セルフ・コンパッションの効果を感じられない理由
セルフ・コンパッションを続けているのに、なぜかスッキリしない。
優しい言葉をかけているはずなのに、心が整うという効果が持続しない。
そんな経験はありませんか?
私自身、毎日セルフ・コンパッションを実践しているにもかかわらず、モヤモヤした気持ちが抜けない時期が続いていました。
丁寧に向き合っているはずなのに、心の深いところで、何かが引っかかる。
その原因は、思いがけないところにありました。
「自分自身に対する、小さなウンザリ感」。
この“ほんの少しの不満”が、セルフ・コンパッションの効果を削っていたのです。
この記事では、私が体験した気づきと、セルフ・コンパッションの効果を感じられない理由、そして、心を整えるヒントについて、お伝えします。
セルフ・コンパッションの効果が感じられない

心のクセが発動し、スッキリしない日々
ここ数ヶ月、私は、何となくスッキリしない日々を過ごしていました。
日常生活で支障が出るほどではないので、流していたんですけどね。
そもそもの原因は、ハッキリしています。
人と比べて劣っている自分に対する、ガッカリ感。
似たような場面に遭遇するたび、心の奥底で、ザワザワとした感覚がわき上がるのです。
実はこれは、幼いころの体験と深く結びついています。
私は、幼いころから、“出来の良い弟”と比べられ、しょっちゅう母に怒られていました。
「ダメな私」と「褒められる弟」という関係性が、知らず知らずのうちに、“心のクセ”として刻まれていたのです。
そのため、大人になった今でも、他人と比較されるような状況に出合うと、心の中の幼い私(インナーチャイルド)が反応する。
不安、怒り、悲しみ、劣等感が、一気に押し寄せ、私の心をかき乱すのです。
セルフ・コンパッションは対処療法に過ぎなかった
そんな自分のクセを知っていたので、私は、セルフ・コンパッションを続けていました。
- 朝晩、自分に優しい言葉をかける
- インナーチャイルドに寄り添い、抱きしめるイメージを浮かべる
- 「つらかったね」「あなたの気持ちは分かるよ」と共感する
すると、感情の大波は、徐々におさまります。
しかし──
劣等感を感じる状況に再び遭遇すると、また、津波のように感情が押し寄せる。
「感情の津波 → セルフ・コンパッション → 一時的に落ち着く → でもまた津波」
このループが、半年ほど続いていました。
対処療法としては進歩しているものの、根本的な癒しにはたどりつけていない。
そう感じた私は、プロの助けを借りることにしました。
※私が実践している「自己流セルフ・コンパッション」については、こちら。
自己探究の結果、気づいたこと

ハコミセラピーの個別セッションで見えたもの
お世話になったのは、私がハコミセラピーを学んでいる団体(日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク)に所属する、ハコミ公認トレーナーの阿部優美さん。
セッションでは、ハコミセラピーの特徴である「マインドフルネスの状態」をつくり、その状態のまま、心の奥にあるものを丁寧に見ていきます。
静かに自分の内側に意識を向けると、
- 母に選ばれず、泣いている幼い私
- その子を案じて怒っている、少し年上の私
二人の“私”が浮かび上がってきました。
大人の私は、幼い子をケアするつもりで、「つらかったね」「大丈夫だよ」と、抱きしめるイメージを思い浮かべます。
けれど、心のどこかで、小さな声が響いていたのです。
「また泣いてるの? もういい加減、あきらめてくれない?」
この小さなウンザリ感こそが、セルフ・コンパッションの効果を削っていたものでした。
幼い私が、何度も何度も泣くのを見て、大人の私は、どこかでため息をついていたのです。
表向きは優しく接しているのに、内心では「やれやれ…」と思っていた。
このほんのちょっとした違和感が、幼い私をかえって傷つけていたのです。
優美さんは、言いました。
「どの子も、親に大切にされたい、愛されたいと願うのは、当然のこと」
「あきらめられなくて泣くのは、自然な反応だよ」
その言葉を聞いて、私は目からウロコが落ちます。
私がウンザリしていたことこそ、幼い私にとっては、“再び否定される体験”だったのです。
私は、心の中で、幼い私に謝りました。
「ごめんね、あなたの気持ちを軽んじていたね。ちゃんと受けとめるよ」
その瞬間、幼い私は、安心した表情になり、二人の間に小さな和解が生まれました。
※「ハコミセラピー」について、詳しくはこちら。
「ウンザリする私」も、私を守ろうとしていた
振り返ってみると、私のウンザリ感にも理由がありました。
- 「ないものねだりをしても、仕方ない」
- 「もう大人なんだから、あきらめたら?」
こうした“現実的な考え方”で、感情をしずめようとしていたのです。
つまり、ウンザリしていた私もまた、“私を守ろうとしていた存在”でした。
ただし、このやり方は、インナーチャイルドには通用しません。
幼い子は、理屈ではなく、「気持ち」を聴いてほしい。
ただ一緒に寄り添い、共感してもらいたいのです。
このことに気づいてから、心のモヤモヤは消え、セルフ・コンパッションの効果がぐっと深まるようになりました。
セルフ・コンパッションの本当の難しさ

「自分に優しい言葉をかける」と聞くと、簡単そうに思えるかもしれません。
しかし、本当に効果を発揮させるには、
“心の底から”優しい言葉をかける必要がある。
ここが、何より難しいポイントです。
表面的には優しくしていても、
心の底で「また?」と思っていれば、
インナーチャイルドには、そのニュアンスが伝わってしまいます。
あなたの中にも、
「表面上は優しいけれど、どこかで自分を否定してしまう自分」
がいませんか?
もし、心あたりがあれば、それはセルフ・コンパッションが効かない原因のひとつかもしれません。
心を整えるためのヒント
私の体験から得た、セルフ・コンパッションの大切なポイントをまとめると──
① 自分の「微細な感情」に気づく
ウンザリ、ため息、わずかな苛立ち。
こうした小さな感情ほど、見逃しやすく、心を乱す原因になります。
② 優しさは“本気度”が大事
形だけでなく、本気で寄り添うこと。
インナーチャイルドは、その違いを敏感に感じ取ります。
③ イヤな感情は、あなたを守ろうとしている
「ウンザリする自分」も、あなたを守るために頑張ってきた存在です。
責めるのではなく、その気持ちにも優しくして接することが大切です。

セルフ・コンパッションは素晴らしい方法ですが、
一人で深いところまで続けるのは、正直むずかしい面があります。
私自身も、専門家のサポートがあったことで、ようやく気づけた領域がありました。
もしあなたも、
- 優しくしているのに効果を感じにくい
- 感情の波に何度も飲み込まれてしまう
- どう向き合っていいか分からない
そんな経験があるなら、
あなたの中の何かが“助けを求めている”サインかもしれません。
私が提供している個別セッションでは、
心と身体に起きていることを丁寧に見ていきながら、あなたが自分らしく生きられるようサポートしています。
安心できる場で、ご自身の内側と向き合ってみませんか。
どうぞ、お気軽にご利用ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたの心が、少しでも軽くなりますように。






















