自己否定が激しい私がたどりついた自己流セルフ・コンパッション

2026年8月18日

「自分に優しくしよう」と思っても――、

「自分で自分を慰めるみたいで、みじめだ」

「そもそも、優しくされる価値がない」と、かえって自分を責めてしまう。

そんな経験はありませんか。

 

あるいは、「セルフ・コンパッション」の本を読んで実践してみても、心のどこかで白けてしまい、続かなかったという方もいるかもしれません。

 

そう感じてしまうのは、あなたが素直じゃないからでも、意志が弱いからでもありません。

自己否定が根強い人ほど、自分への優しさを、まっすぐには受け取れないものなのです。

 

母から否定的な言葉をかけられて育ち、「自分は要らない人間だ」と信じ込んで生きてきた私。

自己否定が激しく、どうしても自分に優しくできなかったのですが――、

そんな私でも、「セルフ・コンパッション」を実践できるようになりました。

 

今回は、私なりのヒケツと、その効果についてお伝えします。

 

セルフ・コンパッションに取り組めない

 

 

自己探究を重ねながらも、自己否定の激しさに苦しんでいたころ。

「セルフ・コンパッション」というものを知りました。  

 

「セルフ・コンパッション」とは、直訳すれば、「自分自身に対する慈しみ」

分かりやすく言えば、「自分自身に対して思いやりの気持ちをもって接すること」です(ネフ、2014、2021)。  

 

「セルフ・コンパッション」が高まると――、

心身が健やかな状態になる。

やる気や自己成長、人間関係の改善にもつながる。

生きることに深い喜びを感じることができる。  

 

「良いことづくめ」と感激し、自分に対して、思いやりのある優しい言葉をかけてみたところ。  

 

ダメ人間が、誰からも優しくしてもらえないから、自分で自分を慰めてるに過ぎない。

みじめったらしい。

そもそも、自分のことを、優しい言葉に値すると思っているなんて。

思い上がるにも、ほどがある。  

 

私の内側から、私をたたきのめすような声が、噴き出してきました。

ネフ博士の著書には、「自己憐憫の一種ではない」「身勝手さを美化した言葉ではない」と書かれているにも関わらず。  

 

思えば、幼いころから、やることなすこと、母から罵倒されてきた私。

母の言動を自分自身の中に取り込んでしまい、自責の念、つまり、自分を責める内なる声が強いのです。  

 

セルフ・コンパッションは、私みたいに自己否定が強い人間には、手が届かないもの。

そもそも、取り組めないものなんだ。  

 

そんな風に考え、セルフ・コンパッションに取り組むことはやめてしまいました。

そして、素晴らしいと言われるものに、どうしても取り組めない自分に、嫌気がさしていくばかりでした。  

 

私がたどりついたセルフ・コンパッション

 

 

ポイントは「心は集合体」という認識

セルフ・コンパッションに、どうしても取り組めなかった私。

そんな私が、悪戦苦闘、試行錯誤の末、自己流のセルフ・コンパッションを編み出しました。  

 

そう聞くと、とんでもなく大変なもののように思われますが――、

私がたどりついたセルフ・コンパッションのやり方は、とってもシンプル。

自分に対して、感謝とねぎらいの言葉をかけるだけ。  

 

ただし、自責の念が強い私は、「生身の自分」に優しい言葉をかけることができません。

そのため、自己探究の末にたどりついた、ある考え方を取り入れたのです。  

 

心は集合体」という認識。

つまり、「心の中にはいくつもの存在(パーツ)がある」ということ。  

 

たとえば、「私はダメな人間だ~」と落ち込んでいるとき。

私の心の中で、タイプの異なる複数のキャラクター(パーツ)が動いています。

  • 私には能力がないと、悲しんでいるキャラクター。
  • 努力が全然足りていないと、責めてくるキャラクター。
  • カバーするために、何をしたらよいかと考えるキャラクター。

 

うした複数のキャラクターが関わり合い、ときに葛藤しながら、私の心のありようを作っているのです。  

 

「心の中にいくつものキャラクター(パーツ)がいる」と認識するようになると――。

自分の心の中にあるものを、他人を見るように、客観的に観察し、距離を取って関わることができるようになる。  

 

「自分を他人として見る」というのは、変な感じがするかもしれません。

ですが、自責の念が強い、私のようなタイプには、自責をするキャラクターから距離が取れるので、救いになります。

 

距離を取って自分の心のありようを眺めると、ネガティブな感情の嵐に巻き込まれることが減っていきました。

だからこそ、以前のように、自分を責める声にのみ込まれてしまうことがなくなったのです。  

 

自己流セルフ・コンパッションの手順

 

私がたどりついたセルフ・コンパッションのやり方は、以下の通り。

すべてイメージの中で行います。  

 

①心の中にいる8人のキャラクター、身体を人格化した存在をイメージの中に配置する。

②自分だと意識している部分(主人格と呼ばれる)を、上述した9人を眺めるような位置に配置する。

③自分(主人格)が、各々のキャラクターの名前を呼び、各々の働きに、感謝を伝え、ねぎらう。

④落ち込んでいるキャラクター、怒っているキャラクターがいれば、言い分を聞き、共感して、慰める。  

 

たった、これだけ。

数分で終わってしまいます。  

 

私は、自分の心の中にいるキャラクターたちを総称して「チームなお」と呼び、自己流のセルフ・コンパッションの時間を「チームなおの集い」と名づけ、楽しんでいます。  

何事に取り組むにも、楽しむことが一番大切です。

 

※「心は集合体」について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

自己流セルフ・コンパッションの効果

 

 

