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人と関わるのが楽になる「ラビング・プレゼンス」とは

2025年6月25日

対人緊張が強くて、人と関わると疲れてしまう。

そんな私が、「ラビング・プレゼンス」を続けるうちに、人との関わりがちょっとずつ楽になっていきました。

今回は、人と関わるのが楽になる、「ラビング・プレゼンス」について、お伝えします。

 

「ラビング・プレゼンス」とは?

 

「ラビング・プレゼンス」は、ハコミセラピーという心理療法で使われる手法です。

英語で「Loving Presence」と書きます。

直訳すれば、「存在を愛する」ということ。

 

目の前にいる相手の存在から、愛を受け取り、味わう。

それが、「ラビング・プレゼンス」です。

 

「ハコミセラピー」のセラピストは、「ラビング・プレゼンス」の状態をキープしたまま、クライエント(相談者)に向き合います。

クライエントが、その人らしく、そのままに存在していることに、素晴らしさを感じながら、セラピーをおこなうのです。

 

とはいえ、「愛」を受け取る、って言われても、ピンときませんよね。

私もそうです。

なので、私は、「その人らしい味わい」「生命力」ととらえています。

 

目の前にいる人の「その人らしい味わい」や「生命力」を感じ取り、それをリスペクトしながら、その人と一緒にいる。

相手の「良いところ」を頭で考えて探すのではなく、自分にとって必要だなあと感じた良いものを、相手からいただく。

私の「ラビング・プレゼンス」は、そんな感じです。

 

「ハコミセラピー」の根底に流れる、「ラビング・プレゼンス」。

「ハコミセラピー」が「ノンバイオレンス」を実践できているのは、ベースに「ラビング・プレゼンス」があるからです。

相手からの愛を受け取りながら、相手と接していたら、「バイオレンス(暴力)」が起きるはずがありませんもの。

「ハコミセラピー」のグループワークでは、参加者同士で、何度も「ラビング・プレゼンス」をおこなってるんですよ。

 

そんな「ラビング・プレゼンス」は、日常生活でも、めちゃめちゃ使えます。

特に、「人と一緒にいると疲れちゃう」と感じるあなたには、超おススメ!

「ラビング・プレゼンス」を実践すると、相手から良い感じを受け取り、自分を満たすことができます。

 

相手に与えるのではなく、相手から与えられる。

相手ファーストの姿勢から、自分ファーストにシフトしていく。

人と関わることが楽になっていく。

 

こんな良い方法を、試さないのは損です。

 

※「ハコミセラピー」の魅力の1つ、「ノンバイオレンス」については、こちら。

「ラビング・プレゼンス」の手順は簡単

 

「ラビング・プレゼンス」の手順は、いたって簡単です。

 

「ラビング・プレゼンス」をおこなう対象を決める

初めは、「知らない人」に対して、「ラビング・プレゼンス」をおこなうほうが、やりやすいです。

よく知っている人だと、日頃の恨みつらみが出やすくなりますからね。

日常生活で取り入れるなら、「街で見かけた人」に対しておこなうのが、おススメ。

 

たとえば、

  • カフェやレストランで見かけた人
  • 電車で座っている人、立っている人

 

「街で見かけた人」に対しておこなう場合、私は、「優しそうな人。私が好きなタイプ」の人を選びます。

ただし、あんまりジロジロ見ると、不審者だと思われるので、要注意ですよ。

 

「ラビング・プレゼンス」に慣れてきたら、家族、職場の人など、日頃の恨みつらみが出てきそうな相手に対して、実践してみましょう。

新しい発見がありますよ。

 

「マインドフルネス」の状態になる

目をつぶって、ゆっくりと深呼吸をしながら、「今、この瞬間」に起きていることを感じていきます。

  • 呼吸。
  • 身体の動き。
  • 身体の感覚。
  • 聞こえてくる音。

「今、この瞬間」に起きていることに、自分の意識が集中しているのが、「マインドフルネス」の状態です。

 

自分に言葉をかける

マインドフルネスの状態になり、心も身体も落ち着いてきたら、心の中で、次の言葉を自分自身にかけます。

 

このあと目を開けると、今の自分にとって必要な何かが流れ込んでくる。

私は、それを受け取り、いい感じを味わうことができる。

 

そして、「何が流れ込んでくるかな~」と、ワクワクした気持ちをもちます。

 

一瞬、目を開く

心の中で自分に言葉をかけたら、パチッと目を開き、選んだ相手(知らない人)を、1秒ほど見ます。

そして、すぐに目を閉じます。

 

目を閉じたあとに、何も感じないとき、何も起こらないときは、パチッと目を開いて1秒見ることをくり返しても、OKです。

 

