ささいなことでイラッとするのはなぜ?幼少期の心の傷が関係しているかもしれません
ほんのささいなことでイラッとしてしまうこと、ありませんか?
実はそれ、「幼少期の心の傷が反応している」のかもしれません。
私自身、臨床心理士として自己探究を続けているにもかかわらず、いまだに「イラッ」とする瞬間があります。
時間が経てば消えていくようなイライラなら問題ありません。
けれど、気持ちがくすぶり続けるようなら、心の奥の「子どもの部分」が刺激されているサインかもしれません。
今回は、私自身の体験をもとに、イライラの奥にある心の仕組みと、気持ちを整える方法をお伝えします。
イラッとしたきっかけは“誕生会”の予定変更

きっかけは、本当にささいなものでした。
“私の誕生会をいつ開くか”、というだけの話。
例年、誕生日に一番近い週末に、夫が準備してくれます。
ですが、今年は息子(大学1年生)の予定が合わず、週末はすべて埋まっているとのこと。
「誕生会に一緒に居てくれないなんて、残念すぎる」とつぶやくと、息子が「平日なら時間を作れる」と提案してくれたのです。
私は、嬉しくなりました。
ところが問題は夫。
夫は、急な予定変更が苦手で、案の定もめました。
「平日も、週末も、予定が決まっている!」と声を荒げ、息子に向かって「なんとか週末にできないのか」と詰め寄る。
その声を聞いているうちに、私の中でイライラがわきあがってきました。
「そんなに嫌なら、誕生会なんてやらなくていい!」と、私まで怒鳴ってしまったのです。
結局、夫が折れて、平日におこなうことになったのですが、私の気持ちは晴れません。
自分でも「大人気ないな」と思いながらも、しばらくモヤモヤとした怒りが続きました。
「大人ではない部分」が反応している

冷静に考えれば、予定調整に時間がかかっただけ。
それなのに、なぜ、あんなに腹が立ったのか。
私は気づきました。
「これは、私の中の“大人ではない部分”が反応している」と。
私の心の中には、いくつかの存在があり、私はそれを「心は集合体」と認識しています。
心の中にある複数の部分(存在)の中には、「子どもの部分」がいくつか。
私の場合、文句を言い散らす子を「なおなお」、傷つきやすい子を「きいちゃん」と名づけています。
イライラが続くときは、この「子どもの部分」が活性化しているサイン。
そこで私は、いつものように心を整える作業を始めました。
ステップ1:「子どもの部分」に声をかける
まず、「大人の私」が、心の中の子どもたちに声をかけます。
「なんだかイライラしているみたいだね。何がそんなに嫌だったの?」
すると、「なおなお」が答えました。
「誰も、私のことなんて大切にしてない。私は、いつも後回しなんだ!」
ステップ2:「子どもの部分」の言い分を聞く
私は、その言葉にハッとするものがありました。
幼いころ、母が弟ばかりをかわいがり、私は後回しにされていたという感覚がよぎったからです。
母と弟に明るい光が降り注ぎ、私は暗い場所でひとりぼっち、というイメージが浮かびます。
「ママは、私のことなんかどうでもいいんだ。私は、要らない子なんだ」
そのときの「怒り」と「悲しみ」が、夫の言葉をきっかけに、再びうずいたのでした。
ステップ3:気持ちに共感し、涙を流す
私は「大人の私」として、「なおなお」と「きいちゃん」に声をかけました。
「悲しいね。つらかったね。よく頑張ったね」
すると、2人の子が涙を流しました。
私自身の目からも、涙がこぼれます。
心の奥に閉じ込めていた感情を表に出すことで、心が少し軽くなりました。
ステップ4:得られなかった体験を“今”の私が与える
次に、「子どもの部分」が得られなかった体験を与えます。
私は、「あなたには味方がいるよ」と伝えました。
私の周りには、今、私を支えてくれる家族や仲間がいる。
そして何より、私の心の中にいる他の存在たちも、あなたの味方だよ。

5人の存在が「なおなお」「きいちゃん」を囲み、「私たちは、あなたの味方だよ」と声をかける。
そんなイメージを思い描くと、2人の子どもは、安心して、穏やかな表情になりました。
※「心は集合体」という考えについて、詳しくはこちら。
※私が自分の心の中を分析したことについては、こちら。
「心の中の子ども」と向き合うということ

こうした作業をしていると聞くと、「自分で自分を慰めるなんて、情けない」と思う人もいるかもしれません。
けれど、私はこの方法が一番効果的だと実感しています。
ささいなことでイラッとするとき、反応しているのは、理屈の通じない「子どもの部分」です。
「そんなこと、気にしないで」と言っても、子どもには届きません。
だからこそ、「心の中に子どもがいる」と意識して接してみることが大切なのです。
幼少期に親との関係で心に傷を負った人は、その“子どもの心”が成長しきれずに、残っていることがあります。
ふとした刺激で、その部分から「血が流れる」ように、痛みがあふれ出す。
だから、私は、その傷を見つけたら、絆創膏を貼るように、手当てしているのです。
今日からは、あなたの心の中の「子どもの部分」にも、少し優しく声をかけてみてくださいね。
自分をケアする力を育てよう

この作業を何度も繰り返すうちに、私は、数分で気持ちを整えられるようになりました。
けれど、ここまで来るには、結構な時間がかかっています。
私は、「ハコミセラピー」を学び、数多くの個別セッションを受けて、ようやく自分一人でできるようになったのです。
ハコミセラピーは、「マインドフルネスを使って、心と身体を癒すセラピー」。
感情を抑えるのではなく、優しく見つめる方法です。
もし、一人で取り組むのが難しいと感じたら、専門家のサポートを受けてみてください。
臨床心理士・公認心理師である私が行う「個別セッション」では、あなたの心を安全に整えるお手伝いをしています。
あなたの最大の味方になれるのは、最終的には、あなた自身です。
あなたがあなたをケアできるようになるまで、私が伴走します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※「ハコミセラピー」について、詳しくはこちら。
「ママは、私のことなんかどうでもいいんだ。私は、要らない子なんだ」






