6ヶ月の実践で感じた効果

私は、2024年12月下旬から、毎日2回、起床後と就寝前に、自己流のセルフ・コンパッションに取り組んでいます。

とりあえず、半年間、実践して感じた効果は、以下の通りです。

 

今の自分に起きていること(怒り、気落ちなど)が、敏感に感じ取れるようになる。

気持ちの切り替えが速くなる。

前向きな気持ちが持続する。

やる気に満ちあふれる。  

 

日常生活で具体的に感じた効果

仕事

以前より、仕事に取り組みやすくなりました。

大変な状況に陥っても、「人事を尽くして天命を待つ」みたいな心境になれています。

しばらく前は、失敗を恐れ、自分の能力のなさを嘆いてばかりだったんですけどね。  

 

家族との関係

家族との関係も良好なものになりました。

顔を見るだけで悪寒が走り、関わることを避けていた夫と、一緒のお出かけを楽しめるようになっています。

 

対人関係

家族以外の人との関わりも、広がってきました。

対人緊張がなくなったからです。

今では、知り合いや旧友、新しくできた友人たちとの交流を楽しんでいます。

 

問題解決

そして、何より、実感するようになったのが――、  

困ったときに、自発的に解決策が見出せる。  

 

落ち込むこと、不安になることが、なくなった訳ではありません。

ですが、うじうじ悩むより、解決策を探したほうがよいと判断し、自己探究に向かうようになりました。

そして、自己探究を行うと、自分の中から自発的に解決策が出てくるのです。  

 

全体を通じて感じるのは――、

私の心の中にいる存在(パーツ)たち、つまり、「チームなお」のチームワークが良くなっているということ。

自分自身のパーツたちに対する理解が深まるにつれ、各々がもつ力を、最大限に発揮しあっている状態になっています。

 

自己流セルフ・コンパッションの落とし穴と代理案

 

 

自己流セルフ・コンパッションの落とし穴

私にとっては効果絶大な「自己流のセルフ・コンパッション」ですが、落とし穴があります。

 

「自分の心の内側にいくつかの部分がある」というのが、よく分からない。

いくつかはあるような気がしても、どういう役割や特徴がある部分なのか、具体的にイメージできない。

 

実は、私自身、自己流のセルフ・コンパッションにいたるまで、長年にわたる自己探究の積み重ねがあります。

心の中に8人のキャラクターがいることを見つけ出したり、自分の内面、特に、自責の念をとことん深掘りしていったり――。

 

そんな訳なので、一人ですぐに実践するのは、正直、難しいかもしれません。

 

自己流セルフ・コンパッションの代理案

それでも、一人で「セルフ・コンパッション」に挑戦してみたいと思うあなたへ。

「自分の心の内側にいくつかの部分がある」ということが実感できなくても、取り組める方法がないか、考えてみました。

 

身体に感謝してみる

自分の身体は、心の内面にあるものより、把握しやすいところがあります。

そのため、「自分の身体に感謝する」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

私は、身体をいくつかの部分に分け、各々の働きに感謝し、ねぎらうという取り組みもおこなってきました。

これは、「身体」という自分の一部に優しい言葉をかけることになり、セルフ・コンパッションにつながります。

 

ただし、この方法は、身体の部位にコンプレックスがある方、身体の弱い方には、向かないことがあるので、ご注意ください。

 

※身体に感謝するという「セルフ・コンパッション」について、もっと知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

「ストレングス・ファインダー」の結果を活用する

「ストレングス・ファインダー(クリフトンストレングス)」は、才能を診断するテストです。

「才能」という形で、その人の「特徴」が分かりやすく提示されます。

 

その「ストレングス・ファインダー」の結果を使って、「セルフ・コンパッション」をおこなうことができます。

①上位に位置する才能(上位資質)を、心の中にある存在(パーツ)と見立てる。

②上位資質に、感謝とねぎらいの言葉をかける。

 

ただし、どこまでが上位資質なのか、また、資質が自分のどのような才能を反映しているかは、結果だけを見ただけでは、分かりづらいことがあります。

 

※ストレングス・ファインダーの結果を活用してセルフ・コンパッションを行う方法について、詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

どちらも私が見出した方法ですが、私のように試行錯誤を重ねながら、一人で一つ一つ進めていく必要はありません。

すべて一人でやろうとすると、時間がかかり過ぎますし、やる気も失せてしまいます。

専門家と一緒に取り組むことで、もっと早くたどりつけることもあるのです。

 

一人で頑張らなくても大丈夫

自分に優しくしたくても、うまくいかない。

そんなもどかしさを感じることもあるはずです。

 

自分に合ったセルフ・コンパッションの方法にたどりつくまでには、時間がかかるものです。

一人で見つけ出していくのが難しいとしても、決しておかしなことではありません。

 

まずは、話してみるだけで構いません。

長い間、一人で抱えてきた。

それだけで、十分すぎるくらい頑張ってきたということです。

「もう少し、楽になってもいいかもしれない」と感じたなら、その気持ちを最初の一歩にしてください。

 

私が提供している「ストレングス×パーツ統合アプローチ」では、資質をストレングス・ファインダーで見い出す、内面を丁寧に見ていくなどして、あなたに合った自分自身への向き合い方を、一緒に見つけていきます。

 

👇 まずは体験セッションから(初回限定・50分・2,500円)

 

 

     

 

「もう少し読んでから考えたい」という方は、こちらもご覧ください。

 

※セルフ・コンパッションを1年続けたらどうなるか、関心がある方へ。

※自責の念の正体とその対処法について、詳しく知りたい方へ。

 

※「セルフ・コンパッション」について、詳しく知りたい方は、こちらの参考文献をご参照ください。

  • クリスティン・ネフ (著) 石村郁夫ほか(訳) (2021) セルフ・コンパッション[新訳版] 金剛出版

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