ここちよい感じを味わう

目を閉じたら、ここちよい感じが、自然にわき起こってくるのを待ちます

ここちよい感じが起こってきたら、どんな風にここちよいのかを、じっくりと観察しながら、味わいます。

 

ここちよい感じは、人によって違います。

  • 身体の感覚温かい。柔らかいものに包まれる。身体の内側が何かで満たされていく。リラックスする。ホッとする。安心する、など。
  • イメージ光に包まれる。映像が見える(美しい映像、楽しい映像、など)。物語として展開する、など。
  • 声や言葉を感じる「そのままでいい」「頑張ってるね」など、言葉が浮かんだり、声が聞こえたりする。

 

私の場合、「ラビング・プレゼンス」をおこなうと、イメージが展開されます。

最近、電車の向かい側の席に座っていた女性を相手に、「ラビング・プレゼンス」に取り組んだとき。

となりのトトロのような形をしている、モフモフした白い生きものが、イメージの中に登場!

私はすかさず、イメージの中で、モフモフさんにぺったりとくっつき、癒される感じを味わいました。

 

「ラビング・プレゼンス」に取り組むときの注意点

 

「ラビング・プレゼンス」は、比較的安全な方法なのですが、取り組むにあたって、いくつかの注意点があります。

 

心の中で言葉をとなえる

「ラビング・プレゼンス」に取り組む前に、必ず、この言葉を心の中でとなえてください。

このあと目を開けると、今の自分にとって必要な何かが流れ込んでくる。

私は、それを受け取り、いい感じを味わうことができる。

 

実は、私が、「ラビング・プレゼンス」を知ったばかりのころ。

「このあと目を開けると…」といった言葉をとなえずに、電車の中で「ラビング・プレゼンス」の練習をしたら。

亡霊のような恐ろしいものが襲いかかってくるというイメージが浮かび、ビックリ!!

 

とはいえ、言葉をとなえなくても、いい感じを味わうことができる人もいます。

「人からは、いい感じのものしか流れ込んでこない」と思っている人。

「ラビング・プレゼンス」をおこなうことに慣れていて、身についている人。

 

まあ、私は、対人恐怖っぽいところがあるのでね。

痛い目にあってからは、必ず、心の中で言葉をとなえてから、「ラビング・プレゼンス」をおこなっています。

 

「心構え」が大切

「何も起こらないに違いない」と考えていると、何も起こりません。

頭で考えていることは、考えた通りになりがちです。

一種の自己暗示みたいな感じ。

「ラビングプレゼンス」に取り組むときは、「どんな良いものが流れ込んでくるかな~」と、ワクワクした「心構え」を大切にしましょう。

 

元気のあるときに取り組む

「ラビング・プレゼンス」に初めて取り組むときは、ちょっとエネルギーがあるときのほうが望ましいです。

気持ちが沈んでいるときは、新しいことに挑戦するエネルギーが出ないことがありますからね。

初心者は、気持ちが沈んでいるときに「ラビング・プレゼンス」に取り組むことは、やめておきましょう。

 

ですが、「ラビング・プレゼンス」に慣れてきたなら、気持ちが沈んでいるときは、逆におススメ。

気持ちが沈んでいるときに「ラビング・プレゼンス」をおこなうと、癒されたり、元気をもらえたりしますよ。

 

慣れないうちは目を閉じて取り組む

「ラビング・プレゼンス」に慣れないうちは、一瞬目を開け、相手を1秒見てから、また目を閉じて、ここちよい感じを味わってください。

目を閉じたほうが、余計な刺激が目に入ってこないので、ここちよい感じに集中しやすくなるのです。

 

ですが、慣れてくると、目を開けたままでも、「ラビング・プレゼンス」の状態に入れるようになります。

私も、スクールカウンセラーとして勤務するとき、クライエント(相談者)や、情報共有をする学校の先生方に対して、「ラビング・プレゼンス」を実践しているんです。

相手とのやり取りがスムーズに流れる感じがしています。

 

 

今回は、人と関わるのが楽になる「ラビング・プレゼンス」について、お伝えしました。

ですが、対人緊張が強い人が、人間相手に「ラビング・プレゼンス」をおこなうと、抵抗が出てしまいます。

そんなあなたには、物に対する「ラビング・プレゼンス」が、おススメですよ。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

※物に対する「ラビング・プレゼンス」については、こちら。

 

※「ラビング・プレゼンス」について書かれた本は、こちら。

高野雅司(2013)「人間関係は自分を大事にする。から始めよう」青春出版社

高野雅司(2018)「図解「人づきあいが面倒!」なときのマインドフルネス」青春出版社

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