたの受け止め方がおかしいからではありません。
本当の意味で「癒される」という体験を、まだ、知らないだけなのです。
母から否定的な言葉をかけられて育ち、強い自己否定を抱えて生きてきた私。
そんな私でも、「自分は要らない人間だ」という信じ込みが緩んでいくと、「癒しは自分で自分に与えるもの」と実感するようになりました。
今回は、「癒し」について、私の体験を交えてお伝えします。
苦しみもがく日々

私は、幼いころから、母に否定的な言葉をかけられて育ちました。
失敗すると、なじられる。
母の思い通りにならないと、罵倒される。
何をやっても、弟と比べられ、母の気が済むまで、ダメ出しされる。
中学生の終わりごろには、「私はダメ人間。この世に要らない存在」と感じるようになっていました。
大学合格を機に一人暮らしを始めたので、「もうこれで、母から否定されなくて済む」と思ったのですが――。
今度は、私が、自分自身に否定的な言葉を投げかけるようになったのです。
社会人になると、自分を責める内なる声が、恐ろしいほどに大きくなっていきました。
いやはや、ツラいの、なんの。
うまくいかないことがあると、「無能な人間は、何をやってもダメ!」。
人と関わると、「お前みたいなダメ人間は、人からことごとく嫌われる!」。
自分自身からは、どうあがいても、逃れることができません。
剣で切り裂かれるような言葉に、心がズタズタに傷ついていきます。
地獄の業火で焼かれるような苦しみの中で、もがくことしかできないのです。
この苦しい状況から逃れたい。
心穏やかで健やかな日々を味わってみたい。
そう思って、大学に入り直し、心理学を基礎から学びました。
知識を得たうえで、様々な心理療法を実際に体験していきます。
少しずつ気持ちが楽になっていったものの――。
「心穏やかで健やかな日々」は、なかなか訪れませんでした。
※何かあるたびに自分を責めてしまう根本原因について、もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。
「ハコミセラピー」との出合い

「心穏やかで健やかな日々」を、こんなにも切望しているのに、得られない!
何ともやりきれない思いをしている時に出会ったのが、「ハコミセラピー」。
2015年の夏でした。
「ハコミセラピー」は、身体に働きかける心理療法です。
「ハコミセラピー」では、今ここの自分に起きていることに意識を向けるという「マインドフルネス」の状態を活用しています。
「マインドフルネス」の状態を続けていると、あれこれ考える意識(顕在意識)がトーンダウン。
普段の生活では表に出てこない「無意識の中にあるもの」が、自然と浮上してくる。
最終的には、心の内側にいる幼い子ども(インナーチャイルドとも呼ばれる)が、姿を現します。
私の場合、母との関係で傷つき、「ママに嫌われたら生きていけない」「やっぱり私は要らない子」と信じ込んでいる子どもです。
この幼いころに形作られた考え方のパターンを「ビリーフ」と言います。
「ハコミセラピー」の個人セッションでは、インナーチャイルドに「(その子が)必要としているもの」を与えていきます。
実は、「ビリーフ」を作ったのは幼い子どもなので、「自分に必要なもの」で満たされると、その子が満足して緩み、「ビリーフ」も緩んでいくのです。
私の心の内側にいる幼い子どもも、「自分に必要なもの」を得るというプロセスを重ねるうちに――、
「自分は要らない人間だ」というビリーフが緩んでいきました。
「自分に必要なもの」が移り変わっていく

