相手から嫌がられるのが悲しいとき|「私がダメなのではない」と思えた体験
相手から嫌がられていることに気づくと、悲しくなる。
嫌がられるような自分は、ダメな人間なのではないかと考えてしまう。
そんな経験はありませんか。
それは、あなたが悪いのではありません。
人と良い関係を築きたいという願いがあれば、悲しくなるのは自然なことです。
私自身、相手から嫌がられていると感じるたびに、自分にガッカリし、自分に何らかの落ち度があると考えていました。
そんな私でも、「私がダメなのではない」と思えるような、不思議な体験があったのです。
今回は、相手から嫌がられることが、悲しくて仕方がなかった私が、自分への認識を変えることになった体験についてお伝えします。
相手から嫌がられる私
相手から嫌がられてしまう。
スクールカウンセラーとして、カウンセリング業務に携わっている私は、そのことで悩んでいました。
個性的なクライエント(相談者)からは好まれ、常連さんのような生徒や保護者がいる一方で――。
繊細なクライエントからは敬遠され、カウンセリングが中断してしまうのです。
もちろん、カウンセリングが中断する理由は、さまざまです。
本当の理由は、私には分かりません。
それでも私は、「私が嫌がられたからだ」と受け取ってしまうのです。
つらい思いを抱え、勇気を出してカウンセリングを受けにきてくれたのに、私のせいで中断してしまう。
私ではないカウンセラーだったら、悩みをじっくり相談できて、解決だってできたはず。
クライエントの方々には、本当に申し訳なくて、たまらない。
研修を積み、自己探究を重ねたら、自分の問題点がなくなり、相手から嫌がられることが減るのでは、と期待していたのですが――。
繊細なクライエントから敬遠される状況が、まったくなくなるということはありませんでした。
相手を不快にする自分が悲しい
「ハコミセラピー」で自分自身を深掘りしてみる
相手から嫌がられてしまう私には、相手を不快にさせる何かがあるのかもしれない。
そんな自分自身を深掘りしてみよう!
「ハコミセラピー ※1 」の仲間とセッション練習をする際、そのことを取り上げてみることにしました。
私がクライエント役になり、セラピスト役の人と一緒に体験を深めていきます。
この「ハコミセラピー」は、言葉を交わす心理療法より、無意識の深いところに手が届く感じがしています。
私の場合は、問題解決の糸口が見えてきたり、自分が本当に求めているものが何であるかが分かってきたりすることが多いです。
トラウマなどを癒すにも、自己探究を深めるにも、役に立つツールだと感じています。
※1:「ハコミセラピー」とは、マインドフルネスを使って、心と身体の両方に働きかける心理療法です。
※「ハコミセラピー」について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。
私から毒ガスが出ているイメージが浮かぶ
私は、ゆっくりと深呼吸をして、目をつぶり、「今この瞬間」に起きていることに意識を向けていく「マインドフルネス」の状態になります。
そして、マインドフルネスの状態のまま、カウンセリングが中断したクライエントのことを思い出していくと――。
次第に、不思議なイメージが浮かび上がってきました。
私の毛穴から、黄色いガスのようなものが吹き出てきて、辺りの空気が黄色くかすんでくる。
この黄色いガスは、一種の毒ガス。
吸い込む相手を不快にさせ、人によっては再起不能にしてしまうかもしれない。
害毒をまき散らしているような自分自身の姿に、ガッカリして、悲しくなっていきます。
こんな状態では、私に近寄る人など、いるはずがないからです。
毒ガスの正体と対人緊張
黄色い毒ガスの正体に、私はピンとくるものがありました。
浮かんできたのは、母の思い通りの行動をとらなかったために、強く叱られていた幼い私の姿。
母には母の事情があったのだと、今なら分かりますが、幼い私には知るよしもありません。
幼い私は、「私はママを嫌な気持ちにする何かをもっている」と信じ込むようになったのです。
「母を嫌な気持ちにする何か」をイメージ化したものが、黄色い毒ガス。
母に愛されたいと願っていた幼い私は、「私が悪い」と思うことで、当時の状況を理解しようとしていたのでしょう。
そして、黄色い毒ガスは、かつて私が苦しんでいた対人緊張の強さを説明するのにも、しっくりきます。
私の身体から出ている毒ガスのせいで、相手をものすごく不快にさせてしまう。
