ビリーフは変えなくていい。緩めるだけで心は軽くなる~「私はダメ」から自由になるまで~

2025年10月23日

「ビリーフが変わらない……。ビリーフを変えなくてもいい?」

そう思って、モンモンとしたことはありませんか?

実は、私もその一人でした。

でも、ビリーフは変えなくていいのです。

自分の体験を通して、そのことに気づいたことについて、お伝えします。

ビリーフを変えなくてもいいは論外?

私には「私はダメな人間だ」というビリーフ(信じ込み)があります。

ちなみに、ビリーフとは、幼いころの体験から生まれた「自分や世界の見方」のこと。

しかも、私の場合、そのビリーフが嫌なので、「私はダメではない」ことを証明しようと、必死に頑張る。

でも、ビリーフのせいで、誰かに頼ることができず、思い通りの結果が出ないと「やっぱり私はダメ」が発動する。

結局、「私はダメ」を中心に、同じところをぐるぐる回っているだけだったのです。

「私はダメ」を「私は良い」に変えようと、ビリーフの変容をかかげる心理療法をいくつも受けました。

けれど、その結果は、散々なもの。

頭で「私は良い」と思い込もうとしても、メッキのようにすぐはがれてしまうのです。

ビリーフを手放そうとすればするほど具合が悪くなり、気持ちが不安定になっていきます。

そうした場では、「ビリーフを変えなくてもいい、なんてのは、論外」という無言のプレッシャーがひしひしと。

そして、思いました。

――ビリーフを変えられないのは、私がダメな人間だからだ。

まさか、ビリーフを変えようと努力した結果、自分のビリーフを強化してしまうなんて。

とっても皮肉な結果になってしまいました。

※ビリーフを変えようとして具合が悪くなったことについては、こちら。

ハコミセラピーでビリーフの変容に向き合う

ビリーフを作ったのは幼い私

苦しい思いを抱えていたときに出会ったのが、「ハコミセラピー」でした。

これは、「マインドフルネスを使って、心と身体の両方にアプローチする心理療法」

ゆっくりと呼吸をしながら「今ここ」に意識を向ける、マインドフルネスの状態で、無意識の深い部分にやさしく触れていきます。

ハコミセラピーを通して、私は心の中に「幼い私=インナーチャイルド」がいることに気づきました。

その子は、母から「できのよい弟」と比較され、「ダメな子」と言われ続けてきた女の子でした。

どんなに頑張ってもほめられず、理不尽に怒られ、自分を責めることしかできません。

「私はダメ」と信じていたのは、その幼い私だったのです。

※ハコミセラピーについて、詳しくは、こちら。

幼い私が抱えていた悲しみと癒し

子どもにとって、親は絶対的な存在です。

だからこそ、親に愛されたい、分かってほしいという気持ちが強い。

うまくいかないことが起きると「自分が悪いせいだ」と思い込んでしまう。

それが、ビリーフのはじまりです。

ハコミセラピーでは、そんな幼い私に声をかけていきます。

あなたの存在には価値があるよ。

そのままのあなたでいいんだよ。

すると、ひとりで頑張ってきた幼い私が、ホッとして、少しずつ緩んでいきました。

心の奥にいた“見捨てられた小さな子”を優しく包んであげると、今まで感じたことのない安心感が広がっていったのです。

古いビリーフを変えなくても大丈夫

幼い私が癒されていくと、母の行動の裏にあるものが見えてきました。

  • 母自身が「女であること」への嫌悪感を抱えており、自分の娘(私)を無意識に拒絶していた。
  • 母が自分の中に認めたくない怒りや悲しみを、私に投影していた。

つまり、母が私を怒鳴っていたのは、私が悪かったのではなく、「母自身の心の問題」だったのです。

その気づきがあって初めて、「私は悪くない」という新しいビリーフが生まれました。

古いビリーフを“良い”ものに変えていくのではなく、古いビリーフを緩めて、新しい視点を加えていく。

それが、真の意味での「ビリーフの変容」だと実感しました。

※母が自分の娘を無意識に拒絶していたと気づいたことについては、こちら。

※母が認めたくないものを私に投影していたと気づいたことについては、こちら。

ビリーフを変えなくてもいいのは

ビリーフは「良い・悪い」ではなく「柔らかさ」

「自分はダメだ」というビリーフを、「自分は素晴らしい」に変えようとする人は多いです。

けれど、それは少し違います。

もし、「自分は素晴らしい」と強く信じている人が失敗したとき。

「自分は素晴らしい人間だから、失敗などするはずがない」と反省しなかったら、どうなるでしょうか。

失敗をくり返してしまいますよね。

しかも、周囲の人が悪いと、責めてしまうことさえ、あるかもしれません。

つまり、自己否定的でも、自己肯定的でも、「凝り固まったビリーフ」があると、柔軟な行動ができなくなります。

大切なのは、ビリーフを「良い」か「悪い」かで、判断することではありません。

状況に応じて選べる、心の柔らかさなのです。

ビリーフを変えるのではなく、緩めていく

自分の中にあるパターンに気づき、それ以外の考えをもてるようになる。

それが「ビリーフを緩める」ということです。

私は今でも、うまくいかないことがあると、とっさに「私がダメだから」と思ってしまいます。

でも、すぐに「待って、そこまで悪くない」と思える自分も出てくるようになりました。

「相変わらず、幼い私のパターンが出てるな」と気づき、幼い自分に優しく声をかけながら、対策を考えられるようになったのです。

そして、「私はダメ」が少し緩んだからこそ、「今の自分は、なってない。じゃあ、次はこうしてみよう」と、「自然な向上心」も生まれるようになりました。

ビリーフは、使い方次第で、私たちを成長させてくれます。

無理にビリーフを変えなくてもいいのです。

ビリーフが変わらないと感じて落ち込むことは、誰にでもあります。

でも、本当に必要なのは「変えること」ではなく、「緩めること」。

ビリーフを作り出した幼いあなたに、優しく寄り添うことなのです。

生きづらさの裏には、必ずあなたを守ろうとする心の働きがあります。

その仕組みを知り、癒していくことで、心は自然に軽くなります。

もしあなたの中にも、「自分はダメ」というビリーフがあって苦しいなら――

私の個別セッションで、一緒にそのビリーフを緩めていきませんか。

あなたの心が自由に動き出す瞬間を、私は心から応援しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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