現在まで、「ハコミセラピー」を10年ほど学び、たくさんの個人セッションを受けてきました。
改めて振り返ると、「自分に必要なもの」が移り変わっているのです。
大きく分けると、以下の3つの時期に分けることができます。
ひたすらに滋養をもらう時期
対人恐怖や自己否定が強かった時期。
私の中の幼い子ども(なおちゃん)は、セラピストから優しく接してもらうのが常でした。
- 「そのままのあなたでいいんだよ」と、言ってもらう。
- 膝枕をしてもらい、「なおちゃんは、ママの宝物よ」と言って、頭をなでてもらう。
- 「そのままのなおちゃんが、大好きよ」と、言葉をかけてもらう。
「ハコミセラピー」には、「ナリッシュメント(子ども時代に満たされなかった体験を与える)」という方法があり、それにあたります。
この時期、私の中の幼い子どもにとって必要なものは、他者からの優しい思いやり、つまり、心の滋養でした。
他の人から与えてもらった滋養によって、心が緩み、ほっこりする感じを、じっくり味わったのです。
母の実像に気づき、母の愛に気づく時期
そのうち、ハコミセラピーの個人セッションで、滋養となる言葉をかけてもらっても――。
「本当のママがしてくれないと、イヤ!」と、私の中の幼い子どもが、駄々をこねるようになりました。
「本当のママ」とは、私が3~4歳のころの母。
「そんなの無理でしょ!」と理性は考えます。
でも、私の中の幼い子どもは、納得してくれないのです。
すると、ハコミセラピーの個人セッションで、様々なイメージが展開し、母の実像に気づかされることになりました。
- 真っ暗な海の中で、なおちゃんは、母が迎えに来るのをずっと待っているが、母は来ない。
- 母が、狂気じみた怖れにつきまとわれ、妖怪のような風貌で、呪いの言葉を吐き散らしている。
- 母なりに、なおちゃんを愛していたが、母には相手を思いやるゆとりがないため、母の愛は、なおちゃんには爆撃としか感じられなかった。
この時期、私にとって必要なものは、母の実像に気づくこと。
イメージの中で、母の真の姿を目の当たりにして、やるせないほどの悲しみを味わいました。
ですが、悲しみを感じきった後に、不器用な母の愛情が感じられるようになり、感謝の思いが生じてきたのです。
そうした体験を重ねるうちに、母に対する過剰な期待が徐々になくなっていきました。
自分で自分の世話をする時期
ここ数年は、日常生活の中で、私が私の中にいる幼い子どもなどに、優しい言葉をかけることができるようになっています。
- 思い通りにいかなくて気落ちしているなおちゃんに、「うまくいかなくて、悲しいね」と声をかけ、慰める。
- なおちゃんに、「本当によくやっているよ」「あなたのお陰で何とかなっているよ」と声をかけ、ねぎらう。
- 自分の心の内側にいる存在(パーツ)たちの働きに対して、「ありがとう」と感謝を伝える。
これまで、ハコミセラピーのセラピストから与えてもらった滋養によって、私の心が育っていき、自分で自分の世話ができるようになったとも言えます。
そのせいか、ここ最近、ハコミセラピーの個人セッションを行うと、「あなたなら大丈夫。何とかなる」など、私自身を励ましてもらう言葉がピッタリ!
日常生活で思い通りにいかないことがあって、ちょっとしょんぼりしているところに、エネルギーを補充してもらうような感じです。
自分で自分を受け入れ、自分の世話ができるようになって、ようやく自分を責めることが減ってきました。
自責の念がわいてきても、客観的に眺めながら対処し、ツライ思いを早めに断ち切ることができています。
ここにきてようやく、「心穏やかで健やかな日々」を感じることが増えてきたのです。
ただし、こうした変化のプロセスや期間は、人によって大きく異なります。
どの段階にいるのか、そして、今の自分に何が必要なのかを、自分だけで見極めるのは、簡単なことではないかもしれません。
「癒し」は自分で自分に与えるもの

自己否定の強い私が、「心穏やかで健やかな日々」を過ごせるようになって気づいたのは、
「癒し」は、人から与えられるものではない
ということ。
多くの場合、カウンセリングやセラピーなどで、肯定してもらうこと、優しい言葉をかけてもらうことを、「癒し」ととらえてしまいがちです。
でも、それは違います。
人から受け入れてもらい、優しく接してもらうことで、自分を肯定する部分に、栄養を与えてもらっているだけ。
その栄養は、他者(カウンセラーやセラピスト)が必要だと考える栄養ではありません。
私たち(クライエント)が必要だと感じる栄養です。
栄養を与えてもらうと、自分を肯定する部分が育っていき、現実に向き合うことができます。
厳しい現実に向き合い、それを受け入れることができるまで、自分を肯定する部分が育っていくと――。
最終的に、自分自身を受け入れ、自分で自分の世話をすることができるようになります。
つまり、自分自身を受け入れ、自分自身の世話をする行為が、「癒し」なのです。
自己否定の強い人は、周りの人が何をしようと、何を言おうと、それだけで癒されることはありません。
逆に、「癒し」を与えてくれると感じる人に依存し、その人なしでは生きていけなくなる可能性もあります。
本当の「癒し」は、心の滋養を十分に受け取って成長した自分が、自分自身を受け入れる準備が整ってから始まるのです。
だれも他者を癒すことはできません。
―ロン・クルツ(著)、高尾威廣・岡健治・高野雅司(訳)(1996)「ハコミセラピー ‐カウンセリングの基礎から上級まで‐」星和書房より引用
「ハコミセラピー」の創始者、ロン・クルツさんの著書に書かれている言葉です。
今の私は、その言葉に「その通り!」と賛同するばかり。
自分を癒すことができるのは、自分自身だと痛感しているからです。
一人で頑張らなくても大丈夫
「癒し」を求めて、色々な言葉をかけてもらっても、なぜか満たされない。
そんなもどかしさを感じることもあるはずです。
私のように自己否定が激しいタイプは、自分自身を受け入れるほどに心が成長するまで、結構な時間がかかります。
焦らず、ゆっくりで大丈夫です。
自分に必要なものを見つけていくプロセスは、一人で抱え込まなくてもいいのです。
まずは、話してみるだけで構いません。
長い間、一人で抱えてきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、あなたが今、本当に必要としているものに、一緒に耳を傾けていきます。
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「もう少し読んでから考えたい」という方は、こちらもご覧ください。
※「ハコミセラピー」について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
※「ビリーフは変えなくていい、緩めるだけでいい」という考え方について、もっと詳しく知りたい方へ。

