毒ガスが出ないように、必死で「良い人」をとりつくろうけれど、相手がいつ毒ガスに気づくか、気が気でない。
身体から毒ガスが出ている私が、相手から嫌われるのは当然だから、怖くて相手に近づけない。
自己探究を重ねた結果、「嫌われても大丈夫」「一般受けしない私でも好んでくれる人がいる」ということに気づき、対人緊張はやわらいでいきました。
ですが、「相手を嫌な気持ちにする何かを発している私」という感覚が、まだ残っていたようです。
※「嫌われても死なない」と気づいたことについて、関心がある方は、こちらもどうぞ。
※「一般受けしない私でも好んでくれる人がいる」と気づいたことについて、知りたい方は、こちらもどうぞ。
自分に対する認識が変わっていく
「私が悪いわけではない」と思えるようになる
さて、「ハコミセラピー」のセッション練習の場面に戻ります。
黄色い毒ガスに包まれたイメージの中で、私がしょんぼりしていると――。
セラピスト役の仲間が声をかけてきました。
あなたを歓迎しますよ。
すると、私の周りに、わらわらと人が集まってくるイメージがわいてきました。
私が親しくしている人たちが、集まってくる。
毒への耐性をもっているような、たくましい人がほとんどだけど。
そうは思えないような繊細な人たちもいる。
私から出ているのは、本当に毒だろうか?
そんなことを思っていると――。
イメージの中で、私の身体から出ている黄色い毒ガスが、クサヤという魚の干物を焼いた煙に変わっていきます。
くさくて鼻が曲がりそうなクサヤでも、その美味しさがクセになる人もいる。
そうか、私は、クサヤ的な人間なんだ。
万人受けはしないけれど、通な人には好かれる。
自分から出ている異臭が、毒ガスではなく、くさくはあるけれど、美味しい食べ物のニオイである。
そんなイメージを眺めていると、妙な安心感が広がっていきました。
私が、周りの人に害を与えるような、悪い存在ではないという安心感です。
相手と接する際の姿勢が変わってくる
安心感を味わっていると――。
私は、「相手に嫌がられるに違いない」と思いながら、クライエントに接していた、ということに気づきました。
繊細な人だったら、私が相手を警戒していることを察知し、同じく警戒態勢になるかもしれません。
互いに警戒し合っていたら、カウンセリングに必要な関係性を築くことは難しいでしょう。
そのことに気づいてからは――。
自分に対する認識を自覚しながら、クライエントに接することにしました。
私は、クサヤ人間です。
焼くと、くさいニオイが出るけれど、意外と美味しいかもしれません。
よかったら、ご賞味あれ。
言葉に出すことはありませんが、ユーモアを交えたような感じで接すると――。
私自身が、繊細な相手に対して、変に警戒することが少なくなっていくような感じがしています。
繊細なクライエントとの関係が、今後、どんな風に変わっていくか、楽しみです。
日常生活や仕事で感じる悩みが、実は、無意識の中にある悲しみや願いとつながっていることがあります。
「そんな些細なこと」とないがしろにせずに、丁寧に扱っていくと、意外な発見につながるかもしれません。
発見がたくさん積み重なって、人生が豊かになっていたら、素敵です。
とはいえ、一人では、手に負えない苦しさもあります。
ご自身の状態によっては、医療機関や、専門家と一緒に取り組むほうが、安全で、確実なこともあります。
相手から嫌がられることが悲しいと感じているあなたへ
気をつけているのに、相手に嫌がられてしまう。
自分の何が悪いのか、分からず、悩んでいる。
それは、あなたの心が、これ以上傷つかないように、相手の反応を、いつも敏感に探っているからかもしれません。
まずは、話してみるだけで構いません。
人との関係に悩みながらも、自分らしくありたいと願ってきた。
それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。
「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。
私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、人とうまく関われないと悲しんでいる心の部分(パーツ)にも、あなたのペースで、一緒に向き合っていきます。